締め切った部屋に一人

外から漏れ聞こえてくるのは

春らしい陽気な騒がしさ

公園で野球の練習をする

子どもたちとそれを教える

大人たちの声

陽気さに目が覚めたのか

カエルが鳴いているが

僕の気のせいかな

鳥の囀り

飛行機の唸り

そんな音に埋もれる様にして

僕の吐息

本のページをめくる際の

柔らかく擦れる音

耳を澄ませれば

絶えず生まれてる雑音も

今日はそこまで嫌じゃない

鳩が楽しげに歌を歌い

子どもたちはボールを

追いかけて

僕は言葉の海を泳いでいる

16時27分は今しかない

あっという間に過ぎゆく

確かに生きていたのだという証を残したい

静かな日曜日の傾きかけた

日差しを贅沢に浴びながら

僕だけの時間が流れていく

冬が終わったのだ

春が始まったんだ