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介護事業を20年経営して思うこと Vol.15

株式会社北陸福祉会 専務取締役の高澤 由香里と申します。
今回のテーマは、「言葉だけでなく行動を」です。

当社は、富山県高岡市・砺波市・南砺市にて、グループホームやデイサービス・小規模多機能型居宅介護事業を、20年運営しております。
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介護事業の経営はもちろん、介護現場に私も出て日々入居者様とかかわってきた中で、いま思うことを綴りたいと思います。特に読んでいただきたいのは、これから介護職を目指す方と今まさに介護職に就いている方々です。

断食5日目

以前の話ですが、高齢かつ認知症を発症したことをきっかけにご家族の勧めで当社のグループホームに入所された方がいました。ご本人様(Aさん)にしてみれば大変不本意だったようで、その意思表示として「断食」をはじめたのです。
水も飲まず、食事にも手を付けてくれません。
これでは大変なことになると思い、ご家族に好きな食べ物や飲みものを聞いてすぐに用意。そうしてチップス系のお菓子と炭酸水をもって話しかけるものの「かまってくれるな」という感じです。

そうした毎日が続き、
3日目、4日目、、、そして5日目。
今日何も食べてくれなかったら、
すぐに病院に行かなければならないという瀬戸際。
それでも極力自然体で話しかけました。

「Aさんまた来ました」
「大好物があるから食べましょうよ」

「おまえも一緒に食べるか?」

「一緒に食べてもいいの?」

「一枚食べてみろ、、、」

私が食べると嬉しそうに笑い、
ご自身も炭酸水を飲みはじめたのです。
そしてお菓子にも手を伸ばしてくれました。

もう嬉しさと安堵感で涙が出ました。

ただし断食5日目ですから、
きちんと食事も取っていただかなくてはと
すかさず晩御飯もお持ちしました。

その後は、一緒にダンスをしたり話をしたりとすっかり良い関係になり、
それを見たご家族も安心されました。

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もし通常の食事を運ぶだけだったら、
好きなものを聞いて部屋に置くだけだったら、
もう仕方ないと放置していたら、
一緒に食べるか?に応えなかったら、
あの5日目の瞬間は来なかったかもしれない。

20年以上介護の現場にいて思うのは、
信頼関係は、言葉だけでは生まれない、ということです。
信じてもらえる行動や姿勢ができるかどうか。
認知症の人とくくらずに、
ドラマチックな人生を生きてきた
一人の先輩として敬意や配慮ができるか。

こうして振り返るたびに、私はご利用者様から多くを学ばせていただいていると感じ、感謝と穏やかな気持ちで今日を過ごそうと思うのです。

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当社では、「職場の仲間と利用者様を大事にする」という考え方に共感いただける方と一緒に仕事をしたいと考えています。ご興味を持っていただきましたら、一度お話ができたら嬉しいです。
就職・転職を今すぐ考えてはいないけれど、共感できるという方もぜひご一報ください。

下記の採用サイトからエントリーいただいても、直接お電話をいただいても構いません。TEL: 0763-22-1777(ニシヤチまで)

https://hokufuku-recruit.jbplt.jp/


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