まーな

音楽、映画や読書、ファッションやお出掛けも好き。

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  • my favorite soundtracks01

    「ロック・ミュージック史」の名盤に関する思索です。

最近の記事

アートの可能性/潜在性を具現化/具象化した英国のグラム・ロックとプログレッシヴ・ロック

今日、ご紹介するのは、英国のグラム・ロックとプログレッシヴ・ロックです。 70年代前半、英国のロック・シーンは、極めて印象深い時期を迎える事になりました。 ロック・ミュージックの多様化から生み出されたハード・ロック、グラム・ロック、プログレッシヴ・ロックの3つのジャンルが確立され、70年代という次なるタームは、その牽引者らの台頭から混沌化の様相を呈します。 グラム・ロックとプログレッシヴ・ロックという2つのジャンルは、アティチュードとサウンドの両面において非常に対象的な

    • 巨大な大陸/マーケットへ挑んだブリティッシュ・ハード・ロック

      今日、ご紹介するのは、ブリティッシュ・ハード・ロックです。 ロック・ミュージックは、60年代後半から70年代前半に掛けて、数多のミュージシャンによって多種多様なスタイルが確立され、ロック・シーンは、非常に多面化していきました。 そうした状況下において、主流となったジャンルは、ハード・ロックでした。 ハード・ロックは、各バンドの特色から多角的に発展していくのですが、その基礎的なスタイルは、ブルース・リヴァイヴァルのバンドのサウンドから発展(1)し、ブルースやフォーク・ロッ

      • ブラック・ミュージック史における一つの革命となったニューソウル/プログレッシヴ・ソウル

        今日、ご紹介するのは、70年代のニューソウル/プログレッシヴ・ソウルです。 70年代の初頭、R&B/ソウル・ミュージックは、重要な転機を迎える事となりました。 60年代の同ジャンルは、主として商業的な野心を持ったレコード会社の主導の下、シンガー/アーティストとプロデューサー/ソングライターによる分業制からレコードが制作されていました。 ところが、70年代前後を境にして、作品のプロデュース/ソングライティングを自ら手掛けるR&B/ソウル・シンガー達が台頭し、更には自身のキ

        • 時代の変わり目と共に現れたSSW達による其々の内省

          今日、ご紹介するのは、70年代初頭のSSW達の作品です。 60年代におけるロック・シーンの主流であったサイケデリック・ロックやフラワー・ムーヴメントの熱気は、ウッドストック・フェスティバルで一つのピークに達しました。 しかしながら、70年代の始め、ロック・シーンは、60年代のアイコニックであったビートルズやジミ・ヘンドリックスやジム・モリソンらを失い、その狂騒も次第に沈静化していきます。 そうした時代の変わり目においてシーンで支持を受けたのは、「パフォーマーが自分の経験

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          濃厚な音楽性と濃密な関係性によって生まれた英米のスワンプ・ロック

          今回、ご紹介するのは、スワンプ・ロック関連のアルバムです。 60年代後半、ロック・シーンの主流で活動する多くの英米ミュージシャン達が米国南部音楽に根ざした方向性へ向かいました。 その音楽的な起点となったのは、ボブ・ディランとザ・バンドが発表した『ザ・ベースメント・テープス』のアセテート盤や『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』、あるいは、グラム・パーソンズ擁するバーズが発表した『ロデオの恋人』などに代表されるルーツ・ロックやカントリー・ロックでした。 また、同時期、彼

          濃厚な音楽性と濃密な関係性によって生まれた英米のスワンプ・ロック

          ブリティッシュ・ロックの雛形となったハードでソウルフルなロックンロール

          今日、ご紹介するのは、ブルース/カントリーやR&B/ソウルの流れを汲むハード・ロックです。 1970年代のロック・ミュージックを俯瞰的に捉えてみると、ロック・シーンの主流は、ハード・ロックでした。 ハード・ロックは、同年代、あらゆるスタイルを確立させていますが、その始点を改めて遡ってみると、ブルース・リヴァイヴァルのバンドのサウンドから発展(1)し、ブルースやフォーク・ロックのルーツとの関連をより密接に維持した性格(2)との事です。 なので、今回は、ブルース/カントリー

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          オルタナ・ロックの始祖たちが反響させたラディカルなロックンロール

          今日、ご紹介するのは、オルタナティブ・ロックの系譜に属するバンド群です。 60年代のロック・ミュージックは、サイケデリック/アート・ロック以降、急速な発展を遂げ、同ジャンルは、ジャンルの多様化あるいは細分化の様相を呈し、一つの分岐点を迎えていました。 彼らは、そうした状況下、音楽面においてはコンソールや楽器、スピーカーやエフェクターなどを変則的に使用し、精神面においてはアルコールや新種のドラッグを慢性的に服用し、社会や芸術に対する自身のアティチュードを具現化させていきます

          オルタナ・ロックの始祖たちが反響させたラディカルなロックンロール

          シーンの中心地から離れた場所で名作を著した60年代のSSWたち

          今回、ご紹介するのは、60年代のSSW達の作品です。 これまで振り返ってきた通り、60年代のロックの歴史は、ブリティッシュ・インヴェイジョンやフラワー・ムーヴメントによって大きなページが刻まれました。 しかしながら、60年代に名作を著したSSW達は、そうした時代の趨勢とは異なる場所から現れました。 ロック・シーンの中心地に属さない作家たちによる作品群は、歳月を重ねるごとに再評価され、やがてロックの歴史においてある種の普遍性を持った名盤として位置付けられていきます。 そ

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          既存の枠組みを超えた異形なるロック・ミュージックの誕生

          ロック史において、1969年は、非常に話題性に富む特別な年となりました。 それを最も象徴する出来事は、やはり約40万人を集客したウッドストックに代表される大規模な野外フェスティバルの開催でした。 また、この年は、異なるバンドの大物ミュージシャン同士が新たにバンドを結成するいわゆるスーパー・バンドの結成も相次ぎました。 こうした大きな出来事の背景には、60年代後半に掛けてロック・ミュージックがジャンルの多様化や機材の発達などで音楽的な可能性を広げる中、社会からの解放を謳う

          既存の枠組みを超えた異形なるロック・ミュージックの誕生

          ルーツへの回帰から一つの集大成と時代の区切りを示したロック・ミュージック

          1960年代後半、ロック・シーンは、前年までのサイケデリック・ロックの流れから一転し、ルーツへの回帰が顕著となりました。 その背景には、同時期、ベトナム戦争や人種問題が混沌の一途を辿っており、社会情勢の不安定化に伴い、各ミュージシャン達は、ルーツへと回帰することで自身の足元を今一度見直そうとしたのかもしれません。 ブルース/R&Bやフォーク/カントリーなど多様な音楽ジャンルを束ねる事で成立したロック・ミュージックは、ルーツの一つであるカントリーの要素をより色濃く取り入れて

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          多彩なロック・シーンを彩ったソフト・ロックやオーケストラ/バロック・ポップとその職人気質な作家たち

          今日、ご紹介するのは、ソフト・ロックやオーケストラ/バロック・ポップと呼ばれる音楽ジャンルです。 同ジャンルの音楽的な特徴は、コーラスや弦・管楽器の多重録音による壮麗かつ実験的な音作りや編曲であり、その源流となるのは、フィル・スペクターやバート・バカラックなどに代表されるニューヨークの職人気質の作曲家/プロデューサーにあたります。 同ジャンルにおけるSSWあるいはバンドは、先日、ご紹介したビートルズの『サージェント・ペパーズ~』やビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』の衝

          多彩なロック・シーンを彩ったソフト・ロックやオーケストラ/バロック・ポップとその職人気質な作家たち

          ロック史の転換点と既存の社会を揺るがしたアート・ロック/サイケデリック・ロック

          1967年、ロック・ミュージックは、大きな変化がシーンに訪れ、1つの転換点を迎え、その歴史にとって非常に重要な年となりました。 アート・ロックまたはサイケデリック・ロックと呼ばれる前衛的/実験的な作品群が発表され、従来のコマーシャルなロックと一線を画する同ジャンルは、そのステージ・パフォーマンス面も含め、ラディカルな表現スタイルから既存の社会に対するアンチテーゼを示しました。 アート・ロックは、ニューヨークやロンドンのアンダーグラウンド・シーンで形成され、サイケデリック・

          ロック史の転換点と既存の社会を揺るがしたアート・ロック/サイケデリック・ロック

          ビートルズから発表されたロック史における最重要アルバムとロック・シーンに最も衝撃を与えたジミ・ヘンドリクスの登場

          ロック・ミュージックは、1966年から1967年に掛け、その歴史において最も重要な時期を迎える事となりました。それを象徴する形となったのは、2枚のアルバムと2人のギタリストでした。 2枚のアルバムとは、ビーチ・ボーイズから投げ掛けられた『ペット・サウンズ』という名の実験的なアルバムと、同作に影響を受けたビートルズから放たれた『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』と名付けられたコンセプト・アルバムです。 そして、2人のギタリストとは、フラワー・ムーヴメ

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          サザン・ソウルとブルー・アイズ・ソウルという二つのソウルと時代の顔となったソウル・シンガー達

          ブラック・ミュージック史における一つの頂点であるサザン・ソウルは、60年代半ばから後半に掛け、インディ・レーベルであるニューヨークのアトランティックやメンフィスのスタックスなどが中心となり、覇を唱えました。 R&Bマニアのユダヤ人プロデューサー/ジェリー・ウェクスラーや黒人のDJを営業管理職に起用した白人経営者/ジム・スチュアートらの手によって輩出された名ソウル・シンガー達の躍動は、キング牧師を中心とした黒人公民権運動(1)という社会的背景も重なり合い、戦後のポピュラー・ミ

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          ロック史において最もヒップだったモッズ/ガレージ・ロックの愛すべき不良たち

          今回、ご紹介するのはモッズとガレージ・ロックです。 モッズは、流行としては短期であったにも関わらず、その後のロックシーンにおいて一部の要素が取り入れられた形で、リヴァイヴァルを繰り返していくイギリスの代表的ユースカルチャーです。 他方、ガレージ・ロックもブリティッシュ・インヴェイジョン直後、アメリカやオーストラリアなどで見られた一時的な現象でありながらも、その後のロックシーンに影響を与えて続けていく重要なジャンルです。 モッズとガレージ・ロックの共通点は、ブルース/R&

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          珠玉の60sアメリカン・ポップス”モータウン/ウォール・オブ・サウンド”の躍進

          ©English Wikipedia 60年代の米国ポップ・シーンにおける最も重要なトピックの1つ、それは、R&Bやニューヨーク・ポップスの潮流に属する黒人グループの活躍でした。 当時、米国社会は、南部の黒人と北部の白人の学生達を中心に、公民権運動(1)が活発化していました。 メディアから南部各地の白人系団体/警察による暴動の発生が報道される中、デトロイトのレーベル/モータウンやロサンゼルスのレーベル/フィレスは、洗練された都会的な黒人グループ達を世に送り出し、白人の運

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