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小磯通信 現代詩部

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小磯通信で投稿した詩をまとめています。
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記事一覧

人の言葉は死ぬほど響かない。

私には、私を囲む2つの壁がある。
1つは家の壁。それは私と社会とを隔ててくれる。家を出てスイッチオンの私は社会に媚びへつらいながら、ぎこちなく口角を持ち上げて、作り笑顔で生きている。
玄関を開けて木造のその内側に戻ると、そこには何一つ飾りのない素の私。録画した先週のドラマを横目に、携帯でSNSを眺めて生きている。

もう1つの壁は、私という魂を覆っている骨、神経、皮

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初めての夏

涙もいい加減干からびて、渇いたアスファルトの向こうには夏が来る。
甘い香りに身を委ね、私は、気づけばここまで歩いていた。

太平洋に打ち落とされて、ゆらゆら揺れる空をたしかに感じながら、それでも何もせず、何も考えられなかった。
烈火の如く燃え盛る炎を背にしても、なんとか這いつくばって、外れた歯車を戻そうとしていた。

だけど仄かに鼻をかすめたような気がして、思わず振り返った。

本当は、誰の気持ち

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畢生

僕らは静かに目を開ける。
長い時間が経った後。
静かな中には音が聞こえる。
人気の少ない浜辺のように。

息を切らして走ってる。
抜きつ抜かれつ倒れたり。
不安になって振り返る。
ほんのり足跡が残ってた。

真っ直ぐ星を眺めてる。
長い時間が経った後。
私は静かに目を閉じて、
そのとき、そのときを待っていた。

(あとがき)
お久しぶりです。
詩を書いてみました。三段落構成で、テーマはそれぞれ誕生

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どこにも

おれのポエジーが黙ってないぞ
細切れにされて

指先から出ていったきり
帰ったためしがない
宇宙に行ったんだろうか
どこにつながってるんだろうか
この指先は
熱くなり冷たくなり

いくらかすり減ったのは
指先とポエジー

(ミズウミ)

彼女

校庭には桜が咲いて、陽気な風が髪をなびかせながら、彼女は生まれた。平凡な日常と移り変わる季節、その中でとめどなく沸き溢れる感情を叫んでいた。ほの温かい太陽に照らされて、その表情は誰よりも輝いていた。

雨はすっかりあがって、強すぎる日射しが風鈴を少し鳴らす。彼女は階段をかけ上がっていた。汗ばんだ背中にぴったりとくっついたTシャツが、全く気にならないほど軽やかな足取りに、満面の笑みで。
蝉の声が鳴り

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