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現代語俳句への旅 8


「大花火」
~現代語俳句集~

おおぞらは太初のままか蝉しぐれ

とおくへとみみを澄ませば蝉の国

島人らはためいている夏シャツよ

やわらかに日焼を洗いながす手よ

大ぞらをひとっ飛びして夏期休暇

おくじょうに出てより天地大夕焼

うでくんでかんがえるひと立秋か

ひとり行く花野いつしか夢のなか

赤とんぼどれも夕陽ののこり火か

かお上げて銀河のはてへ一人一人

大うちゅうにぽつんと家よ七夕竹

かぜわたるおとよ地球の秋のこえ

きらめいていわしの群れの大竜巻

なにもかもひかりに消えた原爆日

子をつれてとおい日の子ら墓参り

いまここが世のまんなかよ盆踊り

ちょんまげのおおむかしより盆踊

生きわかれ死にわかれてよ盆の月

あかるくてこの世あの世の大花火

とかいの夜おもいおもいに遠花火

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