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写真使ってくれた方々のnote

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写真ご使用ありがとうございます!アイキャッチ使用記事を随時追加中!販売中写真を「みんなのフォトギャラリー限定で無料使用可」としています。※ダウンロードでの使用/note外での使用… もっと読む
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#小説

みんフォト 写真/イラスト使用回数が5000回突破しました

みんなのフォトギャラリーから写真やイラストを使われた回数が5000回突破したと通知が。 使ってくれたnoteはマガジンにまとめています。写真使ってくれた方々のnote|Koukichi_T SNS速報/ストックフォトグラファー|note 記事投稿時のアイキャッチ画像設定の際に、みんフォト検索で「koukichi_t」と検索すると出てくるかと思います。よかったらどうぞ ひさしぶりに追加しようかな。 主にイラストはSuzuriでグッズ販売したりもしてるのでどうぞ。Suzu

ブルーグレーの月曜日

 最初に消えたのは、々とゝだっただった。  「このたび、長らく皆様に親しまれてきた々とゝですが、来月末日を持ちまして、廃止といたします。」  会社の2階から3階へと通じる階段の踊り場の、ブルーグレーの壁に、そう書かれた通知文が張られていたけれど、誰もその張り紙には気がつかなかった。  月曜日の朝の、重苦しい空気のなかを、パソコンの電磁波が通過していった。  同様の内容が書かれた通知は、きちんと電子メールでも届いていた。  々とゝって、何? 昨年入社した新人2年目のツ

報われない2人にラブソングはもういらない

曖昧な関係に答えなんかないし、私たち2人にラブソングはもういらない。好きだったはずが嫌いになって、嫌いになりたくなかったのに、君が嫌いにさせた。恋愛なんてものは相手のせいにしなきゃやってられないし、いま思い返せば都合よく利用されているだけで、あなたの都合の良い時にしかLINEが返ってこなかった。 未読無視も当然のように日常茶飯事。そして、よくある既読無視。いつからか考えることも嫌になって思考停止。まるで脈なし。私の気持ちなんていつもお構い無し。会うたびに喧嘩して、会うたびに

レインマン

雨の日が続く。 慌ただしい日々も続く。 慌ただしい日々に忙殺され、 人に優しくできないこともある。 そんな時、思い出す言葉がある。 以前にも書いたが 下北沢でバーテンやってた頃、 同僚だった男が言った雨が降った時の言葉。 「喉が渇いていたから、丁度良かった。」 彼は雨が降るたび、そう言って空を見上げ、口を開けた。 一方から見れば、ネガティブな事も、 見方を変えればポジティブになる。 彼は、さらに雨がドシャ降りになった時、こう言った。 「シャワー浴びて

僕の好きなクリエーター019リドリースコット

ブレードランナー(アンドロイドは電気羊の夢を見るか?) さて、僕はSF映画が大好き。 そのなかでも、SF映画は見た事も聞いた事も無い世界観が有れば有るほど強烈に面白がってしまう。  SF映画の中ではもっとも印象に残ったのは実はエイリアンだったりして。これは後で気が付いたのだけど、監督はブレードランナーと同じリドリースコット監督。けれどエイリアンはSFというよりホラー要素がかなり入っているので、純粋なSFとしてはエイリアンは除外したい。したがって、純粋にSF映画の中で印象に残

黒山羊のハロウィン

「あ、死んだわ」 死ぬ直前の声というのは、もっと逼迫して、到底人間の出せるものではない断末魔みたいなものなのかと思っていたが、案外俺の口からは呆けた声しか出なかった。 これは俺に限った話ではないと思う。 ほんの数秒前までは、「晩飯どうするかなぁ」とか「クレカの引き落としきついな」とか「横の女の子の脚綺麗だな」とか、そんなシュレッダーされた散り散りの紙屑みたいなことを考えていたが、不意に死が迫った直前になって咄嗟にその思考を切り替えられるかといえば、そんなはずはない。 そもそ

イケブクロアンダーテイク

俺はオオマでお前は初対面。 はじめましてでさよなら。 お前に酒はいらない。俺もだ。 俺の体は機械で頭はヘルメット、そして葬儀屋。 お前が飲むのは鉛玉で十分。 「ふざけッ…!!」 俺は返り血をもらう。 それで十分。 血は温かく生きている実感を思い出す。 それで十分。 お前を担ぎ、棺に詰める。そして製薬会社ピサシス に売り払い50万を貰う。 俺はそれで生きている。 俺の人生はそれだ。 パンッ。 紅い花のように男の頭が爆ぜる。 項垂れた首を見て胴を抱える。 棺に詰める。

【連載小説】こころの檻は二度開く⑦

【これまでのあらすじはこちら↓】  男の腕は思ったよりも細く、洸の力でも振り払うことができた。男は面食らったような顔をしたが、すぐに洸を睨みつけた。 「なにお前?こいつの彼氏?」 「違います」 「じゃあ関係ねぇだろ。陰キャは引っ込んでろ」 「彼氏じゃないですけど、彼女嫌がってるじゃないですか」 「あ?だからお前には関係ないの。痛い目見ないとわかんね?」 「女性を無理やりナンパするなんてダサいで・・・」  洸が言い終わる前に男の拳が顔めがけて飛んできた。気づいたときには空

バーチャル墓参り

 20XX年、全ての人間の生死が政府によって管理された事により孤独死の問題が解消され、世帯を持たずに生きる事を選ぶ人間が増えた。生体活動が終了と判断されると、直ちに遺体は医療機関によって回収され、親族がいない場合はすぐに火葬し、骨も残らない。今や墓参りはバーチャルで行う事が主流で、テレビのリモコン一つで生前の映像を見ることが出来、仮想世界で死んだ相手との会話が可能になった。完全に遺骨を消滅させねばならなくなった原因は、墓守りを放棄する人間が増え、土地が荒れた事にある。政府は大

ファイティングポーズはいつでもとれる!!!

こんにちは【hidechi】です。 1人でも共感が得れればと、私の一番好きな言葉であるワードを出しました。 「ファイティングポーズ」 そして、イラストもすごく良い物があったので使用をさせていただきました。「あああああああ」というのがすごく訴えかけるようで私はすごく気に入っております。 hidechiの事をみなさんはどのように想像されているだろうか?インフルエンサーを目指している事もあり、いずれはみなさまに顔を見せる事もあると思っていますが、おそらく想像とは違うと思いま

カサブタ

山奥の無人駅。私以外には誰もいない。時刻表の、一時間に二本ずつしか列車が通らないことを示す数字が、掲示板に浮いた錆と共に、この土地の中途半端な淋しさを物語っていた。 待合の、コの字型に配置された木製のベンチの端に腰掛ける。私以外には誰もいない。時刻は午後四時。そろそろ夕暮というものが山肌を紅く焦がすであろう。ベンチの背凭れの上に開いた吹き抜け窓の向こうに、所々紅葉し秋の気配を孕んだ山が聳える。 次の列車が到着するのは三十分後。私は立ち上がり、ホームから身を乗り出してレールを眺

彼女は目が悪い #葉野菜

「ねぇお兄さん。ちょっといいかしら?」 突然、その女性は俺に声をかけてきた。全くの他人であるその人は名前を「アカネ」と名乗った。妻に離婚を、上司からはリストラを突きつけられた俺は、行くあてもすることもなかったからその女性の誘いにのった。 「話しを聞いて欲しいだけなの。」 女性はそう言って話し始めた。 目が悪いのって不便だと思う?……そうよね。 世の中の大半の人が不便だって言うと思うの。 でも、私は案外便利だと思うのよ。 とても使い勝手の良い目のつくりになるから。 分からない

日常と情念

岩井志麻子の『でえれえ、やっちもねえ』と『ぼっけえ、きょうてえ』を読んだ。前者は令和3年6月下旬に刊行、後者は1999年頃(文庫化は2002年)。20数年の時を経て「後続的な作品」という帯の見出しで発表された。 新刊のネットでの評判では、『ぼっけえ、きょうてえ』には遠く及ばないっぽい。ので、僕は『でえれえ、やっちもねえ』から読んでいった。この順番で正解だったとは思う。 さて、この2冊はどちらも角川ホラー文庫だ。よって、一般的にはホラーに属する。ホラー=恐怖の定義は様々で、

嵐の中で乾杯を #冒頭3行選手権

ペットボトルのコーラと、プラカップに入ったビールがとん、とわずかな音を立てた。風はぬるく、観客にまんべんなく吹き付ける。空は淀み、もうひと押しで決壊しそうな予感をはらんでいた。 そんな状態の中、不安とわくわくをいったりしながら待機すること小一時間。 周りからの歓声があちらこちらから上がる。ステージに出てきた今日の主役は、あの有名な4人組だった。