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イジメられのカリスマ   2 娘もイジメられた 第弐話

小学4年 春

1年生の頃から好きだったハル君が少年野球チームに入っていて、1つ上のお兄ちゃんや、2つ下の弟も通っていたから、休みの日はグラウンドには行くけど、妹の面倒を見て、ハル君に集中できなかった。

だから、カカにお願いして、トトには内緒で少年野球に通い出した。
だってトトは、ハナにボールが当たったら嫌やという理由で野球をさせてくれなかったから、トトが出張中の間にコッソリ通い出した。
毎日TV電話でトトとお話するのは楽しかったけど、嘘をついてる罪悪感で毎日泣きそうになる。
我慢できずに、通話の途中でトイレに行って泣いたこともある。
後で聞いた話だが、トトは既に知っていたらしく、
逆にハナを苦しませていたと、嘆いていたらしい。
そんなトトもカッコいいけど、ハル君もカッコいい。背は小さいけど運動神経もよく、周りに気遣いができて人気者。
私はベンチで皆の応援をして、一緒に汗を流し、
たまに代打で出るけどいつも三振。
その度にハル君は頭をトントンしてくれる。
お昼ご飯も一緒に食べてくれるし、
帰る時もハナが見えなくなるまで手を振ってくれている。
私は一週間の中で土、日が1番幸せな時間やった。
でもそんな楽しい時間は永遠に続かなかった。
6年生の夏位からユカとハズキも見に来るようになり、何故かハル君と一緒に帰って行く。
別にハル君とは帰る方向が逆やからいいけど、ユカとハズキは私と一緒の方向やのに何で?

私がハル君の事好きって知ってるのに、何で?
応援してくれるっていうたのに、何で?
二人が来てから何かぎこちない。

考えすぎやな、二人は友達やし、大丈夫。
何もないと言い聞かせた。つもりやった。

小学6年 10月某日 決意の日  夕方
さっき見たユカの文の下に書いてあった文字…
涙でボヤケてもハッキリみえた。

【この度ハズキはハル君と付き合いました♥】

どういうこと?
トト…
お願い…
はやく… 帰って来て…
もう、無理…


第参話へ続く


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