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部活動指導員の闇

中学高校で教員の業務負担軽減策として、働き方改革の一環として、部活動指導員を雇用して、外部人材の活用が進められている。部活動は教員に時間外労働を強いるものでありながら、手当支給がなかったり、超過勤務が常態化する一因と言われる。
一方で厭わず、部活動顧問を引き受けて熱心に放課後や休日も指導する教員もいる。教員志望者の志望理由の一つが、部活動顧問であることもある。部活動指導に熱心であるがゆえに校務や授業に支障が出たり、しわ寄せがあるかもしれない。

部活動指導員を教員が兼務できるようにする

外部人材の活用とは異なる。教員が部活動のために時間外勤務をしているにもかかかわらず、振休や手当てがないという現状を変えるための方法だ。
放課後は教員として働くのではなく、部活動指導員として働き、別の給与を受け取る。部活動指導の負担が大きくて、できない教員は部活動指導をしなくてよい。可能な先生が別給与で引き受ければいいという考えだ。

インセンティブがはたらく

部活動指導員を兼務すれば、実質的に残業代が支給される。公立学校の教員には残業という考え方がない。退勤時刻が遅くなっても、長時間労働をしても給与は増えない。責任感で自主的に働いているだけだとみなされている。命じられて残業をしているのではない。教職調整手当で他の公務員より4%多く給与を受け取っているから、部活動指導も残業にはならないというブラックな解釈がまかり通っている。
部活動指導員を教員が兼務できるとなれば、状況は一変する。制度は悪用できる。

実体のない部活動の顧問になれば、指導しなくても残業代を手に入れられる。部活動の実体と給与は連動していない。部活動の指導員の給与体系は、固定一律だ。部員数や指導内容は加味されない。あったとしても、指導経歴や取得資格の違いだけで、指導時間に対して均一な報酬が支払われる。

教員の仕事は、補習授業や講習、自習室の監督など、放課後は部活動だけではない。これらも部活動と同様に時間外労働だが、給与加算や手当支給はない。部活動指導員を兼務すれば報酬が手に入るなら、放課後の補習も英語部や学習部、勉強部、科学部といったネーミングをして部活動にすればいい。そして部活動指導員を兼務すればいい。
生徒が何人部活動にその日、参加していたかという実体を顧問しか把握しないなら、書類に活動日としておけば、生徒が活動していない日でも、部活動指導員としての給与を受け取れる。放課後1人でも指導すれば、何らかの部活動にすればいい。忙しいときは、別の業務で残業しても、部活動指導ということにすれば、給与がもらえる。

制度はきっと悪用される。
長年の残業代なしの超過勤務が解消される!


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