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意味をひろげる「イラスト」、意味を絞る「ことば」|伝わるビジュアライゼーションのコツ

こんにちは、くぼみ(@kubomi____)です。デザインやビジュアルシンキングをやっています。「グラレコのヒミツ」では、グラフィックレコーディングの実践で気づいた学びを紹介しています。

意外に思う方も多いかもしれませんが、ことばは、ビジュアライゼーションにおける必要不可欠な要素です。ことばは、意味を伝える上で、欠かすことができません。イラストとことばの働きの違いとその関係を知り、効果的なビジュアライゼーションを作っていきましょう。

意味をひろげるイラストと、意味を絞ることば

次のイラストを見て、どのような意味を想像しますか?

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「山」と答える人もいるでしょうし、「自然」と捉える人もいるでしょう。「エベレスト」の風景を思い浮かべる人もいるかもしれません。このように、イラストは、解釈によって様々なレベルの意味に取れます。すなわち、イラストには、意味を広げる働きがあるというわけです。逆に言うと、イラストだけでは、ひとつの意味に絞ることができません

では、この山のイラストに、ことばを組み合わせてみましょう。さて、今度はどうでしょうか?

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イラストだけではエベレストだとは判別できませんが、ことばが添えられたことにより、誰が見ても、もうエベレスト以外の山には見えません。というのは言いすぎですが、伝えたいのはエベレストだということが分かります。このように、言葉には、意味を絞り込み、意味のピントを合わせる働きがあります

では、すこし視点を変えて、「今月の目標」ということばを添えてみましょう。

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「目標」という言葉が添えられたことにより、全く同じイラストでも、その見え方は変わったのではないでしょうか。ここでのイラストは、エベレストのような実在する山ではなく、「乗り越えて到達すべき目標」というメタファーの役割を果たし、新たな文脈を生み出しています。このように、イラストとことばの関係によっては、文脈や物語を想像させる表現に生まれ変わります。

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イラストとことばのバランスで意味をコントロールする

見る人に自由な解釈を求める芸術作品と違い、ビジュアライゼーションは、意味や意図を伝えることが目的です。意味を広げるイラストと、意味を絞り込むことば。これらを組み合わせることによって、伝わる意味の広がりをコントロールできるのです。

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悪い例

イラストとことばの組み合わせが悪いと、かの有名なネットミームのようになりますので、気をつけてください。

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ミニワーク

次のイラストを見て、意味を想像して、ことばを付けてみましょう。それぞれに、5つのことばを、書き出してみましょう。

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回答例
①鍵、暗号、ヒミツ、答え、新世界を開く鍵
②爆弾、危険、事故、争い、一触即発
③友だち、カップル、信頼、心理的距離、一緒にいる

同じイラストでも、いろいろな意味に捉えられることを実感していただけたと思います。
これでは物足りないという方は、次のレベルに挑戦してみてください。さきほどイラストから連想したことばをもとに、さらに別のイラストを連想してみてください。イラスト→ことば→イラスト→ことば…と連想を重ねることで、連想のトレーニングができます。

▼参考にした書籍はこちら。図解について網羅的に学べる一冊です。

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