見出し画像

スポーツとマネジメントとリーダーシップ②

現在、ラグビーのワールドカップが開催され、
プロ野球はリーグ優勝や日本シリーズに向けて
大詰めを迎え、日々スポーツの話題は尽きない。


そんな中、改めて、スポーツとマネジメント、
リーダーシップについて考えてみる。

マネジメントが担う範囲


チームスポーツの国別対抗の代表戦に臨む場合、
選手を招集し、練習して出場選手を決め、
試合を采配する、

だけでは、マネジメントとして
不十分なのではないかと思う。


野球界ではMLBに倣って
GM(ゼネラルマネージャー)制を
導入している球団もある。

要は、監督は選手や試合のことを中心に担い、
GMは営業や売上、販促や経費などの予算を含めた
経営に関することまで包括的に担当する。

監督やヘッドコーチがGMのような
広範囲を見る必要はないけど、

「選手が最高の状態でプレーする」
ことについては、練習や試合以外のことにも
口出ししていいと思う。

むしろ、すべきだと思う。

奇しくも今年、18年ぶりに
セ・リーグ優勝を果たした阪神タイガースの
岡田監督は球団のフロントに

「四球(フォアボール)を選んだ
選手に対する評価(査定)を上げてくれ」

と申入れをし、フロント側にその条件を
飲ませたという話が話題になった。


四球は、出塁できるという意味で
結果は安打(ヒット)同じ。
つまり、価値は同じということ。

野球経験と投手経験がある者としては
むしろ、投手としては精神的に堪えるし、
守備をしている野手もリズムは崩れるし
チーム内に不協和音を生じさせることもある。

だから、四球を選ぶ価値は決して低くなく、
勝利への貢献度も無視できない。

だからこそ、岡田監督は
「四球を選んだ打者も、評価してくれ」
と訴えたのだと思う。

これは、試合に近いところで見ている人にしかわからない。


ただ、なかなか選手からは言えないこと。
とは言っても、「四球を選ぶこともいいことだ」と
監督が言うだけで査定に繋がらなければ、
選手としてはもやもやが残る。

チームスポーツで起きていることと、職場で起きていることは同じ


チームで仕事に取り組んでいる職場も、
こういったチームスポーツで起きていることと
同じようなことが起きているのではないでしょうか

監督やヘッドコーチが
現場寄りの課長やマネージャーで、
GMが本部長や部長に当てはまる。

現場寄りのマネージャーは、
スポーツでいう「勝利」に当たる結果を
求められ、

各メンバーの担当や役割の配置を決め、
部署の方針を示し、各メンバーと連携を取りながら
チームとして「勝利」を目指す。

各メンバーが成果やパフォーマンスを
上げにくい環境やルールがあったとしたら、
マネージャーの上司に状況報告し、
改善の申し入れをし、

実力を発揮しやすい状況を作る。

スポーツも仕事も、
チームや組織を動かすときの
行動指針や考え方は同じ。

過去の監督と現代の監督がやることの違い


現代のスポーツは研究が進んで
細分化された専門分野の知識情報と
様々なデータ収集と分析によるパターン解析が行われ、
幅広い分野で、より緻密さが求められていると思う。


主力となる選手を生かす戦術、
それが通用しなかった場合の代替戦術を決め、

それに基づき、各選手がそれぞれの役割を理解し
能力を十分に発揮する準備をしていく。

今、結果を出しているチームの監督は
そういった身体的運動や練習だけでなく、

・チーム全体としての意識、方向性
・各ブロック(セクション)における連携
・各パートにおける連携

こういった個別の大小グループにおける
考え方のすり合わせをし、

・選手との個別対話

こういったことにも手間と時間を割いていると思う。


今の監督はほんとうに大変だ。

経験と偏見を交えて私見を述べると
昔の監督は、雲の上の存在で近寄りがたい。
トップダウンの一方通行。

そういった雰囲気であったので
なかなか突っ込んだ質問をしづらかった。

でも多分、説明を求めても論理的な解説は
あまりできなかったのではないか、と思う。


今の時代、それでは若い選手はついてこない。

選手自身も知識や情報をたくさん持っていて
論理的で、研究熱心だから。

だからこそ、監督もそういったものを備えていて
かつ、選手と同じように知識欲や研究に対する
熱量が必要だと思う。

そして、ひとつ一つに根拠が必要で
説明や解説が求められる。

ただ、それらが選手の理解力を高め、
納得し行動できたら、
成果につなげられる。

優勝した阪神タイガースの岡田監督も
今までのような選手との接し方とは変えた、
と言われていた。

仕事のマネージャーに求められること


まさに、現代のスポーツで活躍されている
監督やコーチと同じような考え方や動きが

職場でのマネージャー、管理職にも
求められている。

しっかりと状況を見極め、
部署が進んでいく方向を指し示し、
結果につなげる判断をする
「リーダーシップ」。


結果を出しやすい環境を整えるための
チームと個々の調整、連携をする
「マネジメント」。


チームとしての成果につなげるため、
メンバーはそれぞれの役割を認識する。

そして十分に力を発揮するため、
個人が取り組むべきことが見えてくる。

個人は個人で課題解決のための練習があり、
チームはチームとして、実行する戦術があって
それがうまく機能するように各メンバーの
連携が取れるようにしていく。


そういった意味で、
スポーツにしても
仕事にしても

成果を出しているマネージャーが
行っていること、心掛けていることに
大差はないと思う。



最後までお読み頂き、ありがとうございます。

マネジメントでお悩みの方、
管理職になって日が浅い方、
上司の考えに「?」と思っている方、
カッチカチに古い体制の会社に疑問を持たれている方、
などなど。

お仕事でそんなお悩みを持たれている方に向けて
発信していきたいと思います。

 きのした

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?