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文章を書いているあなたに贈る、おすすめ本「さみしい夜にはペンを持て」

さみしい夜にはペンを持て

 ポプラ社

要約すると、
うみのなか中学校に通う、唯一のタコ。名はタコジロー。
タコジローくんは恥ずかしがり屋で、
言葉が上手く伝えられないことからすぐに赤面してしまいます。
友だちに「ゆでダコ」などとからかわれ
ショックで初めてずる休み。しかし、
公園で偶然出会ったヤドカリのおじさんから、
書くことを通して自分と向き合うことを学びます。
本書は、文章が苦手な読者に贈る、ハートフルで学びに満ちた物語。


この本と出会ったきっかけ

たまたま、年末のVoicy(ラジオ番組)で、
編集者さんのおすすめ本紹介をしていて、
この本を知りました。
編集者さん目線で、
かなり気合が入っている本だとのことで
気になり購入してみました。

おぉ!
ビジネス書コーナーにおいてあるのに、ポプラ社さん。
なんか珍しい。
ポプラ社っていうと、かいけつゾロリなど児童書のイメージです。
なるほど、だからビジネス書的な内容だけど、
こんなにイラストが多いんだ!
絵を描いている、ならのさんは、
台湾で保育士をされていたようで、
ちょっと親近感☆がわきました。
かわいいし、ライトノベルみたいにすっとお話が入ってきます。
編集者さんもかなり推していたけれど、
フォントもすごくこだわっていて、
これはすごいってわかります。(ぜひ見て欲しい♡)
袋とじまである!!!


個人的に書き残しておきたかった3箇所

3チェックポイント
① ことばの暴力が生まれる理由
② 読者のいない文章なんてない
③ 書くことがたのしくなる方法

① ことばの暴力が生まれる理由

この本では、タコジローくんがこう言っています。

「バカ」とか「アホ」とかは、いやだけどそこまで傷つかない。でも「ゆでダコ」はとてもいやだし、「キモイ」はもっといやだ。そしてトビオくんたちは、すぐに「キモイ」とか「ゆでダコ」とか、ぼくがいちばん傷つくことばを使ってくる。

さみしい夜にはペンを持てp86

この後、
ヤドカリのおじさんは
どうして〝ことばの暴力”が生まれるのかを教えます。
それはね、
1.ことばの「効き目」を知っているから
2.面倒くさいから

だと。

暴力はいけないことです。
それは、誰しもわかっています。
でも、集団生活の中でストレスがたまり
ストレス解消のために暴力にかわる行動がでてきます。
それが、ことばの暴力。
手は出していないけど、ことばの刃でグサッと刺す。
自分がはやく楽になりたいから。
これって、ワンオペ子育てでイライラしている
ママさんたちにもありがちかもしれません。

2.の面倒くさいという所の説明が私にとって、
なるほど!っと発見があったので、ここに書き残します。
ヤドカリのおじさんの言葉から

ことばの暴力ってさ、話し合いの場面で使われることがほとんどなんだよ。口論だって話し合いのひとつだしね。そして話し合いであれば、ほんとうは自分の思いをていねいに説明して、相手に納得してもらわないといけない。

ところが、
ていねいに説明するのが面倒くさい。
論理的に説明するのも面倒くさい。
反論されたら面倒くさい。
自分の気持ちをことばにすること自体、面倒くさい。
そこに時間や手間をかけることも面倒くさい――。
そういうさまざまな面倒くささにぶつかったとき、
『暴力』という一発逆転の手段が浮かんでくる。
暴力に訴えてしまえば、それだけで相手を屈服させることができるからね。

さみしい夜にはペンを持てp87~p88

あぁ、なるほど。
相手のためにじっくり時間をとる余裕がないと、
一発で黙らせるような、行為にでてしまうのですね。

って、私やっちゃってるかもしれません。
夕食後の洗い物中、
兄弟で暴れてケンカしている我が子たちに、
「うるさい!」という一言を強く放つ行為を。
しまった!やっていました。

子どもがうるさい
   ↓
他の家に迷惑
   ↓
黙らせたい
   ↓
大声で叱る!

あっ、
思考停止のことばの暴力……。
反省です。

☆~☆~☆~☆~☆~☆

この場合、
子どもがうるさい
   ↓
他の家に迷惑
   ↓
黙らせたい
   ↓
兄弟の所にわざわざ歩いていく
   ↓
母は冷静になって
   ↓
小さな声で遊ぶようにこっそりと伝え
   ↓
さらには静かな遊びの提供をし
   ↓
みんな平和的解決☆

このルートが正しいのに、
何個か面倒くさくて
すっ飛ばしている自分に気づき
ます。

いや、本当に書いてみるって大事ですね。
以後気をつけます。

☆~☆~☆~☆~☆~☆

もし次ケンカ勃発の場合は、

子どもがうるさい
   ↓
他の家に迷惑
   ↓
黙らせたい
   ↓
イラっとした自分に気づき
    ↓   
ちょっと兄弟げんか最中の動画を撮影しに行くように見せかけ
    ↓
母の不審な行動に気づき
    ↓
子どもたちは逆に冷静になって静かになる
もしくは、わざと笑顔で撮影されるようにふるまう

というバージョンで行ってみたいと思います。
多分、我が家の場合はこのノリで行けると思います。

早く楽になりたいという
面倒くさい思考は、
危険ですね。

② 読者のいない文章なんてない

ヤドカリのおじさんは、
タコジローくんに
日記を書くようにすすめました。
そして、こういうのです。

いいかい、タコジローくん。
どんな種類の文章でも、
その先にはかならず読者がいるんだ。
読者のいない文章なんて、ありえないんだよ。
だれにも見せるつもりのない秘密の日記でも、
そこには『未来の自分』という読者がいるんだ
きっとタコジローくんはその日記を読み返す
真剣に生きていた『あのときの自分』と向き合うことになる。
これはね、書き続けた者だけに与えられる、最高のプレゼントなんだ

さみしい夜にはペンを持てp147~p148

今年はノートザン(note×登山するように書き続ける)!
と宣言した私にとっては、
未来の私に向けての最高のプレゼントが
待ってるよと応援されたような気がしました。

そして、なるべく読みやすく書けるように
文章のリズムとか文字数など
いろいろ試してみながら
書き続けていきたいと思いました。
そこで参考になったのは、書くことが楽しくなる方法です。

③ 書くことがたのしくなる方法

タコジローは、
日記を書いてみるのですが最初はうまく書けません。
それをおじさんに相談していると、
「たとえばゲームがほんとうにおもしろくなるのって、
ルールや操作方法を憶えて、
ある程度うまくなってからだろ?
『できること』が増えたから、おもしろくなったんだ。」
と言われます。

確かに、
日常の家事でも、
子どもたちはまだ料理がうまくできないけれど、
少しずつピーラーを使ったり、
マッシャーを扱ったり、
包丁で野菜を切ったりしながら、
『できること』を増やして、
おもしろがっています。

書くことに転用すると、
文章でいう『できること』を増やすとは、
今よりも、表現力を身につけること。

キーワードは『表現力』だ
絵が上手いとか上手じゃないとかに関係なく、
使える色の種類が多い方がいい。
そのほうが表現の幅が広がる。
使える色、つまり『使えることば』
をたくさん持っているほどね。
文章は色彩豊かなものになっていく。
たとえば、『たくさん』ということば。

さみしい夜にはペンを持てp170~p171
たくさんのボキャブラリー(色鉛筆に例えて)

☆ボキャブラリーを増やす

こうやって、わかりやすく示してくれると
自分がいかにことばを適当に選んでいたのか
思い知らされました。
会話の中では、さらっと通り過ぎてしまうけれど、
書き言葉にするなら、
こうやって類語を集めておく
表現の幅がアップしたり、
今の自分にぴったりなことばがみつかりそうです。

☆~☆~☆~☆~☆~☆

表現力を見つけるためもう1つは
文章の時間です。

ボキャブラ―は色鉛筆の『本数』に過ぎない。

当然色鉛筆では『筆づかい』も重要になる
『スローモーションの文章』と『早送りの文章』の違いなんだ

さみしい夜にはペンを持てp177~p179

『スローモーションの文章』は、
解像度を高くしてたった5分の出来事でも
感情も含め詳細に書いてある文章です。
『早送りの文章』は、
出来事を簡単に書いただけの文章です。

みんな、同じような日常を送っていても
感じる力は様々で
「書こう」と決めた人だけが見える世界があります。
今まで、気づかなかった
今まで、見過ごしていた
日常のちょっとした1コマ。
「書く」ために自分の解像度をあげてみる。
スローモーションで思い出して、
文字で表現
する。
そんな遊び方があるってことを知りました。
それが作家としてのたのしみ方。
これから、この感性を育てていこうと思います。

☆世界をスローモーションで眺める


☆~☆~☆~☆~☆~☆


いつか
読み返したときに
最高のプレゼントを自分に。


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