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【アニメ】平家物語第2話「娑婆の栄華は夢のゆめ 」感想とか解説とか

第1話については下記参照。

殿下乗合事件によって資盛が伊勢での謹慎を命じられるところから2話のはじまり。

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平家物語で語られる殿下乗合事件が史実ではないことは前回書いた通り。
ただ、資盛の官位昇進はこの後遅れ気味になる。
この点からは事件の影響を感じる。
ちなみにこの時点の資盛は8歳の少年だが、従五位上越前守という官職を持つ立派な貴族。

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びわと平清盛は2話で初対面。
自分に物おじしないびわを清盛は面白がり、そばに置こうとするが重盛が断る。

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清盛の前で舞う白拍子。
ただ1話とは違う女性になっている。

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祇王(1話)→仏御前(2話)
最初に清盛が寵愛した白拍子が祇王。
ただその寵愛は後に仕えるようになった仏御前へと移り、祇王は清盛邸を追われる。しかし、しばらく後に祇王は仏御前の話し相手として清盛に呼び戻された。
アニメでは語られないが、かつて門前払いされた仏御前を清盛に取りなし、舞を披露する機会を与えたのは祇王自身であり、仏御前は祇王に恩義を感じているという関係性。
祇王にとっては自身の善意の行いが、清盛の寵愛を失う結果に繋がったわけだが……
この祇王と仏御前が2話の主役でもある。

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後白河法皇が初登場。
後白河院の女御・建春門院滋子は清盛の正室・時子の妹。この時点では時子・滋子姉妹を仲介として後白河院と清盛は協調関係。
後白河院が今様で痛めたノドをニラ湯で癒す。
今様とは当時の声楽で歌謡で流行歌。
後白河院はその名手であった。つまりは歌手。
一晩中歌い明かし、ノドを痛めることがあったというのは記録に残っているので史実。

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びわは偶然出会った祇王に幼き頃に離れた母親の面影を感じ、徳子を仲介して交流を深めるようになる。
「先」を見ることのできる右目の力から、びわは「先」を恐れていたが、祇王との交流と再会を願う「いつか」、「また今度」から「先」が楽しみになる気持ちを知る。

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飛び立つ鳥に驚く維盛。
ここで後の富士川の戦いをイメージできるのは「先」を知っている人。

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祇王が突如出家する。清盛に駒のように使われる生活を離れる。
びわの「また今度舞を見せて」がかなわぬ願いとなり詫びる祇王。
そして祇王を追って仏御前も出家する。
清盛に人生を翻弄された2人の白拍子はともに出家を選ぶことに。
びわは偶然すれ違った祇王の元に向かう仏御前の「先」を見ることで、仏御前と祇王が清盛から離れて念仏を唱えてすごす未来を知る。

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祇王と仏御前の澄んだ顔から「先」を見ることが悪いことばかりではないことをびわは知るのであった。

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そして高倉天皇への入内が決まる徳子。
これで話の舞台が承安元年(1171)年末であることが確定できる

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徳子の「先」が見えるびわは泣いて止めようとするが、徳子は「また今度」と言い残して内裏へと向かうのであった。

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