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言えなき子|散文

同情するなら『愛』をくれ……!

そう、ひとはまさしくそれを内に抱え
もがき苦しみ、時には泣き叫ぶイキモノ

この孤独を飼い慣らすと語った者がいた
ぼくはその者のことを格好いいと言った
しかしそれは外見だけの、強がり……
隠しこんだ孤独に怯え己の肩を抱く闇夜
誰よりも優しい瞳は淋しさを吸いこんで

道化てみせてツラいを吐き出さないひと
悩みがなさそうだね、楽しそうだね
ちくりちくりと痛む胸を押さえながらも
笑われてなんぼ、笑わせてなんぼ……
自己犠牲ネタは己のためと、きみのため

己の心が孤独に気づいてしまわぬうちに
突発的な人懐っこさを炸裂させる、夜
己の心が孤独に気づいてしまわぬように
そっと静かに背をむけ灯りを消す、夜

ふとした時にみえてしまった、寂しさ
気づいてしまったからとて同情せんでや
ましてや可哀想などというセリフなんて
決して、決してくちにすることなかれ

そう、ぼくらが欲しいのは同情じゃない
同情するなら、同情するなら……

同情するなら、あんたの『愛』をくれよ!

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