[今日の購入本]年間千冊読む男は何を買っている?


こんにちは、本ソムリエのhaya.です。

8月に入り、新たにコンテンツを追加していきます。
今までは、買った本に対してこれは「どんな悩みに効くのか」という視点で、あくまでも内容を整理していました。

ですが、これからは少しずつリニューアルします。

追加コンテンツはこちら。
・「本ソムリエの購入本」

今回はまずひとつめ。
私が購入した本を紹介するコンテンツ。

私は年間多い時で3千冊近くの本を読んでいます。
全てを購入しているわけではないものの、相当な金額を本に当てているのも確か。

では、そんな私がいったい何を買っているのか。
実際に身銭を切って購入した本を紹介していこうと思います。

こちらのコンテンツが従来と異なるのは、「何が書いているのか」ではなく、「haya.がなぜこの本に惹かれたのか」というところ。
したがって、まだ読んでいない段階での話になりますので、内容についてはもしかしたら間違っているかもしれません。

ですが、ここで書き残したいのは、なぜこの本に魅力を感じたのかという、ネットで調べることのできない、「情報」にはないここだけの内容です
端的に数百文字で終わる時もあれば、長々と書く時もあるかもしれません。

ですので、
「ああ、haya.は本を買う時、こんなふうに考えているんだな」
と参考にしていただければと思います。

では、以下から[今日の購入本]企画スタートです。


1. 新海誠『小説 天気の子』

先日、映画「天気の子」を観てきました。
今同時にその記事も作成中ではあるのですが・・・・
「これほど」とは、と思わざるを得ない作品でした。

もともと、私は新海ファンです。

大学の教授がファンだったのをきっかけにして、自身でも研究するうちに全作を何度となく観まくりました。新海作品のテーマは見せう切り口は変わったとしても共通しているんです。

ですが、この「天気の子」は違った。
今までとはまるっきり変えてきたのです。
詳しくは後日公開しますが、私は新海監督が世界に対して右フックを食らわしたようなそんな衝撃でした。

この作品を、「君の名は。」の後に、今の時代に、この世に届けうようとしてそれがヒットする。
なんとすごいことが起きているのか。

これを果たしてどこまでの人が感じているのかは、正直わかりません。
しかし、それを私は”感じてしまった”のです。

それを本人の「あとがき」と、解説をしたRADWIMPSの野田洋次郎氏の言葉で確信に変わりました。


・・・

この作品をもう一度、しっかりとこの解釈を届けるために、文字でも読み、何を描こうとしたのか。
それをより明確にするために買ったのです。


まだ観られていない方はぜひ。
そしてぜひ、どう観たのか。それを忘れないでいてほしいと思います。


2.姜尚中『心』

私が尊敬する人物は誰か、と聞かれたら。
夏目漱石と答えるでしょう。

それは時代を先に生きながら、日本の、世界の終わりを描きながらも、誰にも真には伝わらず、理解されず、孤独に、生きてしまっていた時代の先駆者であるからです。

私も当初は、漱石というと「国民作家」「千円札」「明治の文豪」程度の認識でした。
知っている作品も『坊ちゃん』『吾輩は猫である』というように、日本で初めて言文一致体(話し言葉と同じように書いたこと)で小説を書いた人と思っていたのです。


それが、時間講師として高校生に漱石の『こゝろ』を教えるときに、認識はガラッと変わりました。
自分が高校生の頃もこの作品が好きだったのですが、それ以上の感銘を受ける出来事があったのです。
それが今回買った本の著者、閑散中氏との出会いでした。

授業で教えるためにNHKの「100分de名著」を観ていたのです。
するとそこで語られる内容は、私の知っている漱石の『こゝろ』ではありませんでした。

「こんなにも深く、深く読める作品だったのか・・・。」

愕然としました。
私が知っていた漱石とはなんだったのか。
漱石の凄さの何十分の一も知りませんでした。

それ以降にまた気がつくのですが、私の敬愛する別の作家もまた漱石のすごさを見出している方でした。


先日、たまたま別の方の漱石の「こゝろ」論を読んでいたため、久しぶりにまた原点に立ち返ろうという思いもあり、姜尚中氏の初の小説で、自分を内省しようと。

もし、まだ姜尚中氏の本を読んだことのない人は、こちらから読んでみるのをお勧めします。



3. 山本耀司『服を作る モードを超えて』


三冊目はモードの帝王と誉れ高い「ヨウジヤマモト」のデザイナー、山本耀司氏のインタビュー録です。
あまり文字で、特に本で語ることの少ない方が200ページあまりに渡って、服を通して時代性について語っているもの。

私自身、どことなくヨウジヤマモトにシンパシーのようなものを感じています。

現在に至るまで20年ほど和太鼓をやっているのですが、その衣装が「真黒」。
和太鼓の衣装はきらびやかで艶やかなものが多い中、全国的にも稀有な全身「黒」なのです。
ついたあだ名が「烏(カラス)」。

もちろん、この「黒」にも意味があるのですが、ここでは割愛。
詳しくはこちらにも書いているので↓

その名を持つパンツがヨウジにあるように、なんとなくではあるのですが、気になってしまうのですよね。
この方がどうやって服を作って、なぜこういう結果を生み出しているのか。
その思考が気になってしまったので、見つけた時には「これ、買う」と思っていた一冊です。



4. 酒井健『夜の哲学 バタイユから生の深淵』


今回の最後はこちらです。

私が大学院時代に講義の中で最も時代性とは何かを考えた論の一つの元が、このバタイユの哲学。
「夜」とは物理的なことだけでなく、比喩的な意味でもあります。

が、ここでそれを語れるほど、簡単ではありませんので・・・・。
また後日。


しかし、その本を読んだのももう2年前。
今一度、立ち返って自分の内面をもう一度探ろうというのが最近のテーゼですので、この本が引っかかったのだと思います。

しかも私の敬愛する方の一人、小林秀雄氏の話が出てきているため、より繋がりやすい。
これは自分のためにあるのではないかと錯覚してしまうほどです。笑

かなり分厚いですが、まあゆっくり読んでいこうと思います。


・・・

さて、異常が昨日2019/08/01に購入した本でした。
今後は少しずつ、こうしてリアルタイムな生の思考に近いものの提供していきます。

それによって、本をどう読むのか。
どう買うのか、選ぶのかの参考になれば。


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