現代語俳句への旅 8
「大花火」
~現代語俳句集~
おおぞらは太初のままか蝉しぐれ
とおくへとみみを澄ませば蝉の国
島人らはためいている夏シャツよ
やわらかに日焼を洗いながす手よ
大ぞらをひとっ飛びして夏期休暇
おくじょうに出てより天地大夕焼
うでくんでかんがえるひと立秋か
ひとり行く花野いつしか夢のなか
赤とんぼどれも夕陽ののこり火か
かお上げて銀河のはてへ一人一人
◇
大うちゅうにぽつんと家よ七夕竹
かぜわたるおとよ地球の秋のこえ
きらめいていわしの群れの大竜巻
なにもかもひかりに消えた原爆日
子をつれてとおい日の子ら墓参り
いまここが世のまんなかよ盆踊り
ちょんまげのおおむかしより盆踊
生きわかれ死にわかれてよ盆の月
あかるくてこの世あの世の大花火
とかいの夜おもいおもいに遠花火
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