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脊髄損傷から10年経って

参考になるかはわかりません

私が脊髄損傷の告知を受けたのは、事故後1年経ってからでした。
この時はまだリハビリ入院中…
と言うことは一般のリハビリ入院期間の7ヶ月をとっくに過ぎていたんです。

主治医の先生に
「何の病気なの?」
と聴いたのか、数日経って私の担当の女性のPT(作業療法士)の先生からWikipediaの脊髄損傷のプリントをもらっただけです。作業中(温熱マッサージ中だった
かな)プリント3枚をざっと読み
「L2不完全型?」
「そう」

告知はこれだけでした。
私は10時間の手術を2回に分けてしています。腰椎にガッチリプレートが4つ入っています。そして2回と言うことは両足も手術しています。こちらの方が壊滅的で右足は本人の確認無しで切断と言う話だったそうですが、どうにか繋がった?みたいです。

術前術後に腰痛が全くありませんでした。足がジンジンしていたのは憶えています。ただ私の足を見て看護師さんは「熟した柿みたい」と言っていたので炎症が酷く腫れ上がっていたのでしょう…
正しくは焼酎にたっぷり浸かった干し柿だと思います。←大きいのね

術後1ヶ月?頃にコルセットが来て付けました。リハビリを始められたのはこの頃でしょう、手術の担当医の先生が「背中が感染症起こしているから来週もう一度手術」こんな話もありましたが、この時の処置が適切だったのか再び先生が来た時は「3回目の手術なし」と言ってたのでホッとしたのを憶えています。

私が1番恐怖だったのは「全身麻酔」です。これをしたのちの私は幻聴と言うか妄想と言うかサイケデリックな世界にいました。その世界はとても居心地悪かったです。目が全く見えなくなっていたこともありますがこの全身麻酔が切れた時に魚眼レンズから這い出したような気持ち悪い経験をしました。

全く目の見えない世界は、本当に真っ暗でした。怖かったので看護師さんにラジオをかけっぱなしにしてもらい、何度も来る夜勤の看護師さんを捕まえてベラベラ喋っていました。

手術をした病院は救急病院だったので、リハビリは3週間したのか、リハビリの為に転院をしました。

最初の話に戻ると脊髄損傷と言う告知を受けても、右ももに何か変な感じの麻痺が少し残っているだけだったので、ハテナ?って感じでそのままスルーしてしまいました。

渡されたWikipediaには
「(こういう身体になってしまったと言う)自己受容が1番大変…」と書いてありましたが、告知があまりにも遅くてそこもスルーだったんでしょう。

そして何で告知が事故後1年以上経ってからだったのは、2人いる主治医の考慮だと思います。

この1年間私はリハビリを出来る状態ではなく寝たきりだったと言うことです。

自分がどういう状態なのかわからなかったのとリハビリを出来る気持ちがなかったのと環境が揃ってなかったからです。

仲の良い看護師さんの
「そろそろ個室出なくちゃいけなくなるかも…」

この辺りでお尻に火が着きました。ベッドサイドに数分座るのがやっとでした。

排尿は自己導尿が痛くて怖くて、排尿バックを付けたままでしたが、取ってみたら排尿訓練無しでトイレで普通にジャーっと勢い良く出た訳です。

「あぁ、やっとトイレに行ける、自由だ…」

個室ですからやっと新しいトイレを使った訳です。

新しいトイレ?

そう、私が寝たきりの最中に転院した病院は新しい病院に転身して途中病院大移動があったんです。だから新しく出来たリハビリテーション科の第1号の患者に途中からなりました。

古い病院のシステムが全く変わると言うことは患者も看護師さんも病院で働いている人みんな試行錯誤でした。

憶えているのは
「(お風呂とか洗面台とか)何でこんな発注しちゃったのかな…ホテルみたいで患者さんのこと全然考えてない」

今考えるとホテルみたいに綺麗になった病室は手抜きだったかもしれません。

高齢者やリハビリをする人向けには適っていませんでした。

話がどんどんズレましたが
いつも会うリハビリの担当の先生には

「あんな怪我して社会復帰した人いないよ、それに術前術後を克明に憶えている人も!今はスタスタ歩いてるし」

「あぁ、大きな声で言わないでよ🤢」

先生が今年還暦になり
「還暦おめでとうなの?」
「今日は何で来てるの?」
「内科(検査)3ヶ月おき」
「あっ、この間オレ居なかった、○○くん(同僚)から聴いたよ」
「うーん、だから…」

東日本大震災の翌年に先生と出逢い

「何年ですか?」
「異動して来て14年…来年退職だけど1年更新で65まで」
「じゃなくて子供は?」
「もういらないよ」
「何才?」

こんな話が永遠と

ツーカーだと会話の内容はこんな感じです。

この10年間を書いたら私の場合本1冊ではなくて分厚い辞書が出来てしまう。

以前の記憶をごっそり失っていても、上書きでどうにか大丈夫で生きてます。

やっぱり参考にはならないと思う。



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