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音楽と映画の魔法 ~ 「うつ」と生きる ~


私は長年、「うつ症状」と共に生きてきました。毎日が戦いであり、自分の気分を安定させることが難しいと日々感じています。しかし、そんな日々の中で見つけた少しだけ心を軽くする工夫があります。それは、過去の自分と繋がり、共感できる音楽や映画に触れることです。

私は40代後半の女性です。最近ハマっている曲は、20代の若者や海外の方に人気だという「日本のシティポップ」です。特に80年代や90年代前半のシティポップが好きです。


例えばこの曲↓
松原みきさんの「Stay With Me」です。昔の曲だというにも関わらず1000万回以上再生されています。海外の方にも人気があるそうです。

私はこの曲を知りませんでした。けれど、この曲が流行っていた時代は日本が大きく経済成長していた時期でもあり、「元気だった頃の日本」をこの曲を通して感じる事ができます。私はバブルが崩壊し就職氷河期になった時点で大人になった世代なので、「元気だった頃の日本」を知りません。けれど当時の映画や音楽からは、その空気感を感じることができます。そして不思議なことにその空気感が、例え一瞬でも私に「希望」のようなものを与えてくれているように感じるのです。


また、自分が元気だった頃の音楽を聴いたり映画を見たりすると、何故か心がほんのり温かくなります。例えばマイケルJ・フォックス主演の「バックトゥザ・フューチャー」という映画を見ると気分が高揚します。この映画を見たのは、まだ私が子供の頃で父と二人で映画館で見ました。目に映る
もの全てが新鮮だったのを覚えています。主演のマイケルJ・フォックスは「初恋の人」と言ってもいいような気がします。この映画を見ると当時の記憶を鮮明に思い出し心が温かくなるのです。


この不思議な現象には理由があります。まず一つめは、「ネガティブな連鎖を断つ」ということです。音楽や映画は、その魅力的な旋律やストーリーが、今の自分を過去の楽しい瞬間に誘導してくれるのです。ネガティブな思考から一時的にでも解放され、ポジティブな感情に触れることができるのです。


●感情の共感

次に、「感情の共感」が挙げられます。元気な時に選んで好きだった音楽や映画は、その内容やテーマが自分の感情や価値観に共感している可能性が高いです。これにより、過去の自分と深く繋がり、良い気分を取り戻す手助けとなります。

例えば、最近になって子供の頃に見ていた「東京ラブストーリー」を再び見た際、深く感情移入しわくわくドキドキした気分になりました。同時に、当時の自分がどんなことを考え、感じていたかを思い出すことができ、普段頭の中を埋め尽くしている不安や心配から解放されました。


「東京ラブストーリー」に出てくる、「赤名りか」という主人公のファッションが大好きで、子供ながらにコツコツとお小遣いを貯めては彼女が着ていそうな洋服を真似して買っていました。例えば黒のローファーや紺のダッフルコートです。そんな事を思い出しながらドラマを見ている間は「抑うつ状態」になっている事を忘れることができました。


●脳のドーパミン神経系への影響

さらに、「脳の報酬系(ドーパミン神経系)への影響」も重要です。音楽や映画は、脳内の報酬系に働きかけ、快感をもたらす神経伝達物質であるドーパミンを放出します。特に好きな音楽や映画を楽しむことで、これらの物質が活発になり、気分が良くなる効果があります。


●安心感の提供

最後に、「安心感の提供」があります。過去に好きだった音楽や映画は、馴染み深い要素やポジティブなメモリーに基づいています。例えば、子供の頃に聴いていた曲を再び聴くと、どこか「懐かしい安心感」が広がります。


青春時代に聴いていた音楽を聴いたり映画を見たりすることで、認知症の症状が軽減されたという研究結果を目にしたことがあります。もしかするとこの結果は上記にあげた「感情の共感」「脳のドーパミン神経系への影響」「
安心感の提供」
の影響によるものかもしれません。



「うつ症状」は、うつ病や双極性障害など様々な気分障害に見られる症状の一つです。うつ症状との日々の闘いは容易ではありませんが、音楽や映画を通じて自分自身と繋がり共感することで、少しずつでも心のバランスを取っていこうとしています。「うつ症状」に苦しんでいる時は「辛い過去」と向き合う機会が多くなると思います。だからこそ意識的に映画や音楽を使って脳に刺激を与えてあげることで「幸せな過去」を呼び起こすことが大切だと思います。



↑YouTubeではメンタルヘルスに関する動画も投稿しています☺︎



Keilani 






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