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ローストのロジック。

ボクはいつの頃からか理屈や理論よりも論理的に考えることが大切なことだと気づいてから、ローストにおける論理を深く、そして緻密に考えるようになった。
ローストにおける成り立ちは、どのような構成で成り立っているのかを深く考えるのである。
これは、日々のトレーニングにより感覚が向上してきたことから、テイスティングにおける分析力が身に付くようになり、より理解が深まってきている。


クリーンさとは、透けているため光を通す。ゆえに明るい。

空に浮かんでいる雲は、元々は水蒸気が小さな水滴になって浮かんでいるものなのだけれど、肉眼で見えている。
そんな雲は光を通さないので、影ができる。
小さな集まりでも密集すると、光を通さなくなり影ができるのだ。

コーヒーのローストの良質さとは、ローストのクリーンさであるので、雲のような光を通さない影ができるローストは、ローストのフレーバーがしっかりと見えてしまうので、それは良いローストではないのだ。
クリーンなローストというものは、光を通すからこそ「明るさ」を感じるものであるため、透けて光を通すから明るく、ゆえに透明感という。

クリーンなローストは透けるから、素材の表情が見えるようになる。

透けるクリーンなローストが出来るようになったなら、次は素材が持っている酸味とフレーバーをローストによって登場させることができるのであれば、ローストが透けているので背景に存在している素材の酸味やフレーバーがしっかりと登場してくるのである。
これがローストにおけるロジックである。

だからこそ、良い仕入れを行う必要性がある。
クリーンなローストが施せるようになると、素材のポテンシャルが前面に登場するからである。

だが文面でロジックだけを聞くと簡単そうに聞こえるのだが、それを表現することはとても難しい。

良いものを作るためのロジック。

そのためには、まずは感覚において透明感を理解する必要性がある。
透明感は、先ほども述べたが、光を通すから「透けている」という状態を感覚で理解をする必要性がある。
この光が透けているから明るいという状態を理解するためには、香りの色(フレーバーの色)の情報が感じ取れないことには始まらない。
ローストの色は茶色であるため、マット(光を通さない)な茶色になりやす特性があるが、フレーバーの色の情報を脳裏で感じられるのなら、透けるローストの茶色をローストにより施せばよいだけのことである。

良いローストが出来るようになったのなら、次は素材が前面に登場するようになるため、良い仕入れが出来なくてはならなくなる。
そうした場合に、良い状態のものとは、どのような状態のものを指しているのかを感覚で理解している必要性がある。
それが解っていなければ、良い素材を仕入れることは不可能だからだ。

なので、感覚で感じ取れないことには、良いモノを表現することはままならないことを理解しなければならない。

好きなものを作ることと、良いものを表現することは、まったく次元の異なる表現であることに気づくべきことなのだ。

なので、良いものを作りたいと考えた場合には、まずは感覚で良い状態を感じ取れるようになることこそがロジックとしての第一歩なのである。
だからこそ、感覚を育て良いものを感じ取れる感覚を育むことこそが一番大事なことなのだ。

これが良質なモノづくりにおけるロジックである。


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