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他でもない自分自身で

もうどれくらい進んだだろう?

果てしなく続く熊野古道の途中、息を切らしながら私は立ち止まった。

歩き始めた時は凍えそうなくらいだったのに、今はもう汗ばんでいる。

振り返ってみると、今まで登ってきた道が延々と続いていた。

ある程度整備はされているが、結局は山道。

少しでも余計なことを考えていると、あっという間につまづきそうになる。

ひたすら次の一歩に集中して、そしてここまで来た。

これだけ登ったのか。

少しの達成感を感じつつ、先に目を向けると、これまたどこまでも道が続いている。

もう引き返そうか…。

心が折れそうになりながら、一人考える。

名所といえど、大晦日目前の山奥だ。

さっきからほとんど誰ともすれ違っていない。

しばし立ち止まったあと、私はまた進むことに決めた。

ただ、進む。それ以外は考えずに。

この選択が報われるかどうかなんてわからないけれど。

自分で決めて、自分の足で歩くこと。きっとそれ自体に意味があるから。







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小波 季世|Kise Konami

随筆家。徒然なるままに徒然なることを。フリーで編集やライターもやっています。 平成生まれ。大学では文化人類学を専攻。

旅にまつわるエトセトラです。
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