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意識高い系の自然派ママさんのお店屋さんごっこなら食中毒だしても仕方ないね……とはならないです。だって死にたくないもん。

実は現在、食品業界ではあんまり「無添加」とか「〇〇不使用」って言わないようにしましょうっていう消費者庁の規制ガイドライン(※)があります。

もうすぐ移行期間が終わり、来年の三月末以降は罰金などの罰則が課される可能性もあります。
だから、いまだに堂々と無添加とか言ってる人達って
「わたしはバカを騙してお金儲けをしたい悪徳業者です」
って表明してるようなものなんですよね。

まあ、そういう悪意があればまだマシでしたけどね。
例のチラシの絵や文字、文章を見れば解りますよ。
またあの界隈ですよね。

ばっちりベーキングパウダー入れていてしかもそれを思いっきり表示させてるのに堂々と無添加を謳ってるあたりそもそも添加物の意味や無添加の定義も解ってないんですよね。

「なんとなく身体に良さそうなイメージをもつ魔法の言葉(みんなが使ってるしフリーでしょ)」

くらいにしか思ってない感じです。
エコとかエシカルとかサスティナブルみたいな。

そういう意識高い系だけど基本的にオツムの弱い自然派ママさんが正しい知識も学びもないまま、なんとなく趣味の延長でお店屋さんごっこしてたら軌道にのってしまい、小さな事故が積み重なって大事故を起こしたって感じですね。
(※あんまり詳しくないんですけどアレルゲンの部分でも危険な表記があるようで)

あんなのでよく6年も店やれてたなとは思いますが、インスタとかで宣伝してイベント会場を渡り歩くのがメインならたとえ悪評が立っても次の会場では関係ないですもんね。リセット。常連客を作る必要がないので改善の機会もなく。
祭りのテキヤと同じで、今目の前の客だけ相手して売り逃げればそれで勝ち……っていうのをなんか悪意無くやってる気がするんですよね。

悪徳大企業が悪知恵で消費者を騙してたとかじゃなくて、お花畑がお花畑どうしでなんとなく回ってしまってたみたいな。

でも、残念ですが自然を欺くことはできません。

今までも危ないことはいくつかあったはずです。
1件の重大事故の裏には、29件の軽微な事故が、そしてそのさらに背後には事故に至らなかった300件の異常があるという話があります。

起きるべくして起きたんだと思います。

だいぶ炎上したので「そろそろそんなに叩かなくても……」みたいな逆張り正義マンが出てきそうですが擁護は無理なんですよね。
無添加を騙ってますし温度管理の言い訳、消費期限、ハッキリ言えばウソついてお金儲けした詐欺師ですからね。責任感も対応力もなくて危なすぎるし絶望的に飲食に向いてないから普通に廃業して欲しい。死人出す前に。

寿司ペロとかおでんのときも「無関係な人が騒ぐな」とか色んな方が言ってましたがそうじゃないんですよ。

食品問題に無関係な人なんていません。
芸能スキャンダルとかとは違うんです。

その行動原理は恐怖です。群れの仲間に対して危険を共有しようという意識。その仲間の範囲と概念は広がったり狭まったりしますが、この場合はネットワークを通じた大きな大きな集団が全て「仲間」になるので、まだ知らない仲間にも危ないから教えてあげなきゃという気持ちからどんどん拡散されます。

あとは、抑止と牽制ですよね。
もし自分達のテリトリーで同じことが起きたら大変なことになるからな?
という攻撃準備の意思表示ですよね。

「離乳食完了期のお子さんにも…」ってところもちょっとヤバイと思いました。世のお母さん達が乳幼児の食事にどんなに気を遣ってるか。それに対する明確な冒涜なので完全に逆鱗案件。

無知で可哀そうなオツムの弱いママさんなら食中毒だしても今回は勘弁してあげましょうとはならないんです。

金もらってる時点で、雪印も毒ユッケえびすも八戸の弁当屋も全部おなじ土俵だからです。
食品を扱うっていうのは客を死なせるリスクと隣り合わせ。そういう場所だから。情けも容赦もありません。
法と、感情論だけです。

だって、死にたくないですもんね。

ああいう悪徳業者が駆逐されて、正直者が馬鹿を見ないような世の中に少しでも良くなるといいなと思いました。

あと、日本人は食品問題になるとうるさくなるよねってよくミーム的に言われますけど、食べ物に毒盛られて黙ってられる民族とか多分世界中探してもいないと思いますよ。

おしまい。

※参照 
「無添加」表示の規制厳格化。消費者庁の「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」を解説
https://www.foods-ch.com/anzen/1658735680724/

消費者庁 食品添加物の不使用表示に関するガイドライン検討会(最終開催日:2022年3月1日)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/review_meeting_006/

来年の3月末以降
・何を添加していないのか不明確な表示
・無添加あるいは不使用を健康や安全の用語と関連付ける表示
・無添加や不使用の文字などが過度に強調されている表示
を対象に罰金などの罰則が科される可能性もあります。

安全が認められているものや伝統的な製法まで市場原理で締め出されたり、保存料まで抜いて食中毒出したり、嘘ついて人を騙して金儲けする詐欺師がのさばったり、そういうことがない未来が来るといいですよね。

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