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JW511 丹波道主王、逝く

【垂仁天皇編】エピソード40 丹波道主王、逝く


第十一代天皇、垂仁天皇(すいにんてんのう)の御世。

ここは、丹波国(たんば・のくに:現在の京都府北部)の比治(ひじ)の真名井(まない)。

地図(比治の真名井)

丹波道主王(たにわのみちぬし・のきみ)(以下、ミッチー)に最期の時が迫ろうとしていた。 

ミッチー「それがしが、いつ死んだか、それについては、何も語られておらぬ。されど、この物語では、このタイミングになったようじゃ・・・。」 

そこに、妻の河上摩須郎女(かわかみのますのいらつめ)(以下、マス子)と五人の娘たちがやって来た。

すなわち、日葉酢媛(ひばすひめ)(以下、ひばり)。

真砥野媛(まとのひめ)(以下、マー)。

渟葉田瓊入媛(ぬばたにいりひめ)(以下、バタ子)。

薊瓊入媛(あざみにいりひめ)(以下、あざみ)。

竹野媛(たかのひめ)(以下、たかのん)である。

系図(ミッチーと家族)

マス子「旦那様! 何でです? 何で?!」 

ミッチー「許せ・・・。マス子・・・。それがしは、ここまでじゃ。」 

ひばり「父上? 私たちは、これから、どうすれば良いのです。」 

マー「そうよ。大王(おおきみ)の妃になるって話は、どうなるんです? 保留のままなんですよ?」 

ミッチー「それについては、心苦しいが、如何(いかん)ともしがたい・・・。」 

バタ子「そ・・・そんな・・・。父上が、長生きすれば良いことではありませぬか? なにゆえ、このような時に・・・(´;ω;`)ウッ…。」 

あざみ「そうよ! これは、作者の陰謀なのですよ?」 

たかのん「作者を説得すれば、どうにかなるのでは?」 

ミッチー「ゆ・・・許せ・・・。娘たちよ・・・ガクッ。」 

ひばり・マー・バタ子・あざみ・たかのん「嗚呼! 父上!」×5 

マス子「旦那様ぁぁ!!」 

こうして「ミッチー」は、息を引き取ったのであった。

それから数日後・・・。

丹波に、大臣(おおおみ)の尾張建諸隅(おわり・の・たけもろすみ)(以下、ケモロー)と、その息子、倭得玉彦(やまとえたまひこ)(以下、玉彦)が来ている。

系図(尾張氏:ケモロー、玉彦)

ケモロー「ついに、恐れていたことが起きてしまったがや。」 

玉彦「『マス子』・・・。汝(なれ)の心中、察するに余りあるがや・・・。」 

マス子「おとうさま、兄上・・・。どうして、こないなことになってしもたんです? 旦那様が、可哀そうや・・・(´;ω;`)ウッ…。」 

ケモロー「仕方ないがや。作者の陰謀だで? どうすることも出来んがや。」 

ひばり「おじいさま。伯父上。父は、多くの人々から慕われておりました・・・(´;ω;`)ウッ…。」 

ケモロー「どういうことだがや?」 

マー「父上を追慕(ついぼ)し、いつも身に付けていた『国見の剣(くにみ・の・つるぎ)』を神霊とみなして、社(やしろ)を創建したのです。」 

玉彦「社が建ったんきゃ?」 

バタ子「その名も『太刀宮(たちのみや)』にござりまする。」

太刀宮(鳥居)
太刀宮(拝殿)

あざみ「鎮座地(ちんざち)は、京都府京丹後市(きょうたんごし)の久美浜町(くみはまちょう)にござりまする・・・(´;ω;`)ウッ…。」 

たかのん「久美浜の名は、国見の剣が語源とされておりまする。久美を古来は、国見とも書いていたことに由来するとか・・・。」 

ケモロー「なっ? ほんなら、それまでは、何と呼んどったんだ?」 

マス子「これがロマンです。いけずなこと言わんといてください・・・(´;ω;`)ウッ…。」 

玉彦「ほんでもよぉ。二千年後の地図を見てみると、神谷太刀宮神社(かみたにたちのみやじんじゃ)と書かれとるで。これは、どういうことだ?」

地図(神谷太刀宮神社)

ケモロー「そ・・・それは、エピソード301で、我(われ)が質問したことだがや。」 

玉彦「えっ?」 

マス子「後の世に、神谷神社(かみたにのじんじゃ)が合祀(ごうし)されると、旦那様が解説なさってますね・・・(´;ω;`)ウッ…。」 

ひばり「そうだったのですか?」 

「ミッチー」の神社についての解説は続く。

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