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侵入

直感で来たものを、直感のまま出力して問題ない時と、速度は多少落ちても確度のためにも一応精査したほうがいい時があるようには思う。

勘でダイレクトに処理する場合、やはりそのほうがスピードとしては速い。ちょうど先日、会議中にクイズが出題される一幕があった。その際、出席者の中で最初にピンときて、「まって😆」「はえ~し😶」と。
ただこういうのはたまたま予備知識があったりなど判断にベースが存在し、スムーズに解を導き出すのに一定の確証を持てる要素があるからでもある。

また、最近、夜道を自転車を牽いて歩いていたら、道行く先になんというか『ん…?』と感じる人物がいた。すれ違う前から何か見られているような?微妙に険しい顔を作り、通り過ぎた時。そいつはこちらを振り返ってきた!
あ、これは要警戒…
咄嗟に家がある方へ曲がらず、ひらりと自転車に飛び乗り一目散にその場を後にした。で、しばし人通りの多いところで様子をみてそっとあたりを伺いつつ、無事に帰宅したという。

このケースにおいては当人物が不審者だったかどうかの事実はどうであれ、生物的判断としては間違っていないと思う。例え近所の治安がよかろうが、居合わせた人間が自分にとって害がないなんて保証は一切ない。そして今回もし当人物が振り返ってこなかったとしても、類似行動で処理しただろう。

議員の方々も、出た会合の雰囲気にあらぬ方向性を感じた時点で「私は本日はこのへんで…」「アタタタ、ちょっと腹の具合が」とか何とか言ってでもさっさと場を辞すればいいんじゃないのか?
ちなみに私は仕事である会に出席した時、列に並ぶシーンで「さあ前へ」とか言う野郎に背中を押されるついでに手をしばらく置かれたことがあった。その日初めて会釈程度したような人間に、必要もないのに背中に5〜10秒ほど掌を当てられてる状態を想像してほしい。気持ち悪くないか?私は不快だったので、そのスシ詰めから逃れた後、有り体に上司に報告しておいた。今後、その人物と出くわして握手を求められても、お辞儀で返すつもりだ。

とはいえ、やはり勘と勘違いは選別するのに一手間かけるのもあって然り。
私にとっては、これまで数は少ないものの金縛りに遭った際に、こわいけどわざわざ目を開けて確認するのはおそらくそのためなのではないかと思う。そこにオバケがいるのか!いないのか!目に入らないのであればとりあえず勘違いだったとして納得し、安心するではないか。(え、いたらどうするのかって?それはその時考えるまで。←)
これからする話は、そんな自分が、本能的にその確認行動をしないでおいたうちの一回についてだ。理由は言うまでもない。こわすぎたから、である。


それは昨年、ちょうど、お盆の最中のある夜だった。

私は、自室で動画をBGMに、パソコンで家計簿か何かの入力をしていた。再生していたのは、いまや夏だけでなく日常的に視聴している怪談である。
ただ、昨今はある程度オカルト系もチャンネルを絞っているので、どういう内容でもみるというわけではない。心霊スポットに突撃系は興味がないし、皆でわちゃわちゃしているよりは、物語として成立しているものが聴きたいほう。だから、その時も音声合成系も含めて望ましいチャンネルの何話かを連続して流していた。

どこかの一本が終わり、次の関連動画に移る前にCMがあっただろうか。

あ、別の動画に切り替わったなと認識したところで、これまで聴いたことのない機械音声が耳に入る。とりあえず設定は自動再生にしてあり、変えたい時だけ変えるスタイルで視聴していたので、たまに思わぬ動画がくる場合もありはするのだが。それはおそらく一度も見かけたことがない映像だった。これはどういうもの…?ふと関心を向けた、その瞬間。
(ゾワゾワッ)
………………………なんだこれ?
まだ導入も導入、話の内容すら見えてこない第一声ぐらいのところなのに。なぜだか、ものすご~く気持ち悪いというか……イヤ~な予感がしたのだ。

これは最後まで聴かないほうがいい

自分の中の何かがそう告げてる。そしてそれは理由わけもなく確信めいていた。

私は通常、いわゆる“霊感”と世間で言われる類のものとはほぼ無縁であり、あからさまなオバケと対峙したこともない。ただし、この時ばかりは、あの直感とももしや霊感?とも判別つきがたい感覚は、ほぼ間違いなく当たっている気が最初からしていた。自分なりに解釈するとするならば、どことなく身の危険に似たような不気味さを覚えたからなのだろう。単なる勘ではなくこういう霊感めいたものを感じるのは、かなり珍しいのだが…。

しかし、そこまでゾクゾクしていたにも関わらず、話の内容自体はそれほど恐怖心を搔き立てられるものでもなかったことと、作業中だったこともありすぐさま動画を変えるまでには至らなかった。
キーボードのタイピング音に半ば集中し、キリがついたら止めるつもりで、抑揚のない人工音声は聴いているとも聴いていないともつかないような中、だらだらと動画は流れ続ける。どこか遠くで、早くやめれば?という警鐘が鳴っているのも確かだったが、ここまで作業を優先してしまったのも今となっては不思議で、再生された時点で時すでに遅し…だったのかもしれない。

ストーリーはクライマックスが近いようだ。
私の入力はあと少しかかりそう。
どちらが先か?
そんな愚にもつかないようなことが頭の片隅にベロンと引っかかっている。
さあ、いよいよ。最も恐ろしい場面の気配があたりに濃厚に立ち込めて……

ブツン!!!!!


…間一髪。そこだけは聴かないように、勝手に体が動き再生を停めていた。
「これは最後まで聴かないほうがいい」
自分の中の何かがそう告げてる。そしてそれは理由わけもなく確信めいていた。
なので、その話のオチは今も知らないままであるし、金輪際知る気もない。

真夏の夜だったので暑かったのもある。だがひたすら奇妙な冷や汗が滲み、うっすらと纏わりつくような気味悪さが広がっていく。これは、こわい話を聞いて単純にこわかった~という類の悪寒ではないな…というのが、長年の怪談リスナー(愛好家)としての結論だった。
しまった……あの動画、もしや話の内容というより何かもっとヤバイ何か……
いやいや。やめよう、とりあえずそっちに寄るのは。うん、きっとその方がいい。よし、ふろに入るぞ。そして、寝る!私はどうにか気を取り直した。

入浴で気分転換もできて、眠るため寝室へ。その間、特に何か起こったわけでもなく、ですよね~気のせい気のせい…と何となく落ち着きを取り戻し、日付も変わった深夜、おなじみのへなへな体操をキメて、ベッドに入った。
普段から住まいは自分なりに大切にしていて、意外とちょこまかしてるので小まめにごみを取り除いたり掃除をしたり、植物を飾ったり風が通るようにしてる効果もあるのか、基本的に家にいて嫌な感じがすることはまあない。のんきに闇の中で体操するのが日課だったりするのは安心しているからだ。
だからこそ、いつもは使っていない感覚がいやにざわめく予兆がするのは…やはり、まさしく異変だったのだろう。

うとうとうと。入眠が訪れつつあった。うとうと……うとうと…む、むむ……
意識は半分薄れていたが、まだ半分は覚醒している。そんな中、どうやら、身体的な理由でない感覚で、じわじわ体が痺れ始めている……!

ビィイィィィィン………

耳の奥で、弦を揺らすような振動音が響き、それは徐々に強くなりながらも時に近く、時に遠く。体の痺れに共鳴するかのように、深みも伴って脳内を顫動。思い出す。これまでの金縛りでも、無意識に落ちかける一歩前でこの手の耳鳴りがしてきてかかる時があったことを。ただ、これまでの金縛りと少し違ったのは、体の硬直がそれほど急激ではなかったことだった。

ビィイィィィィン……ビィイィィィィン………

自分の意識が抵抗しているのか???それとも…
とにかく、かかりそうでかかり切らないような?強弱のある痺れは、不意に猛烈な恐怖感を呼び起こし…

これは見てはならない!!!


確認するべからずというどこかからの指令を守り、なぜか心の中で『去れ…早く去れ!』と唱えながら、ふんぬっと渾身の力を込めたら縛りが解けた。

そのままガバッと起き上がる。暗闇の中、エアコンの作動音だけが、微かに漂っている。もちろん、誰もいない。人影すら、何も。

しかし、私は今回ばかりはそのまま寝ることをしなかった。
こわいこわいこわいこわいこわいこわかったこわかったこわかった~😭
というのがもちろん一番ではあるのだが、
やっぱりじゃねえかよ!誰だ、貴様はあ!
という気持ちは、自分か。それとも守護霊らしい気さくなモノノフの怒号か…?
しっかり帰ってもらおう。なにしろ忍び込んでこようとは無礼にござるぞ!私ももう、二度とあれは見ない。だから二度と来るなよ。

あたりを見回すと、ふと棚に目が留まる。そこには、大分前ではあるが京の奥座敷・貴船神社で拝受した、御神塩を置いていた。
これだ…!
実は、塩が魔除けになるかどうかは、いろいろと言われているところがあるらしい。ただこの時の自分にとっては、塩の実際的な効果よりも、あくまで気を強く持つためのアイテムといった存在だったので、迷わず頼ることに。意識への侵入を防ごうと、寝具(特に枕)にぱらぱらし、後は袋をぎゅっと手に持って、もうこわくないもうこわくない…と気を鎮めてから、ようやく安らかな眠りについたのだった。


その後は特に何事もなく。正直、かなりほっとしたものである。
そういえば、あの時はお盆期間だったけど、何か関係があったのだろうか。それにしたって、さすがにあの感じは…先祖ではないはず笑 じゃあ、通りすがりの何かを招き寄せてしまったのだとしても、それはそれで厄介だし、十分こわいが^^; 何も見てないので結局オバケかどうかすらわからない。
皆様も、ご視聴になる動画に、気づかれぬように誰かの何らかの意図が仕組まれている可能性もあることを承知した上で、楽しく安全な趣味ライフを!
霊感は、重視も軽視もしないほうがいいかもしれません…


“神秘十字”
相変わらず存在
一説によると、あればオバケみえないとか
視覚の衝撃食らいやすいので、ある意味お守り🧿
ただ、みえないのと、いないのは違うんじゃ…^^;

妙なもん見たけどなんか元気になったわ…というスポットを目指しています