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昼想夜夢

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数増えて分からなくなってきたのでまとめです こちらは恋愛物です
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青空と蜃気楼

青空と蜃気楼

彼は飛ぶ
ポケットにたんまり詰め込んだ星屑を
豪快に溢していることも気にもせず

理解されるではなく
従わさせることなど論外で
居場所さえ作ることもない

彼はひたすら前に据え
時折楽しそうに周りを見渡し
いつもの如く月の速度で私を置いていく

ただ見上げるだけ
ただ見つめるだけ
一時停止は長く
信号はなかなか変わらない

飛ぶか留まるかなど
たった爪先でどうにかなることに
どうにか私は気づかない

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『Pillow talk diary』一緒に行こうなんて言えない

『Pillow talk diary』一緒に行こうなんて言えない

いいのよそれは
そのままで

余韻とか残り香って案外大事なの
思索に耽る?叙情に浸る?
よくわかんないけどそのために使うの

あなたのアホ面とか
私のバカさ加減とか
頭に巡らせることなんて沢山あるわ

ほんの少しでも緩く甘えた世界に
浸れればそれでいいの
またそこから頑張れる

ほら、早く行ってしまって
大きな子どもなんて用済みなのよ
今日も汗水垂らしてきなさいな

私は午後いくわ
別にどうにでも

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逃げられない

逃げられない

甘えの延長線で色んな我儘言いました

自分だけが辛いように振る舞って

当たり散らかしては彷徨いました

こんな私だからいっそこのまま

翠色の生温い深瀬に沈んでもいい

こんな私だからいっそのこと

砂雨の舞う浜辺を孤独に歩いていけばいい

そうやって堂々巡りを繰り返すといつも

あなたは笑って待っていて

ふわりと降りるその腕の中

ふわりと包むその上着の中

いつもいつもあなたはそうやって

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真夜中の3行ラブレター

真夜中の3行ラブレター

今朝の一件を謝るのは大変不満ですが

このままいるのは耐えられそうにないので

明日一緒にご飯行きませんか。ごめんね。

正直この時が1番グッとくる

正直この時が1番グッとくる

全ての物は存在するだけでエネルギーを消費しているわけで。-273という数字より大きい物たちは皆振動という運動を行なっているわけだよね。仮に一時的に止まれたとしても本質は動いているから残念ながら君の要望には答えられていないわけだ。ならばいっそのこと不可抗力を冠した神の味噌汁という素敵な言い間違いに期待して産まれた時からの親友である重力君に全てを委ねても良いんじゃないかと思うんだよね。

‥‥結局何が

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強いていうのなら

強いていうのなら

あなたの1番は私の1番ではないし
私が1番でないのも納得いかないけれど
あなたの全てが私の1番ならば
私はあなたのその気持ちも
1番に愛してあげるわ

『Pillow talk diary』泣きたくなる午前2時

『Pillow talk diary』泣きたくなる午前2時

別に誰でもよかったと言えばそうなんだよ
でもお姉さんじゃなければこんな感じにはなってないってのが本音かな

好きとか好みとか
愛情とかこの先とか
途方もなく抱えきれない問題は置いといて
あの時の俺は人としてもヒトとしても
あなたを求めていたって感じ

リアルじゃそんなに上手くもいかなくてさ
悪いわけじゃないけど、届かないってとこ
そんなモヤモヤを夜に持ち込んでるのかな

それでもお姉さんみたいな人

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夜明け前の雨は本当に

夜明け前の雨は本当に

窓際からくる冷たい気配と

隣に眠る温かいあなた

理由もなく起きた私を包む音と世界

週末の夢は私と共に目覚めたけれど

月はいつも丸いねと

雨はとても優しいと

夢が醒めると寂しいと

一欠片を私の胸に詰め込んで

名残惜しそうな雨粒と共に

私はそっとシーツから身を躱す

涙に聞いてください

涙に聞いてください

あなたのための涙ではないですよ
あなたに何かを思って伝った涙でもない
ただ少し感傷的になっただけ
ただ少し自嘲的になっただけ
明日にはこんな気持ち忘れます
綺麗さっぱり流れます
明日を楽しく生きるために
私を楽しく生きるために

あなたのために流す涙はありません
あなたを思って溢れる気持ちは
行き場がありません
あなたのいない世界で生きていく自信も
ありません

だから私は理由もなしに泣くのです

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ただ生きていくだけ

ただ生きていくだけ

私は生きていく

何も持たぬようでしっかりと握りしめて

辛い過去や思い出したくもないあれも

何もなくならないから何も無いから

それでもゆっくり前に出す

くだらない夢もないけれど

つまらない日々が続くけれど

時には後ろを振り返りながら

朝焼けに歌ったり夜に喚いたり

そうやって私だけ生きていく

ただ微笑み返すだけ

ただ微笑み返すだけ

欄干から下を覗き込むとね、
視界に映る何もかもが私を手招きするの
もういいじゃないかって。
そしたら私もね、まぁいいかなって
ふわっと飛んでしまいそうになるの
色んな勇気もないくせにね。

いつも私は不安定で危うくて、
裸足のままガラスの道を歩いているの。
何回も剥がれた瘡蓋は未だに痒いの。
首筋にはいつも何かが絡んで
何もないはずの胸には何かがあるの。

それでも君は見ていてね。
何も言わずに頷

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『Pillow talk diary』それは全てphilosophy

『Pillow talk diary』それは全てphilosophy

結局のところ全ての物質は原子同士のぶつかり合いで事を成しているのよね

水の成り立ちだってそう
静電気だってそう
等速直線運動だってそう
馬鹿みたいな恋愛だってそう

感情や愛情でさえ原子の動きで成り立っているはずなのだから、そこには全くの意思などないはずなのよ

それなのに夢や希望や愛なんて望んでいて
形のないものを表すなんてそんなのリアルに反すると思うの

結局、
この胸の震えはシバリングなは

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ただただひたすらに疲れ果てて失恋を語りたかったそれだけで

その時間を仕事とカウントされるならば、とうの昔に時計の針は2周目を過ぎていて、思いつくことといえば何故だか言えなかったあの言葉や後悔の幕間であることに深くため息がでる。

誰にだってあることかもしれないけれど、
誰にも理解してほしくない思いや憂いはやっぱり私を抱きしめている。

知りたくなかった事、叶わなかった事
言えずに閉じたお上品なこの口は、大切だからと何も壊せなかったこの左手は、私自身を裏切

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『Pillow talk diary』クラシックな夜

『Pillow talk diary』クラシックな夜

あなたには伝わらないかもしれないけど
私の人生は音楽なの

雨の走る音
木々の擦れ合う音
あなたの心の音

全てが楽譜を持って私に奏でるの
人が奏でなくても世界は音楽で溢れてる

私はそれに返さなきゃいけない
得たものを反響さけなきゃね

こんな何の変哲もない少し乱れた夜でも
あなたの音は忘れないわ

あなたの荒く冷たい心の音も
私の少しの嬌声も ほんの少しよ?

いつか私以外の心の音が芽生えても

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