JW571 大夫帰還
【伊勢遷宮編】エピソード30 大夫帰還
第十一代天皇、垂仁天皇の御世。
紀元前4年、皇紀657年(垂仁天皇26)10月の甲子の日。
天照大神の御杖代、倭姫(以下、ワッコ)一行と、忌部和謌富奴(以下、わかとん)が率いる、物部八十友諸と呼ばれる職人たちによって、伊勢神宮が建造された。
そして、遷座を果たしたのであった。
そこに、垂仁天皇こと活目入彦五十狭茅尊(以下、イク)がやって来た。
大后の日葉酢媛(以下、ひばり)と、その間に産まれた皇子たちも同伴しての来訪である。
そして・・・。
ひばり「ワッコ・・・。私たちだけではありませんよ。おばあさまと、ひいおばあさまも来てくださいましたよ。」
ワッコ「えっ?」
くにお「マス子様? 心の病は、治ったのでござるか?」
マス子「可愛い孫が出来たんですよ? もうクヨクヨしてる場合やないと思うたんです。」
ワッコ「お初にお目にかかりまする。おばあさま。」
マス子「嗚呼! 汝が『ワッコ』ちゃんね? なんて可愛らしいんでしょ。」
ちね「せやけど、ロミ子殿も来られるとは・・・。一体、何歳やねん!」
ロミ子「エピソード327以来にござりまするよ。可愛い孫と曾孫のためなら、何度でも登場出来るのでござりまするよ。」
ワッコ「ひいおばあさま・・・。お初にお目にかかりまする。」
ロミ子「おお! ワッコちゃん! とっても可愛いのでござりまするよ!」
カット「かなりの大所帯になってしまいましたな・・・(;^_^A」
ねな「そういうわけで、吾たちは、ここで、一旦、退出させてもらうわ。」
わかとん「どういうことじゃ?」
乙若「それぞれの務めに専念せよ・・・ということでは?」
インカ「うむ。乙若の申す通りじゃ。社が建ったとはいえ、やるべきことは、山ほど有る。」
市主「それに、ワッコ様にとっては、久々の・・・いや、初めての一家団欒じゃ。邪魔をしては、なるまい。」
ワクワク「そういうことか! それなら仕方ないね!」
カーケ「では、それがしたちも、国中(奈良盆地)に帰るんだぜ。」
武日「えっ?」
オーカ「今、国中は、大連殿が御一人で、支えておられますぅ。そのようなこと、有ってはなりません。」
武日「大王が、来たからやないか?」
ちね「ええやないか。わても、久々に、兄さんに会いとうなってきたし・・・。」
くにお「まあ『倭姫命世記』においても、神宮完成の報告で、拙者たちは退場しておるし、良い頃合ではないか?」
武日「そういうコツなら、仕方ないっちゃね。」
イク「大夫たち・・・。今まで、御苦労だったね。これからは、僕たちに任せてね。」
ニッシー「僕がいるから、心配しなくて、いいよ!」
シロ「兄上! 我も、おりまするぞ。お忘れくださりますな!」
ニッシー「何、言ってるの。僕がいるから、大丈夫なんだよ!」
シロ「さりながら、兄上、御一人では、心許無うござる。」
ニッシー「はぁ? どういうことだよ!?」
ダッコ「また、兄上たちの不毛な喧嘩が始まった・・・。」
ワッコ「いつも・・・なのですか?」
カキン「作者の陰謀で、そういう設定になっておりまして・・・。」
ひばり「いい加減にしなさい!」
ニッシー「だってぇぇ。」
シロ「兄上が・・・。」
ひばり「いつも、いつも、喧嘩ばかりして!」
イク「それより、解説を始めようと思うんだけど・・・。」
ひばり「大王は、黙ってて!」
イク「い・・・いや、でも、解説が・・・。」
ひばり「だいたい、大王が、いつも、いつも、皇子たちを甘やかすから、こうなるのです!」
イク「ぼ・・・僕の所為になるって言うの?」
ひばり「そうではありませんか?」
くにお「そ・・・そろそろ、帰り支度を始めようぞ・・・。」
武日「じゃ・・・じゃが、じゃが。」
市主「そ・・・そうだ! 我々も、務めに専念せねば・・・。」
ねな「そ・・・そうね。いろいろ、やらなきゃいけないことが有るのよね。」
おしん「んだ。静かに、ここを離れるべきだな。」
どうなることやら・・・。
次回につづく
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