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#403 ジョブズ氏の「側近に学ぶ上司説得術」を読んで(日経記事)

9月27日付日経新聞朝刊5面の「経営の視点」の記事、「ジョブズ氏没後10年、発明の内幕 側近に学ぶ上司説得術」を読んで思ったことをメモ。


1、どんな記事?

日経新聞のシリコンバレー支局奥平和行氏の記事で、Appleの代表的な製品やサービスに実はジョブズ氏は当初反対していたものがある、とする内容です。

アプリの配信をAppleが独占していることを不服とするエピックゲーム社がAppleを訴えている裁判の証拠開示手続きで明らかになったもので、今回争点となっている外部企業のアプリを配信するサービスで、

エピックが裁判所に持ち込んだアップルの社内メールにはジョブズ氏が渋っていた様子が色濃くにじみ出ていた。

そうです。

それだけではなく、なんと、

米ペンシルベニア大学のアダム・グラント教授は著書「Think Again」で今や同社の屋台骨を支えるまでに成長した「iPhone」にも当初は懐疑的だったと明かし、「アップルを復活させたのはジョブズ氏の考えを変えさせた社員だ」と言い切っている。

というのです!

では、「頑固で気難しい」ジョブズ氏をどうやって説得したか、について以下のように紹介されています。

米ガラス大手コーニングのCEOを務めるウェンデル・ウィークス氏は、iPhoneに使うガラスの製造方法でジョブズ氏と対立したが、この分野で圧倒的な知識を持つことを示して自案の採用にこぎ着けた。
また、まず結論を伝えるのではなく質問の形を取ることで、そのアイディアを自分で思いついたように仕向ける手段も有効という。変えて欲しいと思っている以外の点を褒めて心を解きほぐす手もある。グランド氏は米誌ハーバード・ビジネス・レビューへの寄稿でジョブズ氏の元側近が説得を試み、同氏が最終的に受け入れる様子を紹介した。

記事ではこうした「上司説得術」について以下のように紹介しています。

「上司説得術」の重要性は増している。求人情報サイトを運営する米ジッピアが20年に実施した調査によると、米国の転職者の60%超が「上司との関係」を理由として挙げ、仕事内容やワークライフバランスの確保などを上回った。頑固な上司の考え方を変えるすべがあれば本来は不要な転職を回避でき、企業は有能な人材を失う事態を避けられるかもしれない。

そして、記事は最後にこう結んでいます。

どんな天才でも一人でできることには限界があるはずだ。トップダウンとボトムアップがかみ合って衆知を結集したときにこそ大きな成果を結集したときにこそ大きな成果が生まれる。ジョブズ氏は裁判の公になった記録を通じ、こんな真理を伝えているようにみえる。


2、まとめ(所感)

いかがでしたでしょうか?

ジョブズ氏の独創性やこだわりが、独創的で細部までこだわり抜かれたApple製品やサービスを生み出した源泉だと思っていました。

でも実は、社員のアイディアに「反対」を示す上司でもあり、部下や取引先はあの手この手で説得を試みた、という内容でした。

ちょっと親近感湧いてしまいましたが、こだわりが強い上司ほど説得するのに骨が折れる相手もいませんから、大変だったことでしょう。

それでも諦めなかった部下がいて、今私たちが手にしている商品、サービスがあるかと思うと、その方たちに感謝しなければなりません(今この記事書いているのもiPadです…)。

果たして自分であれば、ジョブズ氏を相手に説得を試みようとしたか、と考えると疑問です。部下の方たちの、なんとかして説得しようとしたその熱意、エネルギーこそ、評価されるべきでしょうし、そうした熱量を持った部下たちを集めたジョブズ氏はやはりすごい人物だった、と言えるでしょう。

もしかしたら、「反対」することで「もっと磨き上げて」「もっとこだわって」というメッセージを出していたのかもしれませんし、それを理解しそれに応えようとする人たちが集まった企業がApple、なのかもしれません。

前向きな「反対」と前向きな「説得」で磨き上げた製品、サービス、といったところでしょうか。

うーん、理想だけど、難しい〜!
だからこそ競争優位を保てる、ということなのでしょう。


最後までお読みいただきありがとうございました。
新聞記事のご紹介でしたがどこか参考になるところがあれば嬉しいです。

「上司説得術」に関連しそうな投稿を昔していました。ご参考まで。


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