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スポーツとマネジメントとリーダーシップ①

令和5年、2023年の今年は
本当に色々なスポーツの世界大会があって
スポーツが好きなわたしにとっては
とても熱くなる場面が多くてうれしい。

日本のプロとメジャーリーガーを栗山監督が率いて
見事優勝した、ワールドベースボールクラシックに始まり、

なでしこジャパンが惜しくも敗れた
女子サッカーのワールドカップ、

直近まで開催されていた、
日本代表あかつきジャパンの潜在力を引き出し、
見せつけられ、見事パリ五輪出場を自力で決めた
バスケのワールドカップ、

そして、日本代表が初戦勝利した
フランスで開催されている
ラグビーのワールドカップ。


それぞれの国や地域を代表する、プロの中から
選抜された選手同士の頂点を決める大会。

選抜された能力の高い選手で
チームが構成されているのは間違いないけど、
そのチームを率い、作戦を練って
勝利につなげる役割を果たすのは

監督やヘッドコーチ。


近年、この「監督」「ヘッドコーチ」が
担う役割の大きさと重要性を改めて感じ、

それらのリーダーシップとマネジメントの力の差が
チームの強さと成績に大きく関わっている、と
考えさせられる。


過去の監督像


スポーツの作戦や戦術の研究や
身体の運動や肉体的、精神的な研究、

また試合におけるデータ収集と分析が
進んでいなかった時代は
割とざっくりしていて、

選手はスター選手を集めて
監督は気合と根性論を叩き込み、

負荷の大きな練習によって
肉体的、精神的に追い込み、

雲の上の高さから選手に指示を出し、

不十分な身体のコンディションで試合に臨ませ、
ミスをしたらタダじゃおかないという
空気を醸成する監督が多かった気がする。

戦術も、相手チームや自分のチームのメンバー構成や
状態によって戦術を変えるのではなく、

「正攻法」とされていた作戦や戦術に合う選手を起用し
試合をしていたように感じる。


あくまでも、偏った私見ではあるけれど
色々な部分でとてもざっくりしていたのではないかと
思ってしまう。

例えば、日本がプロの主力選手で固めた
オリンピックでの野球で、
「金メダルを取って当たり前」と言われた中
何度か金メダルを逃したことがあった。



多分、メディアからのプレッシャーもあって
目の前の試合の結果だけに囚われていて

監督と選手やコーチ陣との
コミュニケーションが十分でなかったのでは、
と思ってしまう。

個々には能力の高い選手がいながら、
試合じゃガチガチだし、

普段の役割と異なる動きを求められたにしても
意思疎通が円滑でないようで、準備不足だし
うまく活躍できていなかった。


つまり、
「チームをうまくマネジメントできていなかった」
んだと思う。


ここまでは、作戦や戦術、チーム内のコミュニケーションのこと。

それだけでなく、それ以前に基本的な運営管理においても
問題がありそう。

マネジメント側が担う範囲


監督がどこまでの人事権と予算の権限を握っていたかは
わからないけど、選手が力を最大限発揮するためには
試合の作戦・戦術以外にも気を遣わなければ
ならない点はたくさんある。

・強化合宿から試合までの全日程のスケジュール
・移動手段と宿泊場所、宿泊場所内設備、食事に関する情報とオプション
・練習、試合会場内とその周辺のトレーニング、メンテナンス施設情報
・チーム帯同トレーナー、ドクター、スコアラー(データ分析)
・チーム側で用意する道具や器具

わたしだったら、
勝つためにプロスポーツ選手を招集するとしたら、
ざっとこれくらいは事前に資料をまとめて配信する。

なぜかと言うと、
「召集選手が余計な心配をせず、安心して参加してもらいたい」
から。

初めての参加者もいるだろうし
監督なり代表者が変われば方針なんかも変わるだろうし、
スポンサーによっても予算や方針が変わるだろうし、

わたしならその都度、大会前に配信する。


作戦や戦術の前に
「選手が最も高いパフォーマンスを出せる」
環境を整えないと一瞬の判断や身体の動きが鈍り、

いくら優れた作戦であっても
絵に描いた餅になってしまう。

スポーツ選手は身体が資本なので、
その土台となる身体のメンテナンスに関わる
情報はとても重要だと思う。


いつどこに行って、
どこで何ができて、何ができなくて
自分の体調をどう整えるべきか。

それらの情報をリサーチ、周知した上で
監督、コーチ、選手、サポートスタッフとの
コミュニケーションを円滑にし

優れた戦術で試合に臨まないと
勝てる試合も勝てないと思う。


そこまでを監督やヘッドコーチに求めるのは
酷なのかもしれないけど、
直接やらないにしても、誰かに依頼する必要はあると思う。


プロを集めた国際大会で、そんなことあるのか


ワールドベースボールクラシックの初期の方に
アメリカで決勝トーナメントが行われた際、
試合後の選手の食事の面倒をみたのはイチローさんを中心とした
メジャー召集組だったそう。


それを聞いて、本当に驚いた。


アマチュア大会ならば、わかる。

プロの代表チームが見知らぬ国の見知らぬ土地で、
試合後に夕食を摂る場所さえわからない状態だったそう。

球場を出るのが深夜近かったとはいえ、
ホテルで食べられない時の候補くらい提示されていても
よかったのではないか、と素人は思ってしまう。


幸いにして、イチローさんらが率先して動くことで
皆が食事にありつけ、力を発揮することができて
優勝につながったと思うけれど、

一選手としての召集で、自分以外の選手のそういった部分にまで
気を遣いながらプレーするのは本当に大変だと思う。


今年の大会でいうと、ダルビッシュ。


栗山監督の選手とのコミュニケーションと
采配が上手かったのも優勝の要因だけど、

ダルビッシュ選手が皆を食事に誘ったり、
自分のことを後回しにして献身的に指導したり接したことで
個々の選手が技術的にも精神的にも成長し、
体力的にも安定し、チームがまとまって優勝につながったと思う。


とてもとても素晴らしい。


ただ、やはり、そういった役割は
本来、マネジメント側が担うことだと思う。

どこまでがマネジメントの仕事なのか


練習や試合を仕切ることだけが
マネジメントの仕事でなく、

それらの前後を通した運営管理も含め
マネジメント側の仕事なのではないか、と思う。

マネジメント側が環境を整えるところまでできれば
あとは個別の体調管理は選手自身の責任、
と言えるようになると思う。


翻って、一般的なオフィスでも
同じようなことが言える状況だったりする。。

続きは、また改めて記したいと思います。



最後までお読み頂き、ありがとうございます。

マネジメントでお悩みの方、
管理職になって日が浅い方、
上司の考えに「?」と思っている方、
カッチカチに古い体制の会社に疑問を持たれている方、
などなど。

お仕事でそんなお悩みを持たれている方に向けて
発信していきたいと思います。

 きのした


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