はなまめ

誰かに聞いてもらいたい時、小さな「あっ」に 出会った時、綴ります。自然と家族のいる場所…

はなまめ

誰かに聞いてもらいたい時、小さな「あっ」に 出会った時、綴ります。自然と家族のいる場所が好きです。 豆粒のようにちまちま、ころころと 暮らしています。

記事一覧

抱きしめてあげる

そこは夏になれば 西に落ちる日が注ぎ 秋になれば裏の 金木犀が存在を放つ 冷蔵庫に貼ってある 読みにくい文字の走り書き こなしてきたことが ひとつずつ目に浮かぶ 一日…

はなまめ
1日前
21

いつもここから・・・
  いつもそこに・・・

母であり娘でもある、その日は
ありがとうを伝える日。
母も娘もそれぞれの”母の日”になりますよう。

はなまめ
1日前
18

夜は甘えたがり  -主-

ふわっと降りてきた夜が初めに触れるのは こどもの小さなまぶた。 それから触れるのはそろそろ眠りたいと思っている おとなのまぶた。  ゜゜゜ 真夜中なのに眠れなくて…

はなまめ
7日前
37

不思議なポッケに入りこむ  -序-

初対面の抽象的なアート 理解不能な感覚とからくり わたしの目はそれらよりも 異次元の秘密を 共にすることから始まった 奇妙な力を感じて 日常に暮らす姿を想像し 同時に…

はなまめ
9日前
26

花水木の長く続く道を歩きながら

春の暮れの日差しが新緑をますます健やかに 木々を喜びに湧かせ輝きを放ち始めました。 日に透けるような頼りない若葉も 次第に緑を深め力強い姿でそこにあります。 見頃…

はなまめ
2週間前
31

花  -吾子のうるはししをり-

道を通って道を曲がって 見つけたはるの贈り物 さくらの散る音に耳をすませて ぽろぽろ思いだすことがある 遠いむかしへ渡るように いつでもそばにあるように 見えない目…

はなまめ
3週間前
35

手のひらの小石

空や花、風景や人たち。目がくらむような朝日。 雨の降りしきる夜明けにも。 どこを切りとっても美しくこゝろに響くものが わたしを囲むように近くにあります。 仰いでみて…

はなまめ
4週間前
71

泣いている子どものように
布団の中で丸まっていても季節のたよりが
届きました。外の風にさくらに触れたい…。

感染症で弱っていたからだに
別のウイルスにも感染しこゝろもからだも
ほろほろ。
ご心配をおかけし申し訳ございません。
少しずつになりますが
息づいてまいりたいと思います。

はなまめ
1か月前
35

こゝろ弾みます

拝啓  お元気ですか  お変わりございませんか  寒さが日に日に  ゆるんできたように思います  ふゆの寒さの価値を  ぬくもりのありがたさを忘れはしません  凍え…

はなまめ
1か月前
50

いつもの場所のネコヤナギ。午後の光を浴び
これから花が咲こうとしていました。
ごめんねごめんねと小声で言いながら
触りまくってしまいました。
シルクのような柔らかさに
やさしい光を透き通すような、わたしも
そんな部分を持っていたいな。

もふもふと。
これは・・雄猫なのですよ^^

はなまめ
2か月前
33

吾子のかわゆしひいな

おとこの子は夢を見ていた おんなの子は夢を守っていた 巡りくる早春のその日 眠っていた桐箱から そろってお出になった 薄紅のほほが上がって 柳のような眉がのびて 広…

はなまめ
2か月前
40

独り言みたいに

やさしくあろう と 言う 遠くを見るように 目をほそめ ひとりで見るには 広すぎるはる空を 思ったりして ただ無性に てがみを書きたくなる いま少し 待っていて ほほ…

はなまめ
2か月前
30

スゥアンクゥアンスゥイウォン

ふた月前に切った髪が少し伸びた。 癖のないまっすぐな髪に 生まれてそう時間がたっていない日が当たると 疑いもなく春を感じる。 ある日、わけあって名乗れないがと言い…

はなまめ
2か月前
33

カスタードクリームも好きだけれど

やわらかな ほら貝のようなパンには チョコレートクリームが入っていて いつもどちら側から 食べようかと悩むけれど チョコレートクリームが見える 頭の方からおしりの方へ…

はなまめ
2か月前
31

嫌わないでください

ひとつの容器に かたちを保たれながら なかよくもたれ合っています ねぎは思い出のことばを懐かしみ どこか儚く舞うかつおは もっそりもっそりひとりごとを 放つのでした …

はなまめ
3か月前
34

まめまめま~め。はなまめが
節分五目豆を煮ました。
―五目豆レシピ―
(材料)
お豆・・歳の数+1粒
幸運・・ひとつまみ
愛情・・たっぷり 
美味しく作りたい気持ち・・お好みで
(ポイント)
ころころとした気持ちで煮ましょう。
それが隠し味です。

皆さまに福が訪れますように^^

はなまめ
3か月前
28
抱きしめてあげる

抱きしめてあげる

そこは夏になれば
西に落ちる日が注ぎ
秋になれば裏の
金木犀が存在を放つ

冷蔵庫に貼ってある
読みにくい文字の走り書き
こなしてきたことが
ひとつずつ目に浮かぶ

一日のさんぶいちはそこにいて
朝げ夕げをこしらえて
うたを詠みラジオを聴き
新聞の文字を追う

生きている匂いが漂って
戸棚の中も冷蔵庫の中も
ひんやりしているのに
あたたかい、温室みたいに

雨の日はこもる空気に
野菜の切り口の匂い

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いつもここから・・・
  いつもそこに・・・

母であり娘でもある、その日は
ありがとうを伝える日。
母も娘もそれぞれの”母の日”になりますよう。

夜は甘えたがり  -主-

夜は甘えたがり  -主-

ふわっと降りてきた夜が初めに触れるのは
こどもの小さなまぶた。
それから触れるのはそろそろ眠りたいと思っている
おとなのまぶた。

 ゜゜゜

真夜中なのに眠れなくて午前1時を過ぎ
2時を過ぎても眠れなくてほやほやしている。
夜中は怖いので声は出さない。
ほやほやするのはこっくりこっくりと舟を漕ぐ感じ。
眠れない夜に現れるわたしのなかのわたし。
ほやほやこっくりなほっくりさんだ。

夜はやんちゃに

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不思議なポッケに入りこむ  -序-

不思議なポッケに入りこむ  -序-

初対面の抽象的なアート
理解不能な感覚とからくり
わたしの目はそれらよりも
異次元の秘密を
共にすることから始まった

奇妙な力を感じて
日常に暮らす姿を想像し
同時に夢物語と知りながら
無遠慮に歩み寄れた喜び
君の世界に触れられて

゜゜゜゜゜

夕方、幼い匂いをさせて
聞かせて、聞かせてと
こゝろをみせる子。
呼吸音がやや早まり
育っているなと感じる瞬間。
わが子のうぶな世界が
開いて広がって

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花水木の長く続く道を歩きながら

花水木の長く続く道を歩きながら

春の暮れの日差しが新緑をますます健やかに
木々を喜びに湧かせ輝きを放ち始めました。
日に透けるような頼りない若葉も
次第に緑を深め力強い姿でそこにあります。

見頃を迎えた花水木。
花名は根から水を吸い上げる力が強く
枝には滴るほどの水を含んでいることから
名付けられたとゆう、水の木。
水を飲む人のように、そして人と関わるように。

赤や白く花のように見えるのは色づいた苞葉。
花は苞葉に守られて中

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花  -吾子のうるはししをり-

花  -吾子のうるはししをり-

道を通って道を曲がって
見つけたはるの贈り物
さくらの散る音に耳をすませて
ぽろぽろ思いだすことがある

遠いむかしへ渡るように
いつでもそばにあるように
見えない目にひかりをともしたい
こゝろがしずまるころ
さくらはほとほとほとり
ふくらかないくつもの
ひかりの珠を降らせてくれる

しあわせの重さは花びらくらい
沁みるほどにやさしくて
手を伸ばして触れたくなるのは
こゝろに傷があってのこと

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手のひらの小石

手のひらの小石

空や花、風景や人たち。目がくらむような朝日。
雨の降りしきる夜明けにも。
どこを切りとっても美しくこゝろに響くものが
わたしを囲むように近くにあります。
仰いでみても見下ろしてみても感情とともに
一瞬とゆう奇跡がそこにあって
それは記憶に刻まれる一瞬でもあるのです。

 ○○○

小石を集めて遊んでいた子どもの頃
かじかむ手で握りしめていた小石が
わたしのからだと同じ温度になりました。
冷たいもの

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泣いている子どものように
布団の中で丸まっていても季節のたよりが
届きました。外の風にさくらに触れたい…。

感染症で弱っていたからだに
別のウイルスにも感染しこゝろもからだも
ほろほろ。
ご心配をおかけし申し訳ございません。
少しずつになりますが
息づいてまいりたいと思います。

こゝろ弾みます

こゝろ弾みます

拝啓

 お元気ですか
 お変わりございませんか

 寒さが日に日に
 ゆるんできたように思います

 ふゆの寒さの価値を
 ぬくもりのありがたさを忘れはしません
 凍える地中で静かに眠ることの意味も
 わかっています
 
 けれども
 わけもなく うれしくて
 わけもなく しあわせで
 こゝろもからだも
 ふわふわしてくるのです

 深く息をすると風の中に
 ちいさな なにか が
 うふふ うふ

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いつもの場所のネコヤナギ。午後の光を浴び
これから花が咲こうとしていました。
ごめんねごめんねと小声で言いながら
触りまくってしまいました。
シルクのような柔らかさに
やさしい光を透き通すような、わたしも
そんな部分を持っていたいな。

もふもふと。
これは・・雄猫なのですよ^^

吾子のかわゆしひいな

吾子のかわゆしひいな

おとこの子は夢を見ていた
おんなの子は夢を守っていた

巡りくる早春のその日
眠っていた桐箱から
そろってお出になった

薄紅のほほが上がって
柳のような眉がのびて
広く厚い胸が膨らむ

ここに笑みが立ち込めた
とてもとても自然に

*****

桃月三月を迎えました。
ついこの前
春の産声を聞いたかと
思っていましたが
まだ寒い日が続いていますね。

明日は上巳の節句
おひな祭りの日です。
わた

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独り言みたいに

独り言みたいに

やさしくあろう と
言う

遠くを見るように
目をほそめ
ひとりで見るには
広すぎるはる空を
思ったりして

ただ無性に
てがみを書きたくなる

いま少し
待っていて

ほほえむから
花のふるこの空から
ほほえむから

わかつもののない
この空から
花と空をわたる
ほほえみを

*****

 

独り言、聞こえてしまいましたか。
独り言でしたけど
聞こえちゃいましたよね。

聞いてほしい独り言っ

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スゥアンクゥアンスゥイウォン

スゥアンクゥアンスゥイウォン

ふた月前に切った髪が少し伸びた。
癖のないまっすぐな髪に
生まれてそう時間がたっていない日が当たると
疑いもなく春を感じる。

ある日、わけあって名乗れないがと言いながら
使いらしき者がやってきた。
聞き慣れた声に和んでいたら
早々にお帰りになってしまった。
さりげなく触れたつもりであったけれど
などと思っていたら使いらしき者は振り返り
嗅ぎなれたにおいを漂わせてうふふとお笑いになって
ふたたび背

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カスタードクリームも好きだけれど

カスタードクリームも好きだけれど

やわらかな
ほら貝のようなパンには
チョコレートクリームが入っていて
いつもどちら側から
食べようかと悩むけれど
チョコレートクリームが見える
頭の方からおしりの方へと
指の腹でそれはそれはていねいに
チョコレートクリームを押してゆき
ほら貝のようなパンの
先っぽの方にも
チョコレートクリームをゆき渡らせたら
ひとくちずつちぎって
チョコレートクリームを
絡め取るように口に運ぶのが
チョコレートク

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嫌わないでください

嫌わないでください

ひとつの容器に
かたちを保たれながら
なかよくもたれ合っています
ねぎは思い出のことばを懐かしみ
どこか儚く舞うかつおは
もっそりもっそりひとりごとを
放つのでした

焼き含められた熱々の球の
鼻先をかすめる甘辛い匂いと
忘れかけていたときめきに頬は赤らみ
さびしさが入る隙間なんて
ないくらい
こゝろは花が咲くように
満たされたのでした

「青のりもマヨネーズもたっぷりかけてね」

*****

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まめまめま~め。はなまめが
節分五目豆を煮ました。
―五目豆レシピ―
(材料)
お豆・・歳の数+1粒
幸運・・ひとつまみ
愛情・・たっぷり 
美味しく作りたい気持ち・・お好みで
(ポイント)
ころころとした気持ちで煮ましょう。
それが隠し味です。

皆さまに福が訪れますように^^