絹川柊佳

短歌の連作と乙女日記

絹川柊佳

短歌の連作と乙女日記

最近の記事

たとえ燃え尽きて死んでも

前から見たいと思っていた『ぼくの地球を守って』のアニメを見ました。 自分が入ってるサービスで配信されていたのでついに🏋️ (原作漫画もアプリでちょっとずつ読み進めています) 絵がめちゃくちゃきれい。 そして男の子がかっこいい、、 ラストで木蓮が悟ったメッセージはへんな言い方ですが見事だなあと思いました。 ちょっと書いてみたくなったのですが、この作品に限ったことではなく、 私はアニメのバトルシーンというものにまだ興味がひらかれていなくて、始まると早く終わらないかなあと思って

    • スプラトゥーン3のランダム二つ名で遊んで萌える

      個人的に意外な言葉の組み合わせに萌えるので、スプラ3の二つ名は好きな要素です。 Yボタンを押してシャッフル。集めた言葉の中からランダムで二つ名が生成されます。 (私は今回シャッフルで遊びますが、好きなのを選んで設定できます) おもしろいのができたら指を止めて書いていこうと思います。 いきなり企画モノみたいな、、思いついたのでやってみてます。 よろしくお願いします。 ①「秋色の優等生」 萌える!たぶん優等生が眼鏡かけてそうだから萌えます。眼鏡に萌えてるだけ。 ②「去年の天使

      • もみじ(25)(五首)

        雨で見るアニメにも雨降っていて懐かしいことを思い出す いつも誰かの助けがあると信じてた ゲームのなか貯めたラベンダー 君さえいれば何もいらないという言葉 熱い箱ごと胸をうち抜く ニコ動時代の替え歌動画消さないで、お願い……紅葉溶けていく空   一緒に勝てて嬉しかったです オンラインゲームですれ違う人の人生思う 幸せになれ

        • リルケの詩集

          読むといつでも透明な気持ちになれて大好きです。 私が持っているのは新潮文庫の四十九刷。 最初に読んだときに胸に残ったのは「ナルシス」でした。 私にはすごく親しいです。 きょう12月4日はリルケの誕生日 明日12月5日は絹川のお誕生日です、ふふ🧟‍♀️

        たとえ燃え尽きて死んでも

          ヤング ヘルシンキの雪景色(十首)

          はじめに見たものを親にする雛のように生野菜卵セットを選ぶ ニュースなら燃えていそうなビル ふいに垢消すように別れたくなる   高校のとき 小さな小さなみかんの粒のよう君を学校で見かけてラブリーに 移動教室の廊下で振り向いてぼくをえらんで「ねみぃ」と言った 夕焼けの線と睫毛がつながっていった 得意なことを見せたい ズズの入った布団が盛り上がっている この部屋で一番よいところ 触れている箇所から僕がばれる気がしてる くっついて動画見る 腫れちゃった名前 僕が呼びすぎ

          ヤング ヘルシンキの雪景色(十首)

          王子様はどこから

          私の王子様憧れを話した方から、お手紙で「王子様はどこからどのようにやってくるのでしょう。」と聞かれました。 うっとりする質問です! でも私は心の中ですぐに答えられました。 私の場合、、王子様は窓から。 (風邪薬のCMみたいですが) 小さい頃、今日の夜窓から迎えにきてくれるかもと思ってかわいいポーズをとって寝たことがあったのを思い出したのですよ笑笑 だから窓からってすぐに答えられました。 窓から連れ出してもらったらそこからプツッと「幸せ」ってイメージで、いま考えるとほとん

          王子様はどこから

          ランダム生成に萌えて、日本刀になる

          ネットプリントに絹川のインタビュー記事「ランダム生成に萌えて、日本刀になる」を登録しました。 ユーザー番号:JA9944KKPU A4白黒100円 (白黒推奨ですが、カラーで印刷すると一箇所だけ貼り付けた画像がカラーになります) 8/20 10時頃まで ⚠️ローソン、ファミマのみ インタビュアーのTさん(短歌を作っている方で、絹川の歌集も読んでくださっています)にこれまでネットプリントで発表した四作品 「僕の心は美しい」 「too pure to sleep」 「ミミ」

          ランダム生成に萌えて、日本刀になる

          ジェネリック桜(十三首)

          恋人同士そうするように木蓮の木に寄りかかる四月九日 坂道に留まる香り日曜日デートするのは好きになるから 一万円札苦しそうかわいそうUFOキャッチャーで使っちゃう きゅんとして視界シャーベットオレンジ「かわいい」は言っていいのかな お店みたいに思ってじっと見てちゃだめ? 筆箱の中身や手の形 デートし過ぎてゲシュタルト崩壊起こしてる顔 境目が曖昧になる 謎の物体近くで見たら猫だった 受験前には別れるつもり かわいい子同士感じるシンパシー きみどり色のはなびらの花

          ジェネリック桜(十三首)

          ミミ(八首)

          銀色の日傘でみぞれ避けること きれいときもちいい紙一重 本当に好きだから内緒にしてる胸中降り注ぐエイム練 歯を汚してまで食べるなら甘いもの 金を出すなら青いマフラー 空港はつめたい雨に冷えたきり ミミの苗字は猫田だったの 先生や看護師さんの声の中横になるのは気持ちよかった 目が覚めたように明るいインナーを買い足すは二月の折り返し パーカーのポケットに骨のようにまだ入ってる割り箸のごみ ペッパーくんみたいに君を見つめてる 君は私の雑誌の表紙

          ミミ(八首)

          絹川の流れは絶えずして

          あと一か月ほどで『短歌になりたい』を出させていただいてから一年になります。 何年も前のことですが新人賞をいただいてからの日々の中で私が気付いたのは、受賞してもそれで自分の道が達成されたり道そのものになれたりするわけではないということです。 そんな楽な道があるわけがなく当たり前のことなのですが、私は実際に本を作るまでは本の表紙というのは想いが結晶化して勝手に浮かび上がってくるものだと思っていたくらいフワフワしていたし文学の世界に夢見ていたので、 短歌の賞というのは"短歌"か

          絹川の流れは絶えずして

          too pure to sleep(五首)

          「くう」って言わないで「たべる」って言った 砂糖を焦がすように堪えて いやですとはっきり言えば三日月の形に何かくり抜いたよう 胸までは届かず落ちる言葉たち 雪の上散らばる菓子袋 パソコンに触るように触ってほしい 焼け付くドライアイスの躰 マスク持ち上げてコーヒー飲む仕草 純粋すぎて眠れなくなる

          too pure to sleep(五首)

          この場所(三首)

          途中喧嘩もしたのに思い出すときはきらきらしてる高速道路 君の無言を憎んだり信じたり 離れて見れば一色の感情 はこべ山ほど生い茂るこの場所に鶏連れて来たいと思う

          この場所(三首)

          僕の心は美しい(六首)

          そばで見たいと思いつつ川沿いのベンチから見ている川の水 なぐさめるようにつめたい外灯の光の中に入ってみたい 僕の心は美しい 暗闇の部屋で電気の紐を掴める ドトールのハニーカフェオレ甘い液 君への癖のような想いの キスしてくれないとばらばらになりそう 似たような日の繰り返しでは 喫茶店で目を閉じること 死ぬ時は太陽になるみたいな心地

          僕の心は美しい(六首)

          私の言葉(七首)

          ぬりつぶすようにこの頃思い出す日記に書いた聖書の言葉 きっと歯を磨いてる音感じては百葉箱のなか眠ってた 何気なく朝の廊下で呼びとめて真面目すぎると言われている日 言葉でも意味でもなくてサイコロのような荷物を握らされてる 水溜まりになってあなたを見上げたいこの人生を半分にして 星のように一円玉が溢れてるコインケースが私の財布 あなたなら何と言うのか考えて言った言葉が私の言葉

          私の言葉(七首)

          お願い(五首)

          布団畳んだ上に座って読んでいる黒い表紙の推理小説 あす帰る君が寝ているこの部屋がもう水槽のようなかなしさ 仕掛け時計の小鳥のようにくるしんで「お願い」という言葉を使う 一人では生きられないという思い まわりの溶けた飴玉のよう いつも同じ場所へと俺を連れ戻すマスターハンド孤独な力

          お願い(五首)

          おはなの人(七首)

          よく晴れて雲の形がめずらしい"不良"の君に似ている天気 着崩した喋り方に嫉妬した 私は私になりたいけれど 夜、星空に近付く身体 YouTubeで似たようなのを探しては見る また人の分まで罪を感じてる顔ね蛇使いに負けたのね ゆうめいな古い時計を観に行こう世界が落ちていくのがわかる 「神様の前で泣きたい神様の前で死にたい優しくされて」 君のおでこと私の胸はつづいてる きれいな水が流れていくわ

          おはなの人(七首)