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不換通貨論 ~忘れられた日本銀行券の正体~ #011(1章-11) 兌換通貨・金銀の価値は本当に信用できるのか/第一章のまとめ
兌換通貨・金銀の価値は本当に信用できるのかそもそも兌換通貨の裏付けとして信頼されている金銀の価値というものは、はたして本当に信頼に足るのだろうか。経済学者のアダム・スミスとカール・マルクスは、ともに金銀の価値変動について次のように語る。 裏付けがあって信頼に足るものとして兌換通貨を語り、その裏付けができなくなったために仕方なく使用されているのが不換通貨だろうと考える人たちも居る。しかし金銀もまたその供給量に応じて価値が変動する一つの商品である以上は、交換のための道具として
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不換通貨論 ~忘れられた日本銀行券の正体~ #005(1章-05) 兌換通貨は「物品の預かり証書」/不換通貨は「物品の預かり証書」ではない
兌換通貨は「物品の預かり証書」ここでもう一度、兌換通貨とはいったい何なのか考えてみよう。 兌換通貨は基本的には「物品の預かり証書」のことだ。たとえば日本銀行兌換券は、準備金である正貨が日本銀行に保管されているが、その所有者は日本銀行ではなく兌換紙幣の所有者である。そのため日本銀行にとって、金庫にある「金(きん)」は所有者からの預り金、いわば借り物に過ぎない。そのため、兌換紙幣は日本銀行が発行した借用証書であり、利用者はこれを自己が所有する「金」と同様に扱うことが出来た。