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  • これからの医療とDXシリーズ

    医療経営とDXに関する記事をまとめています。

  • 医療従事者のためのnote

    医師、看護師ほか医療従事者のために役に立つビジネス、デザイン、サービス、マネジメントのことをつづります。

  • ビジネスパーソンのためのITツール2.0

    • 24本

    ビジネスパーソンの仕事上の困り事をITツールをつかって解決する方法や、つかえそうなITツールを紹介します。『ツールつかう会』公式note。

最近の記事

医療機関のホームページ制作で重要なたった一つのこと【これからの医療とDX #16】

「今風のデザインで、いい感じのホームページを提案してください」 「自院に合ったサイトのデザインを提案してください」 ホームページや採用サイトの制作で、このような依頼をしたことはありますか?実際、医療機関にかぎらず、最初の依頼はこのような内容であることはよくあります。制作者側の自由度が高く、プロの技術を尊重した依頼のように思える内容ですが、実際には、「意図や要求がわからず、”良いもの”が作れなくなってしまう」可能性を高めてしまいます。 依頼する際に要求を明確にすることで、よ

    • 医療機関の評価DX【これからの医療とDX #15】

      今回は「医療機関における評価DX」をテーマに書きます。 評価DXとは 「人事評価の手続きや活動にデジタルを活用することで、より効率的に、より高い再現性を求める方法論」をここでは「評価DX」と呼ぶことにします。 人事評価は、組織に所属する従業員の業務遂行能力、成果、行動、態度などをみて基準に基づいて点数をつける行為およびそのプロセスです。 代表的なものとしては、目標管理制度(Management by Objectives; MBO)、ランク付け(レーティング)などがあり

      • 医療機関のマネジメント研修とDX【これからの医療とDX #14】

        今回は「医療機関でDXをどうやって進めたらいいかわからない」という人にお勧めの方法をお伝えします。 マネジメント研修とDX医療機関の経営において、管理職やマネジャーの育成の重要性は増しています。それを受けて、管理職や管理職候補を対象としたマネジメント研修を医療機関で実施しているケースも増えています。 一方、医療機関でDXを進めていくにあたっても、マネジャー層のデジタルへの理解度やリテラシーが鍵となっています。DXプロジェクトを担当したり、デジタル活用を現場レベルで実装したり

        • 医療機関の教育DX【これからの医療とDX #13】

          今回は「医療機関における教育DX」について、実際に取り組んだ2つの事例を紹介しながら、解説します。 教育DXとは 「教育活動でデータを用いて分析や振り返りをおこない、教育に関する判断や活動を改善する方法論」を、ここでは教育DXと呼ぶことにします。 人材の流動性と専門性の両方が高い医療機関では、新しく入職した人が業務や環境にいかに早く慣れていけるかは重要です。教育についてはどの医療機関も腐心していると思います。 指導者側の技術や人柄の部分が教育の成否に関わることは言うまで

        医療機関のホームページ制作で重要なたった一つのこと【これからの医療とDX #16】

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        • これからの医療とDXシリーズ
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          医療機関の採用DX【これからの医療とDX #12】

          今回は「医療機関における採用DX」をテーマに書きます。 採用DXとは 「採用活動にデジタルを導入することで、採用活動の問題点を発見しやすく、再現性を高める方法論」のことをここでは「採用DX」と呼ぶことにします。 採用は、医療機関にとっても重要な要素の一つとなっており、組織の継続と発展に直接関係しています。自院が求める人材を定め、その人材を採用できるように採用オペレーションを設計・運用していくことは、今後のトレンドになっていくだろうと予想しています。 2つの採用活動 採

          医療機関の採用DX【これからの医療とDX #12】

          電子申告とe-Taxとマイナンバーカードで困ったときのメモ

          確定申告で初めてe-Taxを進めるにあたって、マイナンバーカードの落とし穴に何回か落ちたので、今の知見をメモします。 マイナンバーカードにはパスワードがいっぱいある そのままですが、マイナンバーカードに関するパスワード(暗証番号)は4つあります。以下の4つです。 署名用電子証明書暗証番号(6桁以上のアルファベット大文字と数字) 利用者証明用電子証明書暗証番号(4桁の数字) 住民基本台帳用暗証番号(4桁の数字) 券面事項入力補助用暗証番号(4桁の数字) それぞれの

          電子申告とe-Taxとマイナンバーカードで困ったときのメモ

          DX導入後の教育 【これからの医療とDX #11】

          DXや働き方改革の担当者からは、以下のようなご質問をよく聞きます。 「業務フローを整理したり、便利なITツールを導入したりしたとしても、医療機関の職員がそのシステムをちゃんと使ってくれますか?」 「現場の人にITツールに慣れてもらうための教育はどうすればいいでしょうか?」 担当者の方は、DXを行うことによる業務改善や組織変革などのよい面を理解しつつも、「この変化に職員が適応できるだろうか」という心配をもたれるのだと思います。 しかし、DXは手間を組織的に減らし、それ自

          DX導入後の教育 【これからの医療とDX #11】

          DXとテキストコミュニケーション 【これからの医療とDX #10】

          コロナ禍以降、筆者がコンサルティングで関わる病院では、SlackやTeams、LINE WORKSなどのチャットツールを導入するところが増えてきています。感染対策のために院内のコミュニケーション手段が対面からオンラインに移行していることも理由の一つでしょう。 チャットツールの普及とともに、テキストコミュニケーションの量と割合は医療機関でも増えつつあります。本稿では、テキストコミュニケーションとDXについてお伝えします。 テキストコミュニケーションとはテキストコミュニケーシ

          DXとテキストコミュニケーション 【これからの医療とDX #10】

          組織の規模とDX 【これからの医療とDX #9】

          前回はDX投資の費用対効果についてお伝えしましたが、その効果は組織の規模によって異なります。具体的には、以下のような医療機関でDXの効果を実感しやすいと考えます。(※1) 今回は、組織の規模とDXについて解説します。 規模とともに増えるコストとリスク一般的に、組織の規模が大きくなるほど 、DXの効果や必要性は高くなります。なぜなら、規模が大きくなるほど増えるものがあり、それらをDXによって減らせるからです。”規模が大きくなるほど増えるもの” は以下の3つです。 管理コス

          組織の規模とDX 【これからの医療とDX #9】

          DX投資の費用対効果 【これからの医療とDX #8】

          「DXに投資して本当に儲かるのか?」 「システムにお金がかかるだけで利益にならないのではないか?」 実際に、病院の理事長・院長から筆者が受けたご質問です。「DX投資は利益につながります」と回答し、理由を説明しました。 本稿では、このときの回答内容を基に「DX投資の費用対効果」についてお伝えします。 DXは人手不足問題の処方せんDX投資が利益になる理由は「採用コストや人件費が上昇した一方、業務効率化・生産性向上のためのシステムは安価に導入できるようになったから」です。

          DX投資の費用対効果 【これからの医療とDX #8】

          診療所のDX・解説編 【これからの医療とDX #7】

          「これからの医療とDX」をテーマに事例と方法論をお伝えするこのシリーズ、7回目となる今回は、前回に引き続き「診療所のDX」についてお伝えします。 前回の実践編では、おうちの診療所目黒で導入している具体的なツールとその活用方法を紹介しました。本稿では、解説編として、各ツール活用の背景となる目的や考え方を診療所の経営方針とからめてお伝えします。 おうちの診療所目黒では、以下の取り組みを実践しました。(詳細はシリーズ第6回参照) これらは、以下のことを目的に取り組んできた結果

          診療所のDX・解説編 【これからの医療とDX #7】

          診療所のDX・実践編 【これからの医療とDX #6】

          「これからの医療とDX」をテーマに事例と方法論をお伝えするこのシリーズ、6回目となる今回は「診療所・クリニックのDX」の実践例を紹介します。 診療所・クリニック経営では、すでにデジタルやデータを活用したケースが出始めています。とくに40代以下の若い経営者の方は、デジタルの導入に積極的な傾向があります。また、開業のタイミングでデジタルやデータを念頭に置いて診療所の仕組みを構築するほうが、すでにある病院のシステムや組織を変革するよりも難易度が低いことも要因の一つだと思います。

          診療所のDX・実践編 【これからの医療とDX #6】

          DXプロジェクトの始め方 〜小さく始めて、早く終える〜 【これからの医療とDX #5】

          「自院でDXを進めようと思っているが、どこから手を付けたらいいか」という相談をよくお受けします。その際は「バックオフィス領域のDX」をお勧めすることが多いです。 労務管理や採用管理などの人事業務、経費精算や仕訳などの経理業務は一般企業でも同様に発生する業務です。この領域では従来からIT開発が進められており、多くの便利なツールがすでに存在しています。細かい業務内容の違いはあるかもしれませんが、医療機関でも十分に活用できます。 ただし、「DXは現場の業務改善の一つである」とも

          DXプロジェクトの始め方 〜小さく始めて、早く終える〜 【これからの医療とDX #5】

          地域連携とDX(後編)〜地域連携のプロジェクト事例〜 【これからの医療とDX #4】

          「これからの医療とDX」をテーマにお届けしている本シリーズ、第4回目となる今回は「病院の地域連携とDX(後編)」についてお伝えします。 前編では、地域連携室の役割とDXの導入にあたっての手順について解説しました。後編である本稿では、地域連携における具体的な事例を紹介し、DXプロジェクトを行う際のポイントについて解説します。 データ分析から始まる地域連携活動実際の事例を紹介します。中核市にある中規模総合病院の地域連携強化プロジェクトです。院長から「地域連携活動の生産性を向上

          地域連携とDX(後編)〜地域連携のプロジェクト事例〜 【これからの医療とDX #4】

          地域連携とDX(前編) 〜地域連携室の役割とDXの導入手順〜 【これからの医療とDX #3】

          「これからの医療とDX」をテーマにお届けしている本シリーズ、第3回目となる今回は「病院の地域連携とDX(前編)」についてお伝えします。 もし、自院において改善すべき業務の選定に悩まれているようであれば、ぜひ一度「地域連携」に着目するのがよいでしょう。そう考える理由は2つあります。 1つは、病院経営の重要課題である入院収益減に対するアプローチだからです。もう1つは、手始めの策が打ちやすいからです。 地域連携に関する業務は紹介状のやりとりだけでなく、地域医療を構成するステー

          地域連携とDX(前編) 〜地域連携室の役割とDXの導入手順〜 【これからの医療とDX #3】

          DXプロジェクトを失敗させないポイント 【これからの医療とDX #2】

          昨今のデジタルの進化は凄まじいものがあります。とくに、誰もが安価かつ手軽にアクセスできるようになった点と、ツール同士を連携して扱えるようになった点は、個人・法人がそれらを享受する上で大きな変化であり、10年前と比べるとまさに魔法のようです。 一方、デジタルトランスフォーメーション(digital transformation: DX)はそのカッコいい語感に反して、地道な活動です。DXは ”魔法” ではなくアクションです。計画を行動につなげて、継続し、やり切ることが重要です。

          DXプロジェクトを失敗させないポイント 【これからの医療とDX #2】