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日本の研究者の海外離れ

いつものように、まずは冒頭部分の引用から。

日本の若手研究者らの「海外離れ」が深刻だ。中長期にわたり海外に渡航する研究者数は過去20年ほどで4割減った。グローバルに活躍する研究者の減少は、深刻化する日本の科学技術力低下の大きな要因になっている。政府は若手研究者が海外で研さんを積む機会を増やすため、日本の科学研究費の助成制度を改善し、テコ入れに乗り出す。文部科学省の調査によると、中長期(1カ月超)にわたり海外に派遣される研究者数は1990年代後半から2000年にかけ7000人を超えていたが、直近では4300人に減った。

まず、この数字は機関として派遣している研究者数と思います。
機関とは、大学や国立の研究機関などを示します。

この背景の説明して記事では以下のように書いています。

背景にあるのが、帰国後にポストが得られないことへの不安だ。日本の大学などでは正規の研究職の枠が限られ、任期付きの不安定な雇用形態が増えて若手研究者などが海外に渡航することをためらわせている。国立大学の法人化後、運営費交付金の減少などで大学の経営環境は厳しさを増し、大学も海外に人材を送り出す余裕に乏しい。

機関が派遣する研究者数が減ることに、ポストが得られないという不安があるというよりも、記事にあるように大学経営の厳しさにより、研究者がポストを維持したまま派遣する余裕がないというのが本質のように思います。以下に記事の出典と思われる文科省発表の「国際研究交流の概況(平成 27 年度の状況) 」を置いておきます。

http://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/kokusai/kouryu/__icsFiles/afieldfile/2017/06/15/1383915_001.pdf

実は、上記の資料を見たところ1ヶ月以内の短期の派遣はむしろ伸びているので、学会等への参加は積極的になされていると考えられるものの、研究活動を海外で実施している訳ではないので、研究を通じた海外で知見や人脈を広げることには繋がりづらいのかもしれない。
って思いました。その結果として、海外の人と一緒に共同研究して、共同著者となる論文(国際共著論文)の数が減っているんだろうなと。

それだけで研究の質を示す訳ではないけれど、やはり色々な人と繋がっているとわかる訳ですから、研究の広がりが予感できるとは思います。この点に関しては、私も同感でアメリカで知り合った人たちと何年も一緒に続けて研究をしたりする機会は増えます。

面倒なこともあるけれど、研究というある意味狭い世界の中で友人・知人が多いというのは色々良いことがあります。

私は機関に所属することなくアメリカに研究留学したで、機関からの派遣がどんなものなのかは全くわかりません。

しかしながら、職を維持したままの留学であれば、安心していられるなぁとは思います。ただ一方で、海外に出たいって人も実際にいて、私の後輩も大学の職を辞して、アメリカ留学中です。

総じていうと、やはり海外離れというのはその通りなんだろうなとは思います。科研費の使い勝手をよくするというのは良い方法の一つだと思います。最後の締めくくりはこうです。

日本の研究現場は人材の流動性の低さや新陳代謝の少ない体質が問題視されてきた。科研費の改善にとどまらず、将来のイノベーション創出のカギを握る若手研究者の育成にどこまで力を入れるのか、政府や大学の本気度が問われている。

こればっかりはやってみないことにはわかりませんが、機関側と若手研究者側の意識が合致するといいなと思わずにはいられません。国力の維持のためにも研究力は大切です。

一方で、研究者からすると個人の人生や生活がありますし、興味のある分野もあります。マクロ〜ミクロというかなり広い視野を含む「研究力」ですから、もっと考えてもいい話題かなとも思いますね、本当に。海外に行かなきゃいけないって訳ではありませんが、海外で実際に暮らすということは本当に良い経験になると思います。

研究という枠を超えて、人としての成長もあるかなと。
また、海外で暮らしてみたいな〜

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