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「子機」

其71「最近、『もしもし?』って言いましたか?」

こんにちは。にゅう麺が食べたい私です。
お昼はだいたい麺類食べてます。知ったこっちゃないだろうけど。

ずいぶん前に友人から聞いた話ですが、新入社員の初期教育の際に、「電話のかけ方、応答のやり方から教えないといけない」のだそうですね。

生まれた時から携帯電話が当たり前にある社会に生まれた世代では、電話は個人の持ち物なのが当たり前であって、持ち主以外の人間が電話に出る、というのはあり得ない話。
私たちの世代が知っているはずの、電話をかけた時、電話に出た時の挨拶や言葉遣いがほとんど分からない、のだそうです。

電話の開発と発展に腐心した技術者や企業は、そんな事態が生じるとは思いもしなかったでしょうな。

「いくつかの事柄が便利になれば、新たないくつかの『不便』が生まれる」

ある電視演劇(TVドラマ)で見かけたセリフですが。
現代社会のひずみを、ちゃんと言い表せてるセリフだな、と思うのです。

広島にある母親の実家で、初めて「親子電話」の子機を見た時は、感動したものです。
電話の会話聴き放題やん!声がヘンな風に聞こえる!
こっそり、親のいない部屋でかけられる!とか。

電話に関しては、架電券(テレホンカード)の残数にハラハラしたりとか、好きな女性の家に電話を掛ける時は、電話詰所(電話ボックス)に出かけて、そこまでしたのに彼女の父親が電話に出て、気まずい思いをした、とか。邪険にされて取り次いでもらえなかった、とか。

たくさんの思い出があります。現代に生きる若者たちは、どんな思い出があるのでしょうか。

「いくつかの事柄が便利になれば、新たないくつかの『不便』が生まれる」

ってことなので、我々の世代から見たら、なにが不便なのか分からないようなことでも、若者なりの不便を感じているのかもしれません。

では、また。


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