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スクールカウンセラーの時に、不登校支援で意識していることを一覧で整理してみました。


スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの立場で、不登校の相談を受けています。小学生から高校生です。

最近になって、不登校の相談件数がだいぶ増えていると感じます。
夏休み明けに学校に来られない状況が続き、これからどうすればいいのか、どう本人と接すればいいのかという相談が多い印象です。

保護者の方(母親と、ご両親と)、保護者の方とご本人、ご本人となど色々なパターンでの面談があります。

そんな中で私が、面談中に意識していることを振り返って、整理してみたいと思います。(あくまでも、今の時点での私の視点からの仮の整理ですので、これを一般化するものではありません。)

〇一番大事なのは、解釈をせずにただただ話を聴くこと。
・関心を持ってより具体的に聞いたり、その背景を聴いたりしています。ある程度聴き終わった後に、その場で自分が感じたことや提案してみたくなったことをその場に置くように話したいと思っています。

~話が進んでいく中で、必要に応じて、下記の質問をしたり、下記のポイントを踏まえた話し合いをしていると思います~

〇安心して過ごせている生活はどんな生活かをイメージしてもらう。
・1っか月後や3ヶ月後、3月、卒業後など、どうなっていると安心して生活できているかをイメージしてもらう質問もしています。ㅤ

〇本人の1日の過ごし方を聴いたりもします。
・どれだけ自分を責めていたり、不安を感じているか、一人でリラックスして過ごせる時間や、何かに夢中になれる時間はあるか確認しています。

〇家族の関係性や声のかけ方も確認します。
・本人にプレッシャーを与える言動や、逆に本人に安心を与えている言動があるかを確認したりしています。

〇本人への声のかけ方について話し合ったりもします。
・これが一番多い相談だと思っています。本人にプレッシャーを与えない言い方の工夫を提案しています。
 気持ちや提案をその場に浮かせるように話せるといいなと思っており、繊細な言葉の言い回しが大事だと思っています。
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〇ポリヴェーガル理論を参考に本人の状態を確認します。
・お手製の表(写真の図)などを見ながら、不安やイライラが強い状態か、あらゆることをシャットダウンして無気力な状態か、それらを行ったり来たりしている状態かなど。エネルギーが0の状態か、少し回復した状態かなどを確認したりもします。
・本人がいる場合は、一緒に自分がどんな状態か客観的に分析してもらうようにしています。

※画像は自分なりに、「ポリヴェーガル理論入門」ステファン・W・ポージェス 春秋社 を表にしてみたものです。



〇本人が家で安心して生活できるような環境づくりについて話し合います。
・ひとりでリラックスできたり、何か好きなことをして過ごせる時間が増えるにはどうすればいいか一緒に考えたりしています。
・いったん、生徒の役割や子供の役割を降りて、自分を大切にする時間に意識を向けて欲しいと思っています。

〇保護者の方が安心して生活するためにどうすればいいかの話し合いもします。
・保護者の方の不安を軽減するにはどうすればいいか、具体的に話し合ったりします。


〇ポリヴェーガル理論を参考に、一緒に体が安全を感じる交流で何ができるかの話し合い。
・家族や友達と一緒に安心して過ごせることで、できそうなことはないか話し合ったりもします。

〇身体症状や精神症状の確認、医療機関にかかっているかの確認
・医療機関にまだかかっていない時は、メリットとデメリットを伝えたりします。

〇睡眠の状況の確認
・睡眠時間、不眠、過眠、寝逃げ、昼夜逆転などの確認

〇運動習慣の確認
・運動習慣がない時は、可能な時間帯や日数での散歩やジョギング、筋トレ、youtubeを見てのストレッチやヨガ(ケガに注意)なども提案しています。

〇発達特性の状況の確認(発達障害、グレーゾーン)

〇持病、病歴の確認

○過去のトラウマの有無の確認(愛着の課題、虐待、小児期の逆境体験等)

〇ゲーム依存がないかの確認

〇食生活、栄養面

〇学校との連携の仕方の話し合い
・学校への共有の仕方、学校のサポートの仕方、学校からの声のかけ方の希望を確認。

○居場所支援の紹介、親の会の紹介、書籍、動画の紹介

〇進路の選択(高校生の場合)
・場合によっては、通信制や高卒認定を選択したり、今後の選択肢にはどういったことがあるかの話し合いをしています。


などでしょうか。上記のポイントを踏まえた話し合いを、必要に応じてできるといいなと思っております。

複数の関係者が参加する場合は、「オープンダイアローグ」も参考にしながら、それぞれの方の声が尊重され、評価や否定がされないような形で対話ができるようにしています。

あと、自家製のポリヴェーガル理論と斎藤環さんが言っていたことを混合したような資料をお渡ししています。


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