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演劇(ミュージカル中心)が大好物な28歳女性。 ミュージカルでは、特別好きな作品や特別…

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演劇(ミュージカル中心)が大好物な28歳女性。 ミュージカルでは、特別好きな作品や特別好きな役者が出ているものは、10回以上観劇したりもします。 平日はガッツリ働く会社員のため、月に4〜8回程度の観劇頻度。 まだまだ新参者ですが、演劇好きの方と共有し合えれば嬉しいです!

最近の記事

『アンナ・カレーニナ』観劇

2019年の宝塚歌劇団月組公演にて、初めて出会った本作品。出会いから1年以内に、文庫本で計4冊、総ページ数2000ページ超えの原作を読破した。 広大なロシアの土地のように、読んでも読んでも終わらない長い道のりの原作を読み終えて、一層この作品の魅力にはまってしまった頃、宮沢りえ主演で2020年夏に舞台化されるとの情報が入ってきた。チケットを購入し、上演の日を心待ちにしていたが、突然のコロナ禍により上演自体が取りやめに。演出家、出演者、スタッフの皆さんは相当に悔しい思いをされた

    • ミュージカル『ガイズ&ドールズ』観劇。

      関係者にコロナ感染者が出たとのことで、2日間中止となった日があった今公演だが、ギリギリその期間にはかからず、なんとか観劇することができた。 1950年にブロードウェイで初演されると同時に大評判となり、1,200回のロングラン公演を記録。これまでトニー賞作品賞、主演男優賞、主演女優賞、助演女優賞など8部門受賞の栄誉に輝いたという本作。日本においては、宝塚を皮切りに、日生劇場版・東宝版と幾度となく再演されている。 個人的には、今回が作品自体初見。1950年に作られた、1930

      • 映画『ウエスト・サイド・ストーリー』人間の永遠の課題が再び令和の時代に突きつけられる

        2022年2月11日の日本公開日から2ヶ月以上経って、ギリギリ滑り込みで映画館で観ることができた。 シェイクスピアが生きた時代から変わらない、人間にとっての永遠の課題である本作の内容の所感を、これを機に記しておきたい。 ブロードウェイミュージカル『ウエスト・サイド物語』の初演、1957年から数えて早65年。この年月を見ると、一瞬、令和の時代においては少し古臭い作品と身構えてしまう方もいるかもしれないが、決してそうではない。 この作品が、1595年前後にシェイクスピアによ

        • ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』観劇。正反対の境遇で育った双子の悲しき運命

          4月初旬、東京国際フォーラムホールCにて観劇。 公演ポスターに記載の通り、「同じ日に生まれ、同じ日に死んだ双子」であることがことが作品冒頭名言される。 冒頭、堀内敬子さん演じるミセス・ジョンストンが一人で舞台中央に登場し、悲痛を嘆くかのように、身体の奥底からの魂の叫びを歌い上げる。全身から放たれるエネルギーと声に、一気にストーリーに引き込まれていった。 【ストーリー】 リヴァプール郊外で双子の男子が誕生した。双子の一人であるエドワード(ウエンツ瑛士)は裕福なライオンズ夫

        『アンナ・カレーニナ』観劇

        • ミュージカル『ガイズ&ドールズ』観劇。

        • 映画『ウエスト・サイド・ストーリー』人間の永遠の課題が再び令和の時代に突きつけられる

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          宝塚歌劇団演出家 上田久美子氏に捧ぐ

          突然の退団発表。 じわじわと視界が曇ってくると同時に、これまでに生で観劇が叶った久美子先生の作品への想いが走馬灯のように蘇ってくる。 私は、宝塚の世界が好きで好きでたまらない、というタイプのファンではない。あくまで好きな人物ベース、もしくは作品ベースで観劇をするため、演出家については最初は注目の範囲内だった。 2016年夏の『ローマの休日』から宝塚を観るようになり、最愛の人となった月城かなとが所属する雪組作品ばかりを観に行くようになっていた頃、2017年2月に名古屋 中

          宝塚歌劇団演出家 上田久美子氏に捧ぐ

          ミュージカル『next to normal』Nチーム観劇(その後Aチームも観劇)

          宝塚退団後、望海風斗さんのミュージカル出演2作目!頑張ったものの自力でチケットを確保できず、お譲りいただいたチケットで4月初旬になんとか観劇が叶った。 この日は望海さん率いるNチーム。アンサンブル一切なしの6人きりのミュージカルで、ここまで人数の少ないミュージカルは観たことがなかったため驚いた。ただ6名とも実力が確かでいらっしゃるためか、物足りなさは全くなく、見応え満点であった。 【この日のキャスト】 ◆ダイアナ(主人公。家族の母親) ・・・望海風斗 ◆ゲイブ(ダイアナと

          ミュージカル『next to normal』Nチーム観劇(その後Aチームも観劇)

          ミュージカル『笑う男』 富と貧困、醜と美。どちらが幸せなのか

          2月某日、帝国劇場にて今作を初めて観劇してきた。 公演初日の当日、しかも開演直前に、公演関係者のコロナ感染が発表され急遽中止になった今作。本来初日であったはずの日から数日経って何とか幕が開いたことに安心しつつも、とにかく感染された方の1日も早い回復を祈る。 https://www.tohostage.com/warauotoko/#intro 一番の目的はもちろん、宝塚歌劇団退団後、『ドン・ジュアン』に次いで2作目のミュージカル出演となる真彩希帆だ。 ※以下、ネタバレ

          ミュージカル『笑う男』 富と貧困、醜と美。どちらが幸せなのか

          ミュージカル『マイ・フェア・レディ』観劇。高い言語力を身につけた女性の行く先。

          『マイ・フェア・レディ』との出会いは6〜7年前、大学の授業だった。映画を観てその作品の内容や時代背景等を考察するという、エンタメ好きの私としては非常に関心度の高い授業で、確かこの作品は講師の方が取り上げたものだったと記憶している。 オードリー・ヘプバーンが当時から好きだった私は、彼女ならではのチャーミングさに惹かれつつも、言い方が正しいかは分からないが“紳士が田舎娘を調教”していくというストーリーにかなり驚いた。 その時授業で観て以降、映画を再び観ることはなかったが、今年

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          ミュージカル『ドン・ジュアン』 下界に解き放たれた真彩希帆の圧倒的存在感。その他諸々感想

          遅ればせながら、10月末に観劇したミュージカル『ドン・ジュアン』の感想を記そうと思う。 観劇の目的は、もちろん真彩希帆だ。今作が真彩ちゃんの宝塚退団後一発目のミュージカルの仕事である。 ジャニーズの方が主演ということで、ファンクラブ等に入っていない身分ではなかなかチケットを取るのが難しかったが、なんとか一枚だけ手に入れることができた。 日本では、宝塚歌劇団の雪組で、まさに真彩ちゃんとトップコンビとして相手役であった望海風斗さん主演で上演していた作品。映像ではあるが私も観

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          劇団四季『ライオンキング』初見。生命の輪廻転生を思い知る🦒

          宝塚からミュージカルの世界に入ったもので、意外とたくさんは観たことがない劇団四季。日頃から「ナーツィゴンニャー」と家の中で口ずさんでいる妹(観劇するまでは正式な歌詞が分からなかったようで、ニュアンスで適当な言葉をはめていたが(笑))を誘って、11月に初めて『ライオンキング』を観劇してきた。 会場は、9月に新設された有明四季劇場。ゆりかもめの有明駅から徒歩10分かからないくらいの場所にあるが、個人的には正直立地はあまり良くないと思った。なぜなら、タワマンと高速道路しかないから

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          柳橋・江戸下町探訪記〜山本周五郎『柳橋物語』をたどる〜

          宝塚歌劇月組公演『川霧の橋』の原作小説である、山本周五郎の小説『柳橋物語』。 私自身も東京の下町の出身であるからか、月組公演『川霧の橋』を見て周五郎の世界の沼にハマってしまい、作品の舞台となった場所を先日散策してきた。 森下、清澄白河の間あたりから、徒歩で“柳橋”を目指した。Google mapを頼りにしつつも、江戸下町の風情がまだ残るこの界隈を堪能しようと、色々な小道も入ってみた。 すると、さっそく吉良上野介の館跡を発見! お名前は、学生時代に授業で習った記憶があるた

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          『川霧の橋』観劇。東京⇆博多3往復の過激な(歌劇な?)旅

          まさか東京⇆博多間を3週間の期間で3往復する日が私の人生に訪れようとは。(ちなみにうち1回は日帰り往復でマチソワ) なぜそんなことになったかって? それは言うまでもない。“大いなる好き×大いなる好き=無限”が成立してしまったから。 大いなる好き①は月城かなとさん、大いなる好き②は作品自体を指す。 長らく応援してきたれいこさん(月城かなとさん)の念願のトップスター就任。そのお披露目公演に『川霧の橋』が決定した。31年前の初演は、私の生まれる前。当然観たことはなく、宝塚を

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          宝塚雪組公演『ファントム』 人物視点て熱く語る

          忘れもしない、初観劇の2019年1月29日。この月の前半にはパリに旅行で訪れ、作品の舞台となったオペラ座(ガルニエ宮)の内部を見学し、準備万端での観劇だった。あの日鮮烈に心と記憶に刻まれた作品を呼び起こすため、今再び筆を執る。 (※ネタバレ含む) 【作品紹介】 脚本/アーサー・コピット 作詞・作曲/モーリー・イェストン 潤色・演出/中村 一徳 翻訳/青鹿 宏二 ガストン・ルルーの小説「オペラ座の怪人」をもとに、脚本アーサー・コピット、音楽モーリー・イェストンによって1991

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