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【都内イベントレポ】パレスチナの音色が日本に届く特別な一夜

中東パレスチナ×日本のカワイイを届けるソーシャルブランド「架け箸」です。

連日の酷暑で外に出るのが危険なほどですが、先日体力を振り絞って表題のイベントへ行ってきました。

認定NPO法人聖地の子どもを支える会さん主催のチャリティーコンサートで、なんとパレスチナは聖都エルサレムからオルガニストの方が来日。ログハウス調の落ち着いた雰囲気の教会でパイプオルガンの曲を8曲も演奏してくれました。

このオルガン奏者のヤクーブ・ガザウィさん、クリスマスにはベツレヘムの生誕教会(キリストが生まれたとされる聖地で世界遺産)で、復活祭にはエルサレムの聖墳墓教会(キリストのお墓がある。世界遺産)でオルガンを弾いている凄い方!

私はパイプオルガンを音楽としてきちんと聴いた経験が無かったのでコンサートという形式がすごく新鮮でした。

キリスト教徒でない場合、たいていは観光地でたまたま礼拝に遭遇してオルガンを聴くとか、あまり単体で耳を傾けることってないですよね。

ひとつひとつ音色も違えば速さも違ったり、強弱が激しかったり、アンコールにはオルガンならでは、足のペダルを酷使する曲もあったりして、初心者にも十分楽しめるコンサートでした♪

何より、歌唱が無いので言語が違っても通訳無しで受け止められて、
普段はエルサレムでオルガンを弾いている彼が日本のオルガンを弾いて回っている(ツアーなんだそうです)ことも、楽器は国境を越えるなぁと感じさせられました。

横浜であと2公演!

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演奏の後にヤクーブさんからパレスチナの現状のお話がありました。

1948年のイスラエル建国以前はキリスト教徒とイスラム教徒とユダヤ教徒がバランスを保って共存していた、しかし、複合的な原因でキリスト教徒がこの地を離れ、今そのバランスは崩れてしまっている。教会は博物館と化している。地域のコミュニティを考えれば、キリスト教徒の存在はそれ自体非常に重要だとどの宗教も考えているのです。

お話しから抜粋

これはうちの商品の作り手も以前話していたことで、
キリスト教徒の望まない移民を止めるためにもフェアトレードで安定した産業を築くのが重要、と言っていました。

パレスチナを含む中東の広大な地域は、
歴史的に、各宗教コミュニティが節度をもって共存して来ました。
イスラム教徒が、同じ宗教同士だと喧嘩になるからと、キリスト教徒に礼拝所のカギを預けていた例もあるそう。

またあるいは、ユダヤ教へのイスラム教の影響が歌に残っている例もあると聞き、以前noteでもご紹介しました⇒

同地域で、ベドウィンという遊牧をするコミュニティが土地を囲われ、定住させられたりしている現状も、元々の地域のデモグラフィー(人口構成)を変えてしまっている一例だと思います。

当然人は移動し、人口比もその時々で自然に移ろいゆくもの、という側面もあるでしょう。

ただ、共存し尊重し合っていたバランスや、
国境を越えて繋がる方法を再確認して、
ひとりひとりが生きていくことはできるのだと思います。

ヤクーブさんも、主催NPOのスタディツアーに長年スタッフとして関わっているそうで、

パレスチナ、イスラエル双方の人達とツアーを組んでいます。

9月にはイスラエルから音楽家がやってきて、オルガンとセッションをするとかしないとか。

彼がパレスチナから音色を届けてくれた一夜に感謝です。


ヤクーブさん(左)と、たまたま一緒になった中東音楽グループChalChalのメンバーの皆さん(ヤクーブさんの隣、右端)、スタッフの佐藤真紀さん(右から2番目)と

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最後までお読みいただきありがとうございました。
架け箸は各地のマルシェでパレスチナの手仕事をご紹介しています。
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架け箸はこれからも継続的にパレスチナを訪れ、日本に出回らない生の情報を発信したいと思っています。いただいたサポートは渡航費用や現地経費に当てさせていただきます。