小磯通信

こんにちは短歌

生まれ落つ小さな星に一粒の
痛みに悶え苦しみつつも

振り返り何度も何度も振り返り
いつかの道を ぐるぐるぐるり

信ずるは救われますか
どんぐりが坂を下るのをゆっくり眺め

(あとがき)
こんにちは。
遅めに入った梅雨はなかなか明けませんね。
以前は濡れるのが鬱陶しくて、雨の日が死ぬほど嫌いでしたが、最近はそうは思わなくなりました。
人は気持ちや考え方が、些細なことでも180度変わるので不思議で

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短夏

雨は枯れ でも夏は来なければいい
6月の夜 ぬるいアスファルト

汗ばんだ背中に恋が張り付いて
まぶしい季節の車輪が回る

豊かとは 私たちとは 未来とは
君は立つ地に 視線を落とす

(あとがき)
短歌を3つ作りました。
テーマは梅雨、夏、(資本主義)です。
本格的に梅雨を迎えて雨の日が続いていますが、この時期を乗り越えると夏になります。
腐っても汗ばんでも明日は来ます。
ですので明日に目を向け

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空は真っ赤で

雨粒を 少しこぼした 赤い空
あわてて駆け出す 痺れた腕で

リコーダーが少し聞こえる昼間には
珈琲が入るのを待ちわびる

寝過ごしたぐらいがちょうどいい日には 知らない街の知らないお店へ

小説は

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白昼夢

目を覚ますと部屋にいた。音楽が流れている。聞いたことのある曲だ。たしかタイトルは…。

目を覚ますと大学にいて、目の前には大学時代の友人がいた。学舎の隣にある庭で彼と立ち話をしていた。黒く焼けた肌に、爽やかな笑顔からは白い歯が覗いていた。彼は私に何してたの?と聞いた。私は答えあぐねた。私はここで何をしていたのだろうか。

目を覚ますと部屋にいた。音楽が流れている。先ほど聞いたのと同じ曲である。その

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初めての夏

涙もいい加減干からびて、渇いたアスファルトの向こうには夏が来る。
甘い香りに身を委ね、私は、気づけばここまで歩いていた。

太平洋に打ち落とされて、ゆらゆら揺れる空をたしかに感じながら、それでも何もせず、何も考えられなかった。
烈火の如く燃え盛る炎を背にしても、なんとか這いつくばって、外れた歯車を戻そうとしていた。

だけど仄かに鼻をかすめたような気がして、思わず振り返った。

本当は、誰の気持ち

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季節は

背中がほんのり汗ばんで、着ている上着が邪魔に感じる。しかし、私は未だに着たままである。セミすら脱皮をするというのに。

空からは雨が降り注ぐ。散々に濡らされて尚、私は上着を着たままだった。
だが、今までは家の中にいたのだ。窓越しにそれを見ながら、外へ出ることもしなかった。だから、まだもう少し着ているのかもしれない。

雨はそのうち止むと思いたい。天を仰ぎ、雲のまだその先を睨む。どうなのだろう。それ

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東京、わたしの旅

就職活動中の話。面接のために、初めて1人で東京に来た。経団連が名ばかりの選考開始を定めている6月1日から2日後のことだった。超売り手市場と言われている今年、ある就職ナビサイトの調査では、5月1日時点で51%の就活生が内定を持っているらしい。去年の調査では、6月1日時点で内定を持っている就活生はたしか70%弱だった。今年は去年より前倒しで選考が行われているようなので、6月3日現在での内々定保有者の割

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人の言葉は死ぬほど響かない。

私には、私を囲む2つの壁がある。
1つは家の壁。それは私と社会とを隔ててくれる。家を出てスイッチオンの私は社会に媚びへつらいながら、ぎこちなく口角を持ち上げて、作り笑顔で生きている。
玄関を開けて木造のその内側に戻ると、そこには何一つ飾りのない素の私。録画した先週のドラマを横目に、携帯でSNSを眺めて生きている。

もう1つの壁は、私という魂を覆っている骨、神経、皮

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畢生

僕らは静かに目を開ける。
長い時間が経った後。
静かな中には音が聞こえる。
人気の少ない浜辺のように。

息を切らして走ってる。
抜きつ抜かれつ倒れたり。
不安になって振り返る。
ほんのり足跡が残ってた。

真っ直ぐ星を眺めてる。
長い時間が経った後。
私は静かに目を閉じて、
そのとき、そのときを待っていた。

(あとがき)
お久しぶりです。
詩を書いてみました。三段落構成で、テーマはそれぞれ誕生

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『アクアマン』のデカさ(ネタバレあり)

『アクアマン』は、ジェームズ・ワンによる監督作だ。宣伝を見ると、『ワイルド・スピードSKY MISSION』監督による作品、と書かれている。『ワイルド・スピード』が規模の大きな作品であることは間違いないのだが、ほかにも、『ソウ』や『インシディアス』、『死霊館』といったホラー作品も監督している。

まず簡単に『アクアマン』のあらすじをみておくと、次のようになる。アーサーは、地上の人間とアトランティス

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