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月経困難症、月経前症候群etc備忘録

女性のところには、月に1度生理ちゃんが、やってくる、という話題の漫画、
ツキイチ生理ちゃん、を読んだことがなく
近いうちに読みたいとおもってる。
ギャク漫画かとおもったら、予想外に泣けるらしい。気になる。

今年度卒業した大学院で、研究のために
月経に関する研究論文を読んでいた。
そのときまとめていた、月経関連の病名や
研究から明らかにされている有病率をまとめてみようとおもった。
備忘録だ。
(まとめてみた感想を、大文字にして最後に書いています。ぜひそこまで読んでください🙇🏻‍♀️)

まず、月経関連の疾患名から。
※月経時、は生理周期の中でも、出血がある期間のことをいう。

●月経困難症 (Dysmenorrhea)
月経時、またはその直前から、
強い下腹部の痛みや、腰痛があり、
普段通りの生活がむずかしい。
倦怠感、疲れ、吐き気、下痢、頭痛、脱力感、食欲不振などがみられる。
お腹の痛みなど、身体的症状を主にさす。
子宮内膜症や子宮筋腫など、骨盤臓器内に影響や与える婦人科疾患が原因の器質性 (続発性)と、
器質的な原因では説明できない、機能性(原発性)にわけられる。

月経前症候群 (Premenstrual syndrome: PMS)
月経前3〜10日の間に、
精神的または身体的症状があり、
月経がはじまると、症状が弱まったり治ったりする。
不安、イライラ、抑うつ、情緒不安定、小さな刺激に反応するといった精神的なものと、むくみ、乳房痛、頭痛といった身体的なものがあるといわれるが、症状の種類は多種多様。

●月経前不快気分障害 (premenstrual dysphoric disorder:PMDD)
規則的に、月経周期の後半におこる、重度のPMS。
極端な情緒不安定や、活動の低下が、日常生活を妨げるほど重症。
2013年に発表された米国精神医学会の作成した DSM-5 という診断基準で、
PMDD は正式な病名として、抑うつ障害のなかに分類された。

●周経期症候群 (Peri-menstrual syndromes: PEMS)
月経周期の前半から、月経期にかけておこり、月経時にもっとも症状が強くなる。
月経時に下腹部の痛みがあり、その前や後も、精神的な症状がつづく。
月経期間全てをまとめて症状をとらえよう、と研究をもとに2006年以降、松本清一先生を中心に提唱された。

つぎに、月経症状の有症率を。

どれも日本人女性を対象とした研究だ。

🔹月経痛や、多い出血や苦しんでいる(suffer fromの意味)女性は74%。(参考文献1)

🔹月経痛は全女性の25%が経験し、とくに思春期の女性は90%。(参考文献2)

🔹女子大学生への調査では、「月経痛はあるが、日常生活に支障はない」が45.4%。「日常生活に多少支障がある」「月経痛が激しい」が合わせて27.1%。(参考文献3)

🔹20-49歳の女性では、「鎮痛剤を飲むと日常生活が普通に行える程度の月経痛」が26.8%。「鎮痛剤服用にも関わらず日常生活に支障をきたしている」6%。「月経時に寝たきりになる」2%。(参考文献3)

🔹16-50歳の女性では、月経痛を感じる程度について、「薬を飲んでも会社を休むほどかなりひどい」2.8%。「薬を服用すれば仕事ができる程度にひどい」25.8%。「月経痛はあるが我慢できる程度」47.9%。「月経痛は感じない」21.6%。(参考文献4)

🔹月経困難症についての研究25件をまとめたものによると、「月経中に不快な症状はない」が7%。症状がある場合、下腹部痛が約70%。腰痛50-70%。疲労脱力感40-60%。腹部膨満感が約20%。頭痛約10%。(参考文献5)

🔹女子大学生への調査では、PMDDの基準を満たしたのは4%。中程度から重度のPMSの基準を満たしたのは20.4%。症状がない、または軽いものは75.6%。(参考文献3)

🔹20-45歳の女性では、PMDDの基準を満たしたのは5.9%。中程度のPMSの基準を満たしたのは5.9%。症状がない、または軽いものは76.6%。(参考文献3)

ざーっとまとめた感じ、
一番感じている症状は、“下腹部痛”で、
4人に1人くらいが生活に支障を感じている。
重症と診断される可能性があるくらい、月経によって精神的に影響をうけてるのも、4人に1人くらい、という印象だろうか。

...研究資料をみかえして、改めてまとめてみながら

自分でも、ああ、真面目な文章になってるし

こんな数字だけ並べていても、つまらないだろうな、と感じる。

ここまで長文を読んでいただき、
有難うございました。

よくわからなかったな、結局何が言いたいのかな、と言われてしまうんだろうな、と思う。

私の備忘録です、というのも、少し言い訳。

でも、研究で出されている結果や

診断基準といった共通の定義で、説明され、説得され、伝えられるべきこともあると思う。

だから、こうやってまとめた根拠あるデータを、

私の言葉で、伝えたいメッセージとともに、

発信できるようになることが、これから私の課題だと思っています。

参考文献

1)Burden of menstrual symptoms in Japanese women: results from a survey-based study. Erika Tanaka, Mikio Momoeda, et al. Journal of Medical Economics. Vol 16, no.11, 1255-1266, 2013.

2)Burden of menstrual symptoms in Japanese women: an analysis of medical care-seeking behavior from a survey-based study. Erika Tanaka, Mikio Momoeda, et al. International Journal of Women’s health. 6, 11-23, 2014.

3)月経随伴症状に対する新たな心理学的アプローチ アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)による援助の可能性. 梅澤友香里ほか Doshisha Clinical Psychology: Theory and research. Vol 14, 125-137, 2014.

4)働く女性の健康に関する実態調査結果. 月経 21-25 働く女性の身体と心を考える委員会報告書 女性労働協会 2004

5)文献レビュー 月経痛に関する看護ケア. 本岡夏子 渡邊香織. 人間看護学研究 12, 77-82, 2014.

イラストは[イラストで理解]5分で理解するPMS・月経困難症 https://1post.jp/2453

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