先日、持病の複雑性PTSDの治療のステップアップの相談をしてきました。
※複雑性PTSD は、虐待などの長期的反復的なつらい出来事によって生じる、心的外傷後ストレス障害です。

約２年前に今の病院を受診しましたが、当時は症状が今よりもつらく、日常生活自体がかなりつらいという状況でした。

フラッシュバックや、怒りのスイッチのコントロールなどを行い、かなり状況が落ち着いてきたので、治療のステップアップの話になりました。

カウンセラーさんと夫と私と、３人で話をし、現状の共有、今後起こりうること、それに対してどう対処して治療環境を整えていくか、などを話しました。

そして９月から、ナラティブエクスポージャーセラピー、というものを始めることにしました。

トラウマやその治療というのはあまり広く知られていないと思うので、ぜひ多くの方に知っていただきたいなと思って、治療についても書きたいと思います。
よければ読んでみてください。

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ナラティブ(語る)・エクスポージャー(暴露) セラピーとは

文字通り、自分の人生史について【語り】ながら進める治療法です。
※ここでいう暴露とは、カミングアウトという意味合いではなく、浴びるという意味の暴露です。

語ることで過去を思いだし、過去の情報や記憶を浴び、さらにはそれをカウンセラーさんが読むことで、耳からトラウマ情報を浴びる。(暴露の機会が治療中に２度ある)

過去に触れるため、一時的につらくなることが予想される治療方法です。

トラウマの記憶の箱→普段の記憶をしまっている箱

に語りを通して記憶を移しかえることで、形のないトラウマ記憶に形を与え、消化していくという方法だそうです。

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トラウマ記憶と日常の記憶は、仕舞われているところが違います。

日常記憶は、どんどん新しい情報が入っては不要な情報は捨てられ、入れ替わります。

トラウマ記憶はそうではなく、入れ替わって忘れていくことはありません。また、ふとした拍子にきっかけとなる出来事や物事、音などの『トリガー』に触れると、もくもくと煙のように表出します。
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私は当初、EMDR (眼球運動による脱感作と再処理法） という治療方法を検討していました。

しかし担当の先生、カウンセラーさんと相談の上、私に合った方法として今回のナラティブエクスポージャーセラピーを選択しました。

EMDR だと私の場合は、どこに記憶が飛んでどこのトラウマに触れるかわからない(＝今のわたしにとってのリスクが大きい)という結論です。
※あくまでも私の場合です。

カウンセラーさんは、わたしが言葉で整理したり、伝えたり、納得したりできる点について非常に評価をしてくれていて、特性的にもこのナラティブエクスポージャーセラピーが合っているように私自身も感じています。

まずは８月にお盆を乗り越え(お盆は周囲の帰省や記念日発作で調子が不安なので)、９月に『花と石』という治療から始めます。

花と石とは、自分にとって良かった時期や出来事(＝花)と、自分にとって辛かった時期や出来事(＝石)を人生史の中でざっくりと明らかにしていくものです。

この『石』の数で大まかな治療回数が決まります。

私自身、ステップアップについては前向きなのですが、正直なところものすごく怖いです。漠然とした不安はあまりないのですが、単純に、ずっと蓋をしていた辛いことを『開ける』ので、【怖い】です。

ステップアップしない、という選択肢も私にはありました。
今のまま、なんとなくコントロールして、たまに調子悪くなって、それでも今までの辛さに比べたら、全然ましなので。
(今までが辛すぎたので)

でも、やっぱりいろいろ考えると、一時的に悪くなっても前に進みたいというか、進まなきゃなっていう気持ちがあります。

私がトリガーを避けようとすることで、こどもたちのやりたいことに多少なりとも制限がかかることも、母親としては言葉にならない心苦しさがあります。

あとは単純に、フラッシュバックも辛い。
消化できていないトラウマの影響が、日常生活において小さくはない。
恐らく子どもが大きくなっていったときに、自分と重ねて今とは違うトリガーが増える可能性もある。

子どもたちに影響の少ない時期も相談して、いろんなことを考えて、やろうかなと思っています。

多分、トラウマ治療について当事者で発信してる人は多くないと思っていて

私自身、より多くの人に家庭内でトラウマを負うということについて知ってほしいなと思っているので

私がしたいと思う範囲、できる範囲でこれからも発信したいなと思っています。

読んでくださりありがとうございました。