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共感できるようになりたければ映画を見ろ! -デザイン思考を当たり前にする最初のステップ『共感』

好きな映画に『君の膵臓をたべたい』がある。昨年旅行に行った際のフライト中に、何気なく観たのがきっかけなのだけど、映画を観て初めて泣いた。いくら全米が泣いた映画を観ても全く泣けなかったけど、この映画は機内でボロボロ涙がこぼれ、泣くことをコントロールできなかった。

~目次~
1.『共感』との出会い
2.『脱機械化』を図り『共感』できるようになるために
3.感情の変化を意図的に作り、その感情に入り込め!

『共感』との出会い

ここ数年の取り組みとして「共感できるようになる」ことを目指している。きっかけは、『U理論』に興味を持ち、2016年に訳者である由佐さんの3ヶ月くらいの講座に参加したことで、共感の重要性を痛感した。

【U理論とは】
リーダーシップの能力開発や、イノベーションを起こすための思考プロセスを明らかにした理論
https://nomad-journal.jp/archives/5542

そんなU理論の中でリーダーとしての変容に近づくためには「感じること」が必要で、『自分』や『相手』、『場』が何を感じているのか、-怒りや戸惑い、喜び、悲しも、不安、退屈さ、悔やみ、感動、安心、驚き といったどんな感情を持っているのかに鋭敏になる必要がある。

いま感じている感情を理解するためには、自分の内面と向き合うしかない。

感情的になるな!

社会人として必要なことだと習う。歯車として働く際に感情はいらない。会社員の多くは感情を押し殺し、微細な感情の変化など感じないように訓練されてしまう。高度経済成長、大量生産のような線形的な発展を望まれていた時代にはそれで良かったのだと思う。

しかし、現在はイノベーションが必要と言われ、個に合わせた発展が必要。この非線形的な成長が求められる時代においては難しい。近年イノベーションの基本思考プロセスとして『デザイン思考』が注目を浴びている。この思考法も『共感』から始まる。対象の人間を観察し、快、不快をみていく。他人の感情の変化を知る必要がある。

私は『アイリーニ・マネジメント・スクール』の第0期生としてイノベーション・マネジメント・コースを卒業した。3ヶ月間の平日開催(隔週2日程度)、150万円ちかい参加費ということもあり、たった4人の参加者だったが、講師との距離も近く、様々な思考法と同時に、共感や感情に気づく重要性を学んだ。

私の感覚として、「共感するために必要なことは自分の感情を理解すること」である。自分の感情がどう変化するのか、毎日無数に起こるこの貴重な体験を教師データとして、他人の感情の変化を予測する。自身の感受性(感情の変化に気づく力)が豊かになれば、起きている現象に対して感情移入することもできる。他人を理解しやすくなる。

2.『脱機械化』を図り『共感』できるようになるために

3年前買収した企業の変革を求められて出会った『U理論』と、2年前新規事業立案が急務で学んだ『デザイン思考』が交錯した。実は、その後に知ることになるのだけど、デンマークの「KAOSPILOT(カオス パイロット)」というビジネス・デザインスクールではこの2つを体得する場があるのだけど、そこで2つの考え方は中心的に扱われており、イノベーターリーダーシップを身につける上で必要なスキルであり、考え方、あり方であることを確信した。

3年前のU理論との出会い以降、歯車として機械化してきた自分の「脱機械化」を試みた。人間性を取り戻す活動といっても過言でないと思う。

【共感力強化のための活動】
・6週間の断食デトックス
・10泊11日の誰とも話さず精神集中するヴィパッサナー瞑想
・9泊10日の共感力強化のための国際集中合宿

あわせて偶然にも恋人との時間も機械化した感情を取り戻すのに大いに役立ったと思う。人と真剣に向き合い、一緒に楽しい時間を過ごすためには、相手のその日の状態や変化を機敏に知る必要があるし、無意識に感じて行動する必要がある。小さなケンカを沢山する中で、意図せず磨かれたように感じた。

3.感情の変化を意図的に作り、その感情に入り込め!

同時に共感力を日常の中で高めるために、毎週のように映画を観ていたことは重要な役割を果たしてくれたと感じている。当然上記のような様々な取り組みで理論は頭に入るし、日常生活で練習もできる。しかし、感情の起伏はなかなか意図的に作れない。だからこそ、非日常的ではあるが、映画館で映画を観ることは効果的で、大画面と大音響で映画の世界に入り込む

慣れてくれば、細かな感情の変化にも気づくようにもあるけど、最初はわかりやすい方が良い。昨年の年始に機内ではあったけど、ヘッドセットと閉じた世界の中で『君スイ』を観て、自分が感情に素直になれていることを実感した。

人間誰もが持つ『感情』は、ある種の自分自身の分身だと思う。何が嫌か、何が好きか、何を望んでいるのか、何を避けたいのか、などは感情が知っている。脳よりも感情の方が知っているとさえ感じる。

ここ5年くらいか一部で『資本主義の次』が議論されているけど、私は資本主義を「人間を機械化する」社会とするならば、次は「人間らしく生きる」社会だと信じている。そのパラダイムシフトは人間の感情のエネルギーであり、世界中の人がそこに気づいたとき、イノベーションの連鎖が誘発され、人間が人間を理解した大革命が起きると考えている。


描いているうちに大きなことになっていったけど、『共感』力は大切で、映画は導入にいいよという話です(笑)

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