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ロボットとデザイン

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micro:bitとAdobeXDとPLEN:bitを題材にして、未来のデザインについて考えていきます。
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UIの透明度

UIの透明度

ユーザーインターフェイス(UI)とは、人工物(機器)と人間が情報をやりとりするために必要なものです。代表的なものには機器側から人間に情報を表示したり、また人間側から機器への操作があります。

UIという表現には、情報表示するモニタや操作のボタンを指す場合と、その振る舞い全体をUIと指す場合があります。最近ではモニタに出るGUI(グラフィカル・ユーザーインターフェイス)や振動、音などUIを構成するも

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Raspberry Pi Picoの無線対応で期待すること

Raspberry Pi Picoの無線対応で期待すること

6月30日に「Raspberry Pi Pico W」が発表されました。ハードウェア的にはWi-FiとBluetoothが実装されていて、現在はWi-Fiのみの仕様ですがBluetoothは遅れて使用できるようになるみたいです。これまでも安価で小型のマイコンだからこそ電池運用、ウェアラブル、ロボティクス、モバイルなどに使いたい場面が沢山ありました。もしかしたら今回のラインアップ拡張はそんな願いをか

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PLEN:bitでロールプレイを楽しむ

PLEN:bitでロールプレイを楽しむ

PLEN:bitは手のひらサイズの小型ロボットキットです。去年の冬にKickstarterでクラウドファンディングが成立し、その後は順調に製品が出荷され、現在ではいくつかの販売ルートでも入手できるようになってきています。

今年も10月23日から12月6日までの期間で新しいクラウドファンディングが始まりました。従来のmicro:bitでコントロールするモデルだけでなく、M5Stackを使ったモデル

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「アソビ」とプロトタイピング

「アソビ」とプロトタイピング

「アソビ」という言葉には、子供たちが外などで遊ぶという意味と、緩衝材としての余白という2つの意味があります。

この2つの意味を同じ言葉にした昔の人に敬意を表します。

似たように「適当」という言葉にも2つの意味があり、それが微妙に重なっている部分が好きです。(「いい加減」も同様)

いづれの言葉も余裕や余白、余地というものがあることで、物事が上手くいくということを、昔の人たちはよく知っていたこと

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IoTの本質とデザイン手法 <IoTプロトタイピングツール>

IoTの本質とデザイン手法 <IoTプロトタイピングツール>

このところの投稿で「IoT」という言葉を安易に使ってしまっており、自分の勉強のために少し整理しておこうと思います。

IoTは「Internet of Things(モノのインターネット)」の略で、モノがインターネットにつながるという意味で使われる言葉ですが、IoTだけではそこから何が起きるのか分かりません。

モノがインターネットにつながった後をどうするのか? 何のためにインターネットにつなげる

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「たのしいmicro:bitコンテスト2019」にエントリー

「たのしいmicro:bitコンテスト2019」にエントリー

フレームワークという作品複雑なアイデアを、簡単な組み合わせとプログラムで実現できることを伝えたくて、演出のほとんど無い作品を「たのしいmicro:bitコンテスト2019」にエントリーしてみました。

人は何が「たのしい」と思うかそれぞれです。私の場合は「何かを作る環境やツールを作る」というのが昔から好きでした。今でいうプラットフォームやフレームワークといったものです。

だから、くそ真面目に誰で

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Robot control from AdobeXD

Robot control from AdobeXD

以前の記事で、AdobeXDの「キー入力」を使って、micro:bitからXDの画面遷移をコントロールする方法を紹介し、その続報記事の中でコントロールは一方向であることを指摘していました。

今回は、簡易的な方法ですが、XDのGUI操作によってロボットをコントロールする方法を紹介します。

AdobeXDにコードを埋め込むAdobeXDの画面の一部をグレースケールのコード領域にして、micro:b

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micro:bitからAdobeXDをコントロールする簡単な方法(改訂版6/19)

micro:bitからAdobeXDをコントロールする簡単な方法(改訂版6/19)

※こちらの記事に対して、より適切な設定がありましたので改訂します(6/19)

ほぼ毎月なんらかのアップデートが実施されているAdobeのプロトタイピングツール「XD」に、キーボードのキー入力によって画面が遷移するという新しい機能が追加されました。

簡単なところでは、キーボードのカーソルキーでメニューリストを動かすことが実現できます。しかし本当に威力を発揮するのはもう少し複雑な使い方です。

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ロボットでインタラクションを学ぶ

ロボットでインタラクションを学ぶ

前回の記事では、組み立て終わった報告とこれからやりたいことを書きましたが、今回は実際に動かしてみた様子をお伝します。

インタラクションを学ぶ基本がある「ロボットについて学ぶ」という場合には、人間研究などを含めて広くなりすぎるため、私がPLEN:bitで体験してみたい「ロボットとのインタラクション」について考えてみたいと思います。

インタラクションは、現在のデザインが重視しているUI(ユーザーイ

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ロボットが、我が家にやってきた。

ロボットが、我が家にやってきた。

キックスターターでクラウドファンディングしていた「PLEN:bit」というロボットキットが10連休の前日に手元にとどきました。PLENbitは名前の通りmicro:bitというマイコンボードで動くロボットです。

10連休はいろいろと予定が詰まっていたこともあり、また手軽に作ってしまうのも勿体ないと思い、連休明けの仕事が一段落するまで大切に温存していましたが、ようやく楽しみながら組み上げ、

とう

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ロボットに写真を撮らせる <ドリーユニット実験>

ロボットに写真を撮らせる <ドリーユニット実験>

今年は「ロボットに写真を撮らせる」を目標に、クラウドファンディングでロボット購入したり、サーボの動きでカメラのレリーズを操作する実験をしたりして着実に作業を進めています。

最初に描いたイメージ

今回は、ロボットとカメラを乗せて写真のフレーミングを変えるドリーユニットを作ります。

「ドリー」はカメラスライダーとも呼ばれ、主に動画を撮るときに用い、正確な軌道を移動させながら撮影するためのものです

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私がPLEN:bitを選んだ理由

私がPLEN:bitを選んだ理由

PLEN:bitのクラウドファンディングが残り6日となり、残りはおよそ80万円分(PLEN:bit 30台分くらい)です。

なかなか厳しい状況です。それでもぜひ達成していただきたく、私が多くの選択肢の中でなぜPLEN:bitを選んだのかをまとめてみようと思いました。

PLEN:bitとの出会い私はメーカーでUIデザイナーをやっています。大学ではプロダクトデザインを学びましたが、会社に入っていか

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ロボットに写真を撮らせる <レリーズユニット実験>

ロボットに写真を撮らせる <レリーズユニット実験>

普通のカメラをロボットに操作させるというコンセプトで、今年はなにかを製作しようと目標を立てました。

いきなり精巧な手を持つヒューマロイドを作ってカメラを操作させることは難しいので、まずはリモートレリーズの外部入力を利用してサーボの動きでシャッターを操作してみることにしました。

このレリーズユニットがあれば、角度が変化するものをシャッター操作に置き換えることができます。

カメラへのコネクター部

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ロボットと共有する"カメラ"

ロボットと共有する"カメラ"

以前の記事で、ロボットを購入(クラウドファンディングの支援)をしたことを書きましたが、UIデザインの視点でもう少し掘り下げてみたいと思います。

今回ロボットを購入した理由は、そのロボットに写真を撮らせようと考えたからです。
これまで色々なカメラのUIをデザインしてきましたが、それは人間が操作することを前提したものでした。しかし「未来のデジカメ」をデザインするのであればロボットとの共同作業を考えて

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