マガジンのカバー画像

薬はじめてガイド:薬との上手な付き合い方

12
発達障害の薬はじめてガイド2章:薬との上手な付き合い方
運営しているクリエイター

記事一覧

通院を続けることや薬を飲み続けることにまわりの人が反対している

通院を続けることや薬を飲み続けることにまわりの人が反対している

• まず、反対している人になぜか聞いてみましょう。

• あなた自身が気づいていなくても、薬の副作用で攻撃的になっていたり、ぼんやりしている様子や食欲がないことを心配しているのかもしれません。

• また、発達障害のことをよく知らなくて、通院や服薬を続ける事があなたにとって必要だと分からずに反対しているのかもしれません。

本人以外でも、主治医に相談していいの?

• 家族やまわりの人でも、お医者

もっとみる
薬を飲んだり、病院に行ってみたいけど、まわりの人が反対している

薬を飲んだり、病院に行ってみたいけど、まわりの人が反対している

• まず、反対している人になぜか聞いてみましょう。

• その人自身の経験から、反対していることもあります。薬の副作用でつらい思いをしたり、お医者さんに困りごとを理解してもらえなかったりした経験があるのかもしれません。

• 発達障害への理解は、この 10年間で大きく進みました。 発達障害のことをよく知っている医療者も、少しずつ増えてきています。使える薬が増えて、リハビリの方法も変わりました。

もっとみる
「発達障害が安全に治るサプリメント」って本当に効果があるのかな? ②

「発達障害が安全に治るサプリメント」って本当に効果があるのかな? ②

「世間の人が知らない恐ろしい真実」には警戒しよう

• 不安や罪悪感、または「あなただけが知っている」 と言って特権意識をあおる表現をして製品やサービスを買わせる人がいます。

• 「〇〇が報道しない真実」「世間は騙されている」というタイプの表現を聞いたら、警戒しましょう。

• 「情報はあげるから、自分の人生は自分で決めるんだよ」 というのが科学のスタンスです。しかし、 はっきりと白黒をつけても

もっとみる
「発達障害が安全に治るサプリメント」って本当に効果があるのかな? ①

「発達障害が安全に治るサプリメント」って本当に効果があるのかな? ①

効果があるなら副作用もありうる

• 法律上の区分が薬でなくても(「栄養補助食品」など)、もし本当に発達障害やその他の病気などに効果がある成分なら、飲むときに気を付けることや副作用のリスクは、薬と同じです。

• つまり発達障害の薬と同じで、飲んでも定型発達(発達障害でない人)に生まれ変わるわけではありません。

• 「植物由来」「食品由来」 だから安全、という宣伝は多いですが、例えばジャガイモの

もっとみる
漢方薬って、西洋医学の薬とは違うの?

漢方薬って、西洋医学の薬とは違うの?

漢方薬のほうが得意な症状もある

• 困りごとを減らすために、西洋医学の薬(カタカナの名前が多い)と組み合わせて使ったり、漢方薬だけでも使うことがあります。

• 西洋医学の薬は、1つの成分(化学物質) でできている薬が多いですが、漢方薬は、植物や動物などから抽出したいくつかの種類の成分が混ざった薬です。

• 西洋医学の薬よりも漢方薬のほうが効果がある症状もあります。そのため日本では、西洋医学の

もっとみる
薬を飲み忘れちゃうんだけど、
どうしたらいい?

薬を飲み忘れちゃうんだけど、 どうしたらいい?

頑張って覚えるより「覚えなくても大丈夫な工夫」をしよう

• 気付きやすい場所に置く:薬は、 毎日よく見る場所、 通り道に置くこと。隠す場合は、毎日開ける場所にしまうといいでしょう。

• リマインダー:スマートフォンなどでアラームをかけたり、 誰かに飲み忘れていないか確認してもらう。 毎日のやることリストがある人は、「薬を飲む」という予定を書き加えましょう。「朝の薬」、「夜の薬」のように分けて書

もっとみる
副作用がひどいんだけど、
勝手に飲むのをやめていい?

副作用がひどいんだけど、 勝手に飲むのをやめていい?

• 副作用がつらい場合は、かかっている病院に連絡(電話など)して、まず主治医にどうしたらいいか聞いてください。

• つらい副作用は、絶対に次の通院まで我慢しなければならない、というわけではありません。

• 副作用は、薬の種類だけでなく、薬の用量によっても変わります。

• 用量を変えるだけでも副作用がおさまることもあるので、主治医と相談しながら、快適な生活ができる方法を探していきましょう。

もっとみる
薬が効いてないみたいなんだけど、
自分の判断で量を増やしてもいい?

薬が効いてないみたいなんだけど、 自分の判断で量を増やしてもいい?

• 自己判断で薬の量を増やしてはいけません。

• 飲んだ量やタイミング、体質によっては、一生続く後遺症が残ったり、命を落とすこともあります。

• 処方薬や市販の薬を、決まった量よりも多く飲んだり(オーバードーズ)、薬をお酒と一緒に飲むことがやめられなくなってしまった場合は、そのことを主治医に相談しましょう。オンラインの相談窓口などでも構いません。

薬を増やしたいってお医者さんに言ってもいいの

もっとみる
ほかの発達障害の人と同じ薬を飲んでも、効き方が違うのはなぜ? ②

ほかの発達障害の人と同じ薬を飲んでも、効き方が違うのはなぜ? ②

薬の吸収や分解(代謝)にかかわる体質もみんな違う

• 薬は体重 1kgあたりの量(用量) によって効き方が変わるので、体重が変われば、必要な薬の量も変わります。

• 薬の吸収や、肝臓や腎臓での分解・排泄のされ方も、一人ひとり違います。

• 薬は、酵素と呼ばれる身体の部品によって、分解されるものが多いです。

• ある薬を分解する酵素がよくはたらく人は、その薬が分解されて効果が弱くなるまでの時

もっとみる
ほかの発達障害の人と同じ薬を飲んでも、効き方が違うのはなぜ? ①

ほかの発達障害の人と同じ薬を飲んでも、効き方が違うのはなぜ? ①

脳の中の情報の伝わり方はみんな違う

• 同じ発達障害の診断名でも、脳の中のどのような状態が困りごとを引き起こしているかは、一人ひとり違います。

• また、薬の吸収や分解にかかわる体質も違います。

• 同じ診断名の人が「この薬は効いた」「副作用がひどかった」 などと言っているのを聞いて、自分の経験と違うと、つい自分が間違っているのかな?と思ってしまうこともあるかもしれません。

• でも、薬の

もっとみる
薬の効き方や、効果が出る時間帯ってどうやって決まるの?

薬の効き方や、効果が出る時間帯ってどうやって決まるの?

• 薬は飲んだらその瞬間から効き始めるわけではありません。薬の成分が吸収されて脳に移動するまでに、少し時間がかかります。

• 薬が効き終わるまでの時間は、薬の代謝(肝臓などで分解されて、身体の外に出ること)にかかる時間の長さによって決まります。

• 薬の吸収や代謝の速さは一人ひとり違います。

• 薬を飲むタイミングや、その日の体調によっても影響を受けます。また、同時に飲む薬や、食べ物・飲み物

もっとみる
薬の量を、増やしたり減らしたりするのはなぜ?

薬の量を、増やしたり減らしたりするのはなぜ?

薬の用量ってどうやって決まるの?

• 薬の用量は、使う人の体質や状況にあわせて決められます。

• 初めて脳に作用する薬(発達障害や精神科の薬) を飲んだときは、最初のころに作用が強く出る場合があります。

• 脳を含めた身体が、 薬に助けてもらえる状態に変わるのには、時間が必要なのです。

• また、薬の効き方(薬への感受性) は人によって違うため、最初は少ない用量を処方されることが多いです。

もっとみる