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現役教師へのインタビュー

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現役の先生へのインタビュー記事を載せていきます。ここで取材するのは、学校教育に問題意識を持ち、自ら行動している先生やこれから新たな行動を起こそうとしている先生です。
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記事一覧

#11 インタビュー後記

#11 インタビュー後記

2021年春に先生になった夏帆さんにお話を聞きました。

同じように新卒で教員になった過去の私とは全く違う世界の捉え方をしていて、なんて優秀な方なんだろうと驚きました。

「学校教育を変えるためには、現場を知る必要があると思った」と言う夏帆さんは、現場に入ってみて感じた違和感を素直に語ってくれました。

先生は世間知らずと言われたり、時には社会人経験を積まずに新卒で先生になることをネガティブに語ら

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インタビュー#11 パズルのピースのように補い合い、一つのクラスとしてできることを増やしていく

インタビュー#11 パズルのピースのように補い合い、一つのクラスとしてできることを増やしていく

今回インタビューさせてもらったのは、教育系NPO団体のプログラムを活用し、今年度から新卒で公立中学校に勤務する夏帆さん(仮名)です。

大学時代にさまざまな国籍の学生と関わる中で学んだことや、現在の教員生活で感じること、2年間の教員生活を終えた後のビジョンについてお聞きしました。

世界中の学生と議論する場で、自分が日本人であることが嫌になったーー 大学時代の経験で、印象的だったことはありますか?

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#10 インタビュー後記

#10 インタビュー後記

2018年冬にスタートした企画「現役教師へのインタビュー」。

インタビューさせてもらった先生は、今回で10人目となりました。どの先生も子どもへの愛で溢れていて、その愛をそれぞれの方法でカタチにされていると感じました。

一方で、お話を伺ってきたのは既にキャリアを積んできた30代の方が多かったのも事実です。世代の違う方のお話も伺ってみたいなと思ったのが、今回新卒1年目の先生へお話を伺うきっかけでし

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インタビュー#10 「学校に来ない選択をする子」との関わりで、教育に対する考え方が変わった

インタビュー#10 「学校に来ない選択をする子」との関わりで、教育に対する考え方が変わった

今回インタビューさせてもらったのは、2021年春から新卒で公立小学校の教員となり、現在は2年生の学級担任をされている愛弓さん(仮名)です。

フリースクールでの経験から変化した「子どもとの関わり」や、新卒だからこそ見えてくる「学校教育に対する思い」を伺いました。

小学校時代に出会った先生の影響で教師を志すーー 教員になろうと思ったきっかけを教えてください。

小学校で出会った担任の先生の存在が大

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#9 インタビュー後記

#9 インタビュー後記

私が有馬先生の存在を知ったのは、今から3年前の2018年。ちょうど冬でした。

共通の友人がSNSに投稿した文章に、有馬先生の言葉が綴られていました。

僕は、日々の濃密な関わりのなかで子どもの成長を支えることのできる教員、学校という仕事、場を愛しています。それはこの上なくすばらしい役目だということに疑いを持ったことはありません。(盲目的になることや独りよがりに陥ることへの怖れは持っています。)

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インタビュー#9 「学校はもっと素晴らしい場所になる」という思いは、ずっと持っています。

インタビュー#9 「学校はもっと素晴らしい場所になる」という思いは、ずっと持っています。

今回インタビューさせていただいたのは、都内の私立小学校に勤めている有馬佑介先生。2018年冬、私はSNSで有馬先生の文章を目にしました。

多様性が否定される職場に、多様性を受け入れる子どもが育てられるでしょうか

これは長い文章の一文ですが、この一文からも、全体からも、有馬先生がいかに誠実に学校という場所や教師という職業と向き合っているかが伝わってきました。そんなきっかけがあり、このインタビュー

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#8 インタビュー後記

#8 インタビュー後記

これまでインタビューをさせてもらったのは、学校の先生ばかりでしたが、今回はその枠を外してみました。

学ぶ場所が学校なのか、そうではないのかは、もうそんなに重要ではないような気がして。

かずまさんは、学校ではない場所、しかもオンラインで新しい学び方を実践する方。私とかずまさんは実際にお会いしたことがなく、インタビューもオンラインでさせてもらったという点も、時代の変化を感じます。オンラインで顔を見

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インタビュー#8 「日本の子ども達はロボットみたいね」その一言が、とても衝撃的でした

インタビュー#8 「日本の子ども達はロボットみたいね」その一言が、とても衝撃的でした

今回は、JICA日系社会ボランティア(現 日系社会青年海外協力隊)としてブラジルで日本語を教えた経験を持ち、現在はオンライン教室「アリストテレスの窓」を開講する石森 和麿さんにお話を伺いました。

(私が現役の先生にインタビューをする理由は、こちらの記事に書いています。)

* プロフィール *
石森 和麿(いしもり かずま)さん
高校まで勉強が大嫌いだった経験から、なんとかおもしろくならないもの

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#7 インタビュー後記

#7 インタビュー後記

教員ではない立場の人と話をした時、「学校の先生って、学校に適応してきた人だよね。(だから、学校が嫌いな人の気持ちはわからないよね)」という意見を耳にすることがあります。

確かに、学校が嫌で嫌でしょうがなくて、もう二度と学校という場と関わりを持ちたくない、という人は、教員にはならないと思います。

私自身はどうだったかなと思い起こすと、たしかに中高時代は学校が楽しくて充実していたような気がします。

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インタビュー#7 「違う世界もあるんだよ」と言えるような、色んな引き出しを持った人でありたい。

インタビュー#7 「違う世界もあるんだよ」と言えるような、色んな引き出しを持った人でありたい。

今回は、九州の私立中高一貫校で理科の教員として6年間勤務し、その後、昨年12月から青年海外協力隊としてモンゴルの理科教育の分野で活動する香奈さん(仮名)にお話を伺いました。

(私が現役の先生にインタビューをする理由は、こちらの記事に書いています。)

現在はコロナの影響により、一時帰国中。なぜ海外に行こうとしたのか、現地で見て来たことやこれからのことをお聞きしました。

ー いつ頃から教師を目指

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#6 インタビュー後記

#6 インタビュー後記

「Beyond」って「越える」と言う意味なんですけど、教育と社会を越えるのもそうだし、自分自身を越えるっていうのもそうだと思っています。常に越え続けると、ある日突然大きなジャンプができるようになる。それは小さな小さな一歩の積み重ねなんです。

新しいことを学び始めたとき、それまで全く知らなかった世界が目の前に広がったようで、「楽しさ」や「面白さ」と感じることがあります。でも、学び始めた状態から、学

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インタビュー#6 常に越え続けると、ある日突然大きなジャンプができるようになる。

インタビュー#6 常に越え続けると、ある日突然大きなジャンプができるようになる。

今回は、東京都の公立小学校に勤める二川佳祐(ふたかわ けいすけ)さんからお話を伺いました。

(私が現役の先生にインタビューをする理由は、こちらの記事に書いています。)

現在、教員として小学校で担任を務めながら、ご自身で『BeYondLabo(ビヨンド・ラボ)』というコミュニティを運営する二川さん。学校の内外を問わず新しい挑戦をし続け、子ども達だけではなく、周囲の先生達にも影響を与える存在感のあ

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インタビュー#5 私が普段やってることは、その子にとっては出来なかったり、大きな課題になってる。

インタビュー#5 私が普段やってることは、その子にとっては出来なかったり、大きな課題になってる。

今回は、京都の通信制高校で、宗教科と国語科の教員として勤める冨増いずみさんからお話を伺いました。

(私が現役の先生にインタビューをする理由は、こちらの記事に書いています。)

一度は教員を志したものの、一般企業に就職し、その後結婚。 出産や子育てを考えた時に、職場が働きやすい環境であることを求めるのは自然なことだと思い ます。そして、いずみさんが本当にやりたかったこととして選択したのが、

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#5 インタビュー後記

#5 インタビュー後記

なぜか、何度読んでも涙が出てくる箇所があって。

最近、すごく就職しやすい時期が続いていて、頑張って合格して働き始めた子が、3週間で辞めてしまうと言う出来事がありました。 企業に合格させるんじゃなくて、いきなり働かなくてももっと訓練したり第3の選択肢を提案できてたら、と思います。 その子、3週間働きなががら毎日泣いてたって言ってて。 色んな提案が出来ていたら、そういう思いをさせないで済ん

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