第十一話「顧問を激怒させたこと(中学校の思い出)」長編小説「15th-逆さまの悪魔-」
琴音は中学時代、吹奏楽部に入っていた。担当楽器はトランペットだった。同じパートで同学年の生徒はただ一人、豊子という女子だった。豊子は部活顧問の一番のお気に入りで、いつも特別扱いされていた。部活の顧問以外にも、あらゆる先生や先輩に常に可愛がられてお気に入りにされる、そんな生徒だった。琴音は顧問からも先輩からも豊子との扱いに当たり前のように差をつけられていた。後輩たちも全面的に豊子の味方で、琴音のことを馬鹿にしており、彼らには嫌がらせを繰り返された。豊子本人からは苛烈ないじめを