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バランス能力アップのために不可欠な3つの戦略

スポーツの動きには、決まった動きの繰り返しが要求されるものと相手の動きなどに合わせて反応して動くもの、がある。前者は野球のピッチャーなど、後者はサッカーやラグビーなどだ。

動きのパターンの観点からみると。
前者は再現性が高い(動きパターン少)
後者は多様な動き(動きパターン多)
 
これは競技ごとの分類だけでなく、同じ競技のポジションなどによっても異なる。
 
再現性グループでは、ピッチングフォームなどは高い再現性が求められるため、トレーニングでも同じフォームを高いレベルで再現できるかが重要な課題。

多様性グループでは、綺麗なトレーニングフォームを繰り返しているだけでは不十分。

だから、やっている競技によって「正しいトレーニング」は変わる。
 
ただし、再現性グループであっても動きのパターンの固定化はやはり怪我につながるため、再現性の高い動きの下部構造として、多様な運動パターンの獲得は重要だ。

様々な動きを使って、その結果として再現性が高まっていく必要がある。
なぜならシーズンを通して体調など身体が変化していくから。
 
多様性グループでは、トレーニングのパターンを増やすことによる多様な動きの獲得がより競技に近い運動パターンの学習につながってくる。逆に、多様性グループのトレーニングにおいて「正しいフォームの獲得だけ」を目的化するのは、ちょっと危なかったりもする。
 
俗にいう正しいトレーニングフォームの”外側”、つまりそのフォームが崩れた時に対処できる運動パターンの獲得が不十分になるからだ。
 
参照:
▶︎”正しい動き”ばかりトレーニングすると怪我をする
▶︎「正しい動き」なんて、いらない。

***
 
多くのトレーニングでバランスの保持が重要視されるが、私はそれに加えて「バランスが崩れた時の対応」もトレーニングの課題として重要視している。
 
バランスを保つ。
バランスを取り戻す。
 
この両方が不可欠だ。
特に相手のあるスポーツは相手のパフォーマンスを発揮させないこと、すなわち相手のバランスを崩すことが勝つための重要なファクターだから。なので、バランスが崩れないためのトレーニングする。これはもはや常識。
 
しかし勝負なので、自分がバランスを崩されてしまうこともある。
 
その時にいかに早くバランスを取り戻せるかが、致命傷にならないためのポイント。崩れた時にどれだけ素早くバランスを取り戻せるかは、次のアクションをどれだけ迅速に再開できるかがポイントなのだ。(バランスを取り戻す動き=リロードと呼んでいる)
 
ここでいうバランスを取り戻した状態とは、次のアクションをすぐに始められる状態のこと。ピタッと止まって立てればバランスがある、とは一線を画す。
 
***
 
話を少し展開すると、コンタクトなどの外力が加わった時の対応パターンは分解してそれぞれ鍛えておく必要がある。
 
バランスがある、ないの基準は、どこにあるのか。
そのための枠組み、指標となるはず。
 
あくまで私の視点だが、外力が加わった時に有効となる対処戦略は大きく分けて3パターン。

1)跳ね返す
いわゆる「体幹が強い」イメージから多くの人が想像する対応。外力よりも強い力で身体を固定して跳ね返すことでバランスを保つ。
→跳ね返せる力よりも強い外力が加わった時や、その力を発揮できない姿勢で外力が加わった時にバランスが崩される弱点あり。
 
2)往なす
外力を身体のずらしやたわみを利用して分散し、自分のバランスが崩れないようにする。JARTAではそのまま「イナシ」トレーニングとして鍛えられるようにメソッド化している。
 
3)崩れてからの復帰
リロードと呼んでいる。猫が落下した時に綺麗に着地するイメージがわかりやすいとおもう。崩れてからいかに早くバランスを取り戻すかがポイント。

これらは通常のトレーニングで養われる動きや筋力とは全く違う運動パターンなので、専門的にトレーニングしておく必要があるため、僕の主宰するJARTAではこれら外力対応能力を高めるためのトレーニングを、Ex(エクス)コーディネーションと名付けて体系化している。
 
主に上記2)と3)が対象。
→理由は、1)は一般的なもので鍛えられること。それから選手のレベルがどんどん上がると必然的に自分より体格の大きな選手(海外選手など)への対処法が要求されるため。*もちろん指導としては1)のトレーニングも行う
 
Exコーディネーションは、筋力がつけばできるようになる類のものではなく、脳や神経が深く関与するトレーニング体系なので、なるべく早い時期から開始した方が良いと考える。
 
*Exコーディネーションはやり方だけを真似しても身につかないのが特徴。
専門的な指導を受け、段階的にやっていかなければ「その動きはできたけど試合では使えない」ものになってしまう。JARTAのトレーニングサポート、またはバランスボールトレーニングやJARTAの動画プログラムをご利用いただきたい。

◎JARTAトレーニングサポート
https://jarta.jp/offer/support/

◎10/29 バランスボールを用いた身体操作能力向上トレーニング
https://jarta.jp/seminar/ols-bm/

◎Online Training Program
https://jarta.jp/gym/online/


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