くらげ

Hello, and Goodbye. kurage4321@gmail.com

くらげ

Hello, and Goodbye. kurage4321@gmail.com

マガジン

  • くだらない悩み相談室

    相談はGoogle Formsで受け付けています https://goo.gl/forms/CxATxwVkCZX2d2EA2 月2回くらいのペースで回答(目標)

最近の記事

  • 固定された記事

考えない日本の私 — さとり世代として

「この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。だが、希望だけがない」 この有名な一節を村上龍が『希望の国のエクソダス』に書いたのは2000年のことですが、それから18年を経て、日本からは希望だけでなく「いろいろなもの」すらも失われてきているように感じられます。 それは主には経済の停滞が原因なのでしょう。もはや日本はGDP世界第2位の経済大国ではないですし、一人当たりGDPに至っては、2000年にルクセンブルクに次いで世界第2位だった日本は、2017年には25位ま

    • ワンちゃん席

      4月1日から健康増進法が改正されて飲食店での喫煙は難しくなった。東京ではさらに厳しい条例が制定されているのでなおのことだ。 とはいえ、健康増進法も東京都受動喫煙防止条例も対象としているのは基本的に屋内での喫煙であり、飲食店であろうとなんであろうと、屋外での喫煙については関知しないという立場である。 そういうわけで、我々喫煙者にとっての福音となるはずの飲食店のテラス席だが、下北沢やら中目黒やらのいけ好かない感じの飲食店のテラス席はと言えば、「NO SMOKING」の文字が躍

      • 科学と瞑想

        一般に通用することなのかは知らないが、疲れているが故に眠ることができないという状態がままある。 昨夜もまさにそれで、翌日の予定を考えると少しでも眠りたかったので、体をできるだけリラックスさせようと小一時間ほどがんばってみたりもしたのだが無駄で、「寝たまんまヨガ」というアプリを入れて無料のコースを試してみた。 普通のヨガと違って、名前の通り寝たままで行えるヨガ(ヨガニードラ)のアプリである。就寝前に行う場合はそのまま寝入ってしまってもよく、「インストラクションを最後まで聞け

        • 冬とオリオン座とスーパーカー

          年齢がひと桁くらいの頃はわりと天文少年で、同居していた祖母を連れて三鷹の天文台に遊びに行ったり、星座盤片手に公園で双眼鏡を覗いたりしていたが、その後ほかのことをたくさん覚えなければいけなくなるにつれて、星座などほとんど忘れてしまった。 僕が今でもなお認識できる星座のひとつがオリオン座で、冬を代表する星座だ。 --- 中学と高校の長い時間を、東京の西の方にある国立という街で過ごした。中学のときは国立駅前の塾に通っていて、その甲斐あって国立にある高校に入ったためだ。 自宅

        • 固定された記事

        考えない日本の私 — さとり世代として

        マガジン

        • くだらない悩み相談室
          3本

        記事

          オンラインの憂鬱

          僕はコンピュータとインターネットがなければ何もできない人間だが、昨今社会で進んでいるオンライン化の波には危機感を覚えている。 どんな変化にも良いことと悪いことがあるし、オンライン化がもたらす益もかなり莫大だと認識しているが、このような世相ではオンラインこそが絶対の正義となって、長所ばかりが持て囃されることになりそうだから、あえてその欠点を並べてみようと思う。論点は主に3つある。格差の増大、人間関係、そして監視と偶然だ。 欠点と言いつつも、明確で客観的なものだけでなく、個人的な

          オンラインの憂鬱

          クリスタルなんかどこにもない

           糸井重里がTwitterでにわかに叩かれているけれど、糸井重里に象徴される1980年代がある面では確かに羨ましくて、というのも本当に悩みのなさそうな、輝いていた時代だからだ。  もちろん、当時生きていた人はそれぞれ今と変わらないくらい悩みはあっただろうとわかっていて、それでも全体として、「ほしいものが、ほしいわ」(1989年)などというキャッチコピーがまかり通る世相は今よりはるかに明るかっただろうと思う。当時のポスターなんかを見ると、本当に涙が出るほど羨ましい。あれから3

          クリスタルなんかどこにもない

          オリンピックボランティア募集への風刺についての反省と自戒

          私のことをよく知っている人には、「またこの話か」と言われるかもしれない。しかし何度でもしておきたい。 去年の夏、私は東京五輪におけるボランティアの募集を題材にして、五輪に伴う様々な問題を踏まえた軽薄な風刺を投稿し、それがインターネットの一部で話題となって、最終的に新聞やテレビを含むメディアで取り上げられた。 なぜ、あれがバズったのか、わからない。風刺にしては面白くないし、わかりやすすぎる。深夜に書き上げたラブレターのように感情に任せた文章で、読み返すと恥ずかしい。実際、特

          オリンピックボランティア募集への風刺についての反省と自戒

          オリンピックまであと1年を切って思っていること

          昨夏、私は東京オリンピックのボランティアに対する皮肉を述べ、局所的な支持を得た。結局ボランティアは十分に集まったようだけれど…… あれから1年を経た今、もはやボランティアの問題にとどまらずオリンピック全体に対して私は失望してしまっている。これはその失望についてのまとまりのない文章である。 東京オリンピックは中止にはならないし、なんなら失敗もしないだろう。オリンピックにはまさしく国の威信をかけて莫大な資金と労力が投下されているのであって、それが少数派によるTwitterでの

          オリンピックまであと1年を切って思っていること

          第3回:メンヘラみたいになってしまう・他

          くだらない悩み相談室の第3回です。 そろそろ答えるか、と思ったので答えます。みなさんいつもご相談ありがとうございます。これで今日までに受け取った相談は全て返せます。 今までなんともなかったし特に何かあったわけでもないのに、恋人から少し返信が来ないだけで不安になったりGPSをつけようとしたり完全にメンヘラみたいになってしまっています。気にしすぎるのも辛いので辞めたいです。どうすれば治ると思いますか?(20代) うーん。難しい質問ですね。 僕もとても心配性の人間で、例えば恋人

          第3回:メンヘラみたいになってしまう・他

          早大を舐めている全ての人達へ

          正しい

          早大を舐めている全ての人達へ

          第2回:弟の足がとてもくさい・他

          集めるだけ集めておいて全然悩みに答えないことで定評のあるくだらない悩み相談室ですが、知人から「そろそろ答えろよ」と言われたので重い腰を上げて答えたいと思います。 弟の足がとてもくさい どうしたらいいですか(10代・男性) 弟さんの足がとても臭い、というお悩み。 実にくだらなくていいですね。などと言いつつ相談者の方は真剣に悩まれているかもしれないのでくだらないと一蹴するのも申し訳ないですが、ここでは「くだらない」は褒め言葉だと思ってください。 うーん、ご家庭ではスリッパは

          第2回:弟の足がとてもくさい・他

          くだらない悩み相談室(2018-11-23 05:49)

          相談内容: 今日8時起きですが、まだ眠れません。寝ずに行った方が良いですか?(30代・男性) 回答: 僕は今日、7時50分から予定がありますがまだ一睡もしていません。多分寝ずに行きます。すっぽかしてもいい程度の用件でなければ寝ずに行きましょう。カフェインがあなたの味方です。寝てしまわないようにコンビニに行ってエナジードリンクでも買ってきてください。コンビニに行く道中でまず寒さで目がさめる気がします。 すっぽかしていい程度の用件なら寝ちゃいましょう。睡眠は大事です。 相談内

          くだらない悩み相談室(2018-11-23 05:49)

          回顧の夏

          私は3年生、つまり受験生の夏休みを演劇の稽古やら準備やらにすべて費やして、各クラスごと夏休み明けに文化祭で芝居をやるという酔狂な高校の出である。 昨日は、現役の3年生たちが、鋭意制作している演劇を夏休み中に一旦上演して卒業生からアドバイス(という名の薄っぺらなコメント)をもらう、通称「OBOG見せ」があったので2クラスほど芝居を観た後、かつての級友(母校はクラス替えがないのでもうかれこれ5年近い付き合いである)たちと酒を酌み交わし、思い出話に花を咲かせた。 この投稿はそれ

          回顧の夏

          どうしようもなさを許容する都市としての東京

          私が生まれたのは横浜の鶴見という、港町特有のダーティな印象のある街だったが、それからすぐ東京——というには心許ないような多摩地区の長閑な街——に越してきて、ひたすら東京の西部を行ったり来たりしてかれこれ20年近く東京に住んでいる。 私は海外経験が全くないにも関わらず、東京を世界最高の都市だと信じていて、今日は東京を礼讚する文章を書こうと思う。 東京の偉大さはすべて、人口による。東京都だけで1,300万人、日本の人口の1割にも上る人間の多さは、個々人の存在感をいい意味で薄め

          どうしようもなさを許容する都市としての東京

          コンピュータとインターネットと10年を共にして

          2007年のクリスマスプレゼントとして僕は初めて自分のコンピュータをもらったので、コンピュータとインターネットを使い始めてから10年が経ったことになる。 それまでコンピュータに触れたことはほとんどなく、なぜ自分がコンピュータをずっと欲しがっていたのかわからないのだが、おそらくは車や鉄道といった機械が好きだったことの延長ではないかと思う。 僕はたまたま、わからないことはできるだけ調べるという習慣がついていたので(それは幼少期図鑑や辞書を読むのが好きだったことによる)、また機

          コンピュータとインターネットと10年を共にして