見出し画像

どうしても組織のために組織がある時

 組織とは組織の目的のためにあるのであって、組織のためにあるのではない。これは、組織が腐敗しないための大切な黄金律であり、第1命題だ。組織とは誰かによって発足されるものであるが、その動機や理由そして目的がある。それが個人では中々に実現しがたいがために、組織となるのだ。
 だから、そういった向かうべき場所や哲学を蔑ろにしてしまい、組織があることそのものを組織の理由としてしまうのは、大いに間違っている。

 これは非常に単純な話である。しかし、組織とは往々にして、歳をとればとるほどに、組織のためのものになってしまう。なぜならその目的とは古いものだからだ。発足に際しての思い、やりたいこと、こうあるべきという精神。そういったものは発足時にこそ共有されるが、時間が経てばその真剣さは薄れていく。
 仕方がない。
 組織とは他人同士の集合体である。さながら伝言ゲームのように、目的は段々と変質し、異なるものとなっていく。
 そうしてわからなくなってなお残るものは組織そのものだ。ならば組織は、それを守るしかなくなる。そうして組織のための組織という腐敗が始まる。目的は組織。自ら自身。こうして組織は、あったはずの目的を見失い、組織という概念に操られる人形となる。

 形骸化。組織は常に、その危険をはらんでいる。だから組織は、つまり組織の構成員は忘れてはならない。その組織の目的を。意味を。もちろん、組織そのもののためではなく、それが持ちうる哲学を、捨て去ってはならないということだ。

※このテーマに関する、ご意見・ご感想はなんなりとどうぞ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?