刀箱師の日本刀ブログ 中村圭佑

刀とくらす。マニアックで奥の深いライフスタイルを紹介します。 部屋に飾れる刀の展示ケー…

刀箱師の日本刀ブログ 中村圭佑

刀とくらす。マニアックで奥の深いライフスタイルを紹介します。 部屋に飾れる刀の展示ケースを製作中。 刀が三度の飯より好き。 HP https://www.katana-case-shi.com/ ツイッタ https://twitter.com/katana_case_shi

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定期購読マガジン「刀箱師の日本刀note」スタートします!

このnoteも気が付けば630日以上毎日更新している日本刀ブログとなりました。実は1週間ほど前から「刀箱師の日本刀note」という定期購読マガジンをスタートしています。 今…

「南青山マニア区チャンネル」さんに出演させて頂きました!

Youtube「南青山マニア区チャンネル」さんに日本刀マニア「大量の日本刀と暮らす男」として紹介頂きました。笑 (Youtube「"有名武将と手を繋いでる" 日本刀が好き過ぎて…

刀展示ケースの特許取得の話②

前回に続き、今回は刀展示ケースの特許取得の簡単な流れと、どういう内容を取得したのか、という話について書こうと思います。 新規性あるアイデアを持っていてそれを法的…

刀展示ケースの特許取得の話①

自分で苦労して考えて製作したものはアイデア部分に価値がある事が多いのでアイデアは守らなければなりません。 人知れず何年もかけてゼロから作りだした物があったとしま…

鍋島藤四郎吉光

4/27~6/16まで刀剣博物館で開催中の「五ヶ伝と五ヵ国の日本刀」を見てきました。一番の目的は鍋島藤四郎吉光。 享保名物帳所載で鍋島加賀守直茂が所持していたことからこ…

成木鐔⑲ 中津川市制 四十周年記念鐔

成木鐔を探していると何度も何度も目にする鐔がある。 それがこの中津川市制40周年を記念して作られた鐔。 表には長野県阿智村と岐阜県中津川市にまたがる「恵那山」と風…

刀の夢は正夢に。

またまた刀から呼ばれてしまったかもしれまない奇妙な話について。 ちょっと刀の写真もアップしているので続きは月マガにて。

鉄鐔は意外に汚れている

鉄鐔は刀の茎同様に赤錆が付きます。 一見あまり見えなくても… よく見ると赤茶けて見えるところがあります。 こうした所に鹿の角を当てると、赤錆が浮き出てきます。 …

長船の良質な「打ち粉」届く!

先日長船で販売されていると現代刀匠の安藤さんから情報のあった研師の横山智庸さんの作られた打ち粉。 横山さんは2023年に現代刀職展の研磨部門にて木屋賞(特賞)を受賞…

良きマイナー刀工発見でドーパミン

昨日2回目となる霜剣堂さんの即売会へ。 初日には無かった「兼住」という2字銘の短刀に目が止まる。 刃長30㎝くらいで元重ねは5㎜位だろうか。反りはない。 生ぶ在銘で健…

「ザ・美術骨董ショー2024」に行ってきました

今日は東京プリンスホテルで行われているザ・美術骨董ショーへ行ってきました。 昨年初めて訪れたのですが刀もちょこちょこあり楽しめたので昨年に続き今年も面白い物が無…

古金工鐔(花弁虫散図)①

最近少し刀装具の鑑賞記録を残せていなかったので久々に。 古金工極めの花弁虫散図鐔である。 縦76㎜、横73㎜、耳厚5㎜、切羽台厚3㎜。 材質は鑑定書では四分一とある。 …

日本刀「江戸三作」の遭遇率と価格

江戸三作と言えば、水心子正秀、大慶直胤、源清麿の三工が挙げられています。各工についてざっくり書くと以下のような感じ。 ①「江戸三作」の刀工をざっくりと水心子正秀…

生ぶや在銘品が良くなってきた話

良質な「打ち粉」が長船で販売されたようです

打ち粉(刀にポンポンするやつ)は古い油を取る為の道具ですが、このポンポンした時に付着する白い粉は実は刀を研ぐ時の砥石の粉末です。 しかしこの打ち粉にも良い物、悪…

霜剣堂さんの日本刀展示即売会に行ってきました(2024年GW)

今日はゴールデンウィーク初日。 霜剣堂さんの日本刀展示即売会にお邪魔しました。場所は原宿。 お正月とGWのタイミングに年2回開催されています。

定期購読マガジン「刀箱師の日本刀note」スタートします!

定期購読マガジン「刀箱師の日本刀note」スタートします!

このnoteも気が付けば630日以上毎日更新している日本刀ブログとなりました。実は1週間ほど前から「刀箱師の日本刀note」という定期購読マガジンをスタートしています。

今回はこのマガジンを定期購読するとどういった記事が読めるのか?について書こうと思います。

①定期購読すると読めるものについてこちらでは過去に書いた記事を全て無料で見れる他(単体購入記事以外)、定期購読者の方限定で読める公にはあ

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「南青山マニア区チャンネル」さんに出演させて頂きました!

「南青山マニア区チャンネル」さんに出演させて頂きました!

Youtube「南青山マニア区チャンネル」さんに日本刀マニア「大量の日本刀と暮らす男」として紹介頂きました。笑

(Youtube「"有名武将と手を繋いでる" 日本刀が好き過ぎて自宅で大量所有する男性 | 中村圭佑【マニアNo.032 - 日本刀】」より)

大量というほどではないですが、一般の方からしたら多いかもしれませんね。有名武将と手を繋げてたらいいなぁ…!
尚研ぎに出したりハバキを作ったり

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刀展示ケースの特許取得の話②

刀展示ケースの特許取得の話②

前回に続き、今回は刀展示ケースの特許取得の簡単な流れと、どういう内容を取得したのか、という話について書こうと思います。

新規性あるアイデアを持っていてそれを法的に守りたい方、長くその物作りを続けていきたい方の参考になると嬉しく思います。
特許の内容だけ知りたい方は②からお読みください。

①特許取得したい時の準備基本的にプロ(特許事務所)に任せる事になります。
個人でゼロから書類作成して申請は現

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刀展示ケースの特許取得の話①

刀展示ケースの特許取得の話①

自分で苦労して考えて製作したものはアイデア部分に価値がある事が多いのでアイデアは守らなければなりません。
人知れず何年もかけてゼロから作りだした物があったとします。
それはいわばアイデアの卵です。
それを世間に公開する事はSNSを用いれば今の時代誰でも出来ます。

その結果称賛される事があれば嬉しいですし今までの苦労が報われる気持ちにもなります。
しかしそれで満足していると足元をすくわれる可能性が

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鍋島藤四郎吉光

鍋島藤四郎吉光

4/27~6/16まで刀剣博物館で開催中の「五ヶ伝と五ヵ国の日本刀」を見てきました。一番の目的は鍋島藤四郎吉光。

享保名物帳所載で鍋島加賀守直茂が所持していたことからこの名が付いており、その後は池田光仲、その子の伯耆守綱清が5代将軍徳川綱吉に献上しています。
その後は綱吉→家宣→吉宗→家重→家治→家斉→家慶→家定へと徳川家で代々受け継がれてきた事が徳川実記に記載。
現在付帯している古鞘には文政1

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成木鐔⑲ 中津川市制 四十周年記念鐔

成木鐔⑲ 中津川市制 四十周年記念鐔

成木鐔を探していると何度も何度も目にする鐔がある。
それがこの中津川市制40周年を記念して作られた鐔。

表には長野県阿智村と岐阜県中津川市にまたがる「恵那山」と風流踊り、裏には中津川の市章と市の花であるサラサドウダンが描かれている。

同図の鐔はヤフオクでも度々出るし、昨年の大刀剣市でも出品された。

上記は2023年大刀剣市の時の物であるが、ここに書かれているように鍛造の鐔ではなく、鋳造の鐔に

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刀の夢は正夢に。

刀の夢は正夢に。

またまた刀から呼ばれてしまったかもしれまない奇妙な話について。
ちょっと刀の写真もアップしているので続きは月マガにて。

鉄鐔は意外に汚れている

鉄鐔は意外に汚れている

鉄鐔は刀の茎同様に赤錆が付きます。
一見あまり見えなくても…

よく見ると赤茶けて見えるところがあります。

こうした所に鹿の角を当てると、赤錆が浮き出てきます。

これをサラシで拭いとると如何に汚れていたかが分かります。

再び鹿の角で擦ると…やはりまた赤錆が。。

しかし今度は赤錆意外にも白い粉も見えます。
これは鹿角の方が削れた粉です。
鹿の角は赤錆は取っても黒錆は取り除かない丁度良い硬さを

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長船の良質な「打ち粉」届く!

長船の良質な「打ち粉」届く!

先日長船で販売されていると現代刀匠の安藤さんから情報のあった研師の横山智庸さんの作られた打ち粉。
横山さんは2023年に現代刀職展の研磨部門にて木屋賞(特賞)を受賞されています。

「通常ならそのまま使用するような上質な内雲砥石の粉に、師匠から頂いた粉をブレンドし、さらに加工した打粉です。」とあり、顕微鏡で見たところ、粒子が丸みを帯びている事が確認できたと記載ある打ち粉。

早速購入しまして先日届

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良きマイナー刀工発見でドーパミン

良きマイナー刀工発見でドーパミン

昨日2回目となる霜剣堂さんの即売会へ。

初日には無かった「兼住」という2字銘の短刀に目が止まる。
刃長30㎝くらいで元重ねは5㎜位だろうか。反りはない。
生ぶ在銘で健全な刀身に小沸出来の直刃、地鉄は良く詰んで大肌が出ず白け映りが立っている。
ノサダの「兼」の字によく似ている。
茎は同じく檜垣鑢で斜めに十字にクロスするように鑢目が入っていた。
尚、鑑定書は付いていない様子。

関の短刀で室町頃だろ

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「ザ・美術骨董ショー2024」に行ってきました

「ザ・美術骨董ショー2024」に行ってきました

今日は東京プリンスホテルで行われているザ・美術骨董ショーへ行ってきました。
昨年初めて訪れたのですが刀もちょこちょこあり楽しめたので昨年に続き今年も面白い物が無いか物色へ。

①刀関係骨董ショーというだけあってジャンルは多岐に渡り、まさに何でも並んでるのですが、目当ては刀装具など刀に関するもの。
数はそこまで多く無かったですが一応ありました。
他の商品に混じって無造作に鐔がポンと置かれていたり、柄

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古金工鐔(花弁虫散図)①

古金工鐔(花弁虫散図)①

最近少し刀装具の鑑賞記録を残せていなかったので久々に。
古金工極めの花弁虫散図鐔である。
縦76㎜、横73㎜、耳厚5㎜、切羽台厚3㎜。
材質は鑑定書では四分一とある。

縦に魚々子が入り古色が感じられる。
「花弁虫散図」という名称が付いているが、虫は蝶と蜂と思われる。
一方で描かれた草花は多い。

草花は知見がなく、どのような物が描かれているか分からないものが多い。

更に鐔全体を駆け抜けるように

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日本刀「江戸三作」の遭遇率と価格

日本刀「江戸三作」の遭遇率と価格

江戸三作と言えば、水心子正秀、大慶直胤、源清麿の三工が挙げられています。各工についてざっくり書くと以下のような感じ。

①「江戸三作」の刀工をざっくりと水心子正秀

「日本刀はすべからく古刀の昔に復するべき」つまり、鎌倉時代や南北朝時代などに作られた実用本位の刀を再現するという思想「刀剣復古論」を掲げた人であり、当時100名を超える刀工がこれに賛同。
当時の原材料や作刀方法を研究し再現しようとした

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良質な「打ち粉」が長船で販売されたようです

良質な「打ち粉」が長船で販売されたようです

打ち粉(刀にポンポンするやつ)は古い油を取る為の道具ですが、このポンポンした時に付着する白い粉は実は刀を研ぐ時の砥石の粉末です。

しかしこの打ち粉にも良い物、悪い物があり、悪い物を使うとヒケ疵が付きやすくなります。
これは粉末の粒が大きかったり、そして角ばっている為にその角ばったものを刀身に載せて布などで擦るから、と考えれば分かりやすいかと思います。
一方で良い打ち粉は微細な粉でかつ丸みを帯びて

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