学校のなかでぼんやりと考える

公立の小学校で教員をしています。 日々の学校のなかでのできごと、考えごとなど 学校に関…

学校のなかでぼんやりと考える

公立の小学校で教員をしています。 日々の学校のなかでのできごと、考えごとなど 学校に関わる話題をつらつらと綴っていきます。

最近の記事

240430 教室の中に薫る「信念」

教室に入るとその教室の担任の「信念」が薫る 4月も末は そんな時期なのだと思う 日直で勤務校の部屋を巡ったり 出張や授業参観で他所の部屋に入ると 程度の差はあれど 担任の「信念」が薫る 「私(担任)は…」とは述べないまでも 掲示物や提示物 その言動や 残っている物からも 「私はこう考えている」というものが伝わる 我が子の授業をのぞいたときのこと 間を置いて再び担任をしていただいた先生の教室は 初めての年に見た言葉やメッセージがあった それはその方の揺るぎない「信念」な

    • 240429 休日の発信はOFFにしませんか

      学校で働くことは楽しんでいるけれど 休日はそれを一旦置いて過ごしたい だから気になることがある それは「休日に来る学校からの発信」 メールアプリが導入され いつでも連絡が送られるようになったけれど 休日に緊急性のない発信はどうなのかなと 同じ仕事をする人間としては考えてしまう 我が子の学校から来る 学年便りとか行事の案内 同僚が送る 提出物の案内とか連絡 これって ヒドゥン・カリキュラム(隠れたカリキュラム) になるのではないだろうか 「休日ですが、遅れたお便りをお

      • 240427 授業のなかで読み聞かせ

        学級開きの時期は 空き時間を見つけては読み聞かせをしている 授業が動き出してくると その間にも読み聞かせは展開することは多い 今週はそんな読み聞かせ場面が多かった 社会の「世界の国々」の学習に関連して 長谷川義史『だじゃれ世界一周』 関連どころか 教室が涼しくもなったけれど 国語の「心情を音読で伝えよう」という物語単元で 川端誠『落語絵本 じゅげむ』 「声に出して読みたい日本語」や「にほんごであそぼ」でも フィーチャーされているので 教室でも声に出して盛り上がる 落

        • 240425 親切とお節介の間

          初任者の授業を参観に教室へ 道徳の授業で「親切とお節介」を題材にした授業 準備をして臨む初任者の姿も先生と共に歩む学級の姿も 新年度らしくハツラツとして微笑ましい 昨年の学級よりもまた イキイキとしている時期 ワークシートに先生の問いを受けて書く人たち 窓際でその様子を眺めていたら 一人の人に呼ばれた 「ねえ先生 お節介って『ありがた迷惑』ってことでしょう?」 ズバリ今回の要点を言葉にしたその人は 教科書を隣の友達に見せてもらいながら ワークシートに書くことはしない

        240430 教室の中に薫る「信念」

          240424 人が違えば見える景色も違う

          チームティーチングのT1とT2みたいに 授業者と支援や補助の人 担任と補助や指導者みたいな関係は 絶対的に見える景色は違うよなと 授業を進める人の担う役割は多く その役割を進めながら見えてくる景色で 狭まってくることは多い 対してそういった役割がいくらか少なければ 見えることや気づくことは結構多い 同じ場所 同じ時間でも 景色は違うんだ だからこそ 同じ場所や時間を過ごしたうえで 「何が見えたのか」を伝え合うことは大事で そのギャップが互いの見方・見え方を拡げることも

          240424 人が違えば見える景色も違う

          240423 ペアと学級の活動の間には…

          ペアと学級全体での活動の間にはどんなギャップがあるのか 教室で隣や近くの友達とペアになり交互に話し合う活動は ペアをつくり楽しそうに話したり聞いたりしているけれど 椅子を寄せて輪になり一人ずつが短く意見を伝え合う活動になると 「みんなの前で意見を言うのは苦手…」と輪に入るのさえ尻込みするなら その間にある障壁は何なのか? 人数が違う 相手が一人か大勢か だもんね ただ、それでは「なぜ大勢が苦手」なのかが見えない 大勢の何が苦手に感じるのか 反応の多様さ? 話し手が期待

          240423 ペアと学級の活動の間には…

          240422 カメラの向こうに何を見るか

          学級での活動を記録するのに写真がある 今ではスマートフォンやタブレットでも撮影できるから 記録ようにカメラを持ち歩くことも少ない それだけが理由じゃないけど 写真での記録が下手になったな 写した画像がぼんやり全体を撮っているばかりで 何が見せたいのか 何を伝えたいのか 自分の写真から さっぱり伝わらない それはタブレットで撮っても コンパクトデジカメで撮っても同じで (いやスマートフォンでさえそうだろうな) 全くもって 写真画像に面白みがない だから学校にデジタル一眼を

          240422 カメラの向こうに何を見るか

          240420 給特法に関する中教審の素案

          ニュースの「給特法」の話題が職場でも出ていた 給料の上乗せ額が4%→10%になることで 手取りの額は増える だけど仕事が変わらないなら ブラックだと言われる環境は何一つ変わらない そう考えるようになった 貰える給料が上がっただけで この環境でこれからも続けていけると思わないで欲しい 支給額が上がっただけで業務は据え置き それで若者がこの仕事を志すだろうか 現場で上乗せが増えることだけを喜んでる場合じゃない 業務を変えなきゃなんだろうな もちろん国スケールでの業務の変

          240420 給特法に関する中教審の素案

          240419 ジャンケンで決めるのは…給食くらいでいい

          そんなことを言ったのは 教室で係の分担を決めるとき クラスでの係活動 ボクたちは「一人ひと役」にした □1 趣旨を理解し □2 人数+αの学級での役割を黒板に書き出す □3 自分ができそうなものに名前(ネームプレート)を置く □4 重複した場合は 相談して決める 「え?ジャンケン(で決めないの)は!?」 と聞かれたところでタイトルに戻る 「ジャンケンで決めるのは給食のお替わりくらいでよくない?」 ジャンケンは運だとするならば 運で仕事決めていいのかな? 決まった後に

          240419 ジャンケンで決めるのは…給食くらいでいい

          240418 学級目標を決めるなかで見えたこと

          なかなか時間がとれないなかで 今日 学級目標が決まった 小さなグループで「なりたい姿」を言葉にしたものから 今日はキーワードを取り出した いくつかみんなの願いが取り出されたところで提案 「つなげた言葉にする とか 何かに例える」 キーワードが出ているのでどちらともなく 教室では近くの人とワイワイと話し始める しばらくしてから輪になって 出てきた意見を黒板に書き出してみた つなげた原案が多くあるなか ユニークな人が2人 願いを面白い例えにした みんなは納得しながらも 

          240418 学級目標を決めるなかで見えたこと

          240417 図書室利用のはじまりに

          年度始めに早く本を借りたい人もいるし 本を読む機会がぐっと減ったような人もいる 肌感覚としてだけど 本との距離が遠くなったと感じる 図書室の環境が整い 本が借りられる準備ができた そんな図書室利用のはじまりに 一冊の本を読んでみた 横山寿美代 監修「みんなまってるよ」 いこうよがっこうとしょかん シリーズらしいけど 青山ゆういちの絵が素敵なことに気づく 文字数は少なく あっという間に読めるけど 図書室利用のエッセンスがたっぷり入っていて イラストの端々まで遊び心がある

          240417 図書室利用のはじまりに

          240415 授業準備の躓きを振り返る

          改訂でガラリと教科書が替わった今年 それとは別に 久々に担当する教科も多いボク 授業開きがなかなかうまくいかず手こずっている 例えば外国語 外国語活動のころとは大違い デジタル教科書もあるし ALTもコンスタントに入ってくれる そして学習内容がぐんと拡大していた 忙しさの中で 疎かになっていた授業準備が 初回の授業で露呈した デジタル教科書の音声やモデルが秀逸で ALTの活躍場面と区別できず 不慣れなばかりに日本語ばかりを使う授業 終わった後に次回の授業の相談に A

          240415 授業準備の躓きを振り返る

          240414 教室で読んだ絵本

          教室で絵本の読み聞かせをするのが好きで 学級開きには絵本の読み聞かせは必須だった 今週 教室で読んだ本を残しておく 長谷川義史『いいからいいから』 穏やかなおじいちゃんとボクの家に 珍しいお客様の来る話 おじいちゃんの口癖と懐の広さを 絵本を通してみんなと感じたい シゲタサヤカ『いくらなんでもいくらくん』 奔放なストーリーと展開で みんなとぶっ飛んだ世界を笑って味わう ストーリーとは相反する ひたすら描かれるいくらの粒々 今週は2冊しか読めなかった 絵本を読むゆと

          240413 教師のしたいこと と 子どもへの眼差し

          昨日の話題の背景で考えていたこと 「コミュニティボールをみんなで作りたい」 「かつてのセミナーのような『場』を学級でつくりたい」 そう思って取り組んだ 昨日の出来事 こうして俯瞰するように見ると美談に見える 別の視点から 輪になって つくるための場を開き 毛糸を巻きながらテーマについて話し始めてすぐに 久々に登校した 不安が強かった人が ボクの隣で膝を突く 「私 みんなの前で話すのが苦手です」と 小さな声で話してくれ その後も何度か膝を突いて訴えてくれていた 「話さ

          240413 教師のしたいこと と 子どもへの眼差し

          240412 コミュニティボールをつくった

          始業式から数日 全員が揃ったら用意したかった トーキング・スティック。 話す人が持っていることができるもの 話し手から話し手へ預けられるもの いろいろなものがあるけれど どうしても毛糸のコミュニティボールが作りたくて… 子ども哲学などで使われるんですよね そうした実践を取り入れていた方が講師のセミナーを 何年か前に受講して それ以後はこれを使っている その「場」の空気感が良かったのを鮮明に覚えている 都心に近い街のセミナーに 地方から出て行った 知らない人ばかりの会場

          240412 コミュニティボールをつくった

          240411 学級便りは何のために書く?

          学級便り(学級通信)を書くの 嫌いじゃなくて でも忙しくて書く暇がなくって… 学校ではそういった便りの 電子化、メール配信化が進み また回数も削減しようという動きもある 仕事や負担が減ると言う人もいれば 書きたくて書いていたのに規制するなと言う人もいる それはきっと学級便りの意義が違うからなのかな 「学級便り 何のために書きますか?」 担任として 学級の様子を伝えたい 教室のみんなの心の機微やエピソードを伝えたい そんなことを思いながら書いているのだろう 出来事だけ

          240411 学級便りは何のために書く?