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【推薦図書】三島由紀夫、純文学以外、オススメ10冊!!

三島由紀夫をもっと読みたい方へ。
『金閣寺』や『豊穣の海』
『仮面の告白』『禁色』
『青の時代』『音楽』など
純文学では、三島の名作を
いくつか読んだ方へ。

お世話になったのは、
おそらくは
朱色と白のカバーが印象的な
新潮文庫で読んだでしょう。

でも、三島由紀夫には、
純文学以外に、傑作エンタメや評論も
たくさんあります。
三島の純文学以外のオススメを10冊、
まとめてみました。

(1)『私の遍歴時代』
高校時代から同人誌に加わり、
日本が敗戦する直前に
デビュー作「花ざかりの森」を
出すといった、
きらめく青春時代を描いた、
やや長い、でもスラスラ読めるエッセイ。

(2)『文章読本』
中央公論の編集者を前にして
三島が軽やかに話したという。
三島流、名文を書くためのレッスン。

(3)『命売ります』
ちくま文庫から出ているエンタメ小説。
自殺未遂をした男が
目覚めるシーンから始まる
波乱万丈な娯楽作品。
少し前にブームが起きましたね。
そうなんです、三島は
純文学を主戦場にしていましたが、
エンタメ小説を書かせても
実に一流でユーモラスだった。

(4)『夏子の冒険』
角川文庫から出ている、
若くて世間知らずなお嬢さんの
怒涛の青春小説。
軽やかなエンタメに仕上がっている。

(5)『太陽と鉄』
自決の覚悟へと繋がる、
晩年?を振り返った自伝的エッセイ。
しつこいほどに自己分析、
自己認識を重ねた、
煌めく金属のような作品。
中公文庫。

(6)『不道徳教育講座』
これまた角川文庫。
時代の閉塞感に風穴を
開けようとしたのか、
反道徳的に生きることを
勧める奇妙な青春論。
ウソをつきましょうとか、
たんと遊びましょうとか、
著者一流の逆説的レトリック。

(7)『古典文学読本』
この中に収録されている
「日本文学小史」がお勧め。
古事記、万葉集、源氏物語などを
改めてわかりやすく解説する、
見事な古典文学史。中公文庫。

(8)『三島由紀夫レター教室』
てっきり三島が手紙の書き方を 
指南してくれるのかと思いきや、
手紙をやり取りする5人の
老若男女が織りなすドラマでした。
本分は全て、手紙文で書かれてるから、
斬新な書簡小説ですね。
ちくま文庫。

(9)『作家論』
三島由紀夫が敬愛した作家たちを
論じた作家別文学評論。
森鴎外、川端康成や谷崎潤一郎、
内田百閒、泉鏡花らを語る評論。
冷徹で鮮やかなタッチ。
なのに作家への愛を感じる読後感。
中公文庫。

(10)『美と共同体と東大紛争』
東大の校舎で籠城していた
学生活動家たちと、
三島由紀夫が戦わせた議論の記録。
会場は見学者で超満員だったらしい。
それにしても、
共産主義者である学生たちと
右翼思想の三島由紀夫との間には
そう簡単に交わることはない。
多数いた共産主義の学生は
ズルいレトリックを使い、
浅はかな言葉をぶつけるばかり。
三島由紀夫はただ、ひたすら
真面目に対話しようとする。
どう学生たちが論破しようとしても、
対する三島由紀夫の真摯さには
新たな一面が見られました。
角川文庫。

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