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[033]なんもできんくなるよ


こんばんは。

書く暇あったら動け、のまっちゃんです。
久しぶりですね。


さて、2020年国勢調査の速報値が出たので、北海道ホームページにて確認してみました。

気になっていたのはやはり「道内市区町村別 人口推移」なんですが、まずまず予想通りの調査結果でした。


確実に人が減っていく北海道

札幌(石狩管内)が未だ微増の道央圏、やはり隣接する空知管内、後志管内はおおむね苦戦のようでした。

空知管内は岩見沢がもはや街として耐え切れていない減り方になっていたり、夕張や月形、芦別など全体的に疲弊感があるように感じました。
2025年には消滅可能性から消滅確定になりつつある自治体も出てくるでしょうね。
札沼線が廃線となったこともあるのか、前回H27調査比15%減前後の市町村がゴロゴロしてるのはちょっと哀れにも思えてしまいます。

後志管内はニセコ、倶知安でインバウンドによる移住者がありそうですが、母数の多い小樽市の1万人以上減のインパクトが大きいです。
小樽に住むくらいならもう札幌(手稲、前田、星置)に住むわ~ってことなのかもしれませんし、小樽築港のイオンより発寒のイオンを選んじゃうということなのかもしれません。
どちらにしても、札幌市西区エリアとは比較劣位のポジションです。

他管内も軒並み大幅減で、留萌管内や日高管内なんかはJR廃線が効いている減り方と言えるかもしれません。


付け焼刃はいらない

今般の調査結果に関係なくですが、北海道は「コンパクト」という都市概念はまずあてはまりません。

カンタンに人口をよっこらせ、とはできないのです。

だからこそ今後は、アフターコロナも視野に入れ、ICTを積極活用した産学官民金総動員での広域的な生活支援体制を目指してほしいと思います。

とにかく人口(余力)がまだあるうちにその仕組みを早急にたたいて、隣接自治体で協力して構築していくことが先決です。まずはそこです。

また、10年後のインフラ整備(北海道新幹線の札幌延伸)やイベント誘致(2030年札幌冬季五輪の招致)に未だに懲りずに北海道の未来を語ろうとするオジサンたちもいるようですが、あれらはあくまで一過性、限定的、きっかけの装置にすぎません。

ここまで進行してしまうともはや特効薬にもなりませんし、熱したフライパンに水を2、3滴落とすようなものです。開通や開催の翌年から効果なんぞなくなります。

もし、2030年に札幌冬季五輪を開催するのなら、東○五輪の反省を生かして、北海道五輪として各管内の市町村の既存取組の盛況、周知につなげてみるというのはひとつの政策としてありではないでしょうか。

もちろん露骨な政治利用はダメですが、地域振興にどう利用できるかを考えて立候補してほしいところです。

構想の持続可能性が低いなら、まさに○京五輪の二の舞どころでは済みません。
東京○輪と違うのは、北海道の場合、失敗すると「そんなことしてる暇ないやろ!」の影響が格段にひどいということです。

ただ、各市町村で冬や寒さ、雪を軸にしたシティプロモーションは継続して行っているでしょうから、それらの取組をどの方向で磨き、どのように対外発信するかが、その時は肝になるでしょう。


そして、北海道新幹線が札幌まで来ることにおいても(自分は半ば反対派でしたが)、東北六県との関係づくりを道の大号令レベルで今すぐにでも始めるべきだと考えます。
豊富な緑資源、過ごしやすい冷涼気候、食文化・生活文化の類似性、震災経験の重複による知見継承……いまパッと考えるだけでも十分に交流余地があります。

もはや都道府県単体で行財政、市民生活の保障・支援などを考えてまかり通るのは、片手で数える程度の都道府県や地域でしょうし、もう待ったはかけられない状況に差し迫っています。

たとえ行政主導は難しくても、まずは別の主体(産学金など)で積極的に他県や他地域との事業協創、交流を図るべきでしょう。
結局、行政が後続できる形、道筋を残しておけばいいように思います。


北海道のウィークポイント

東北地方の人はわからないですが、北海道の人は“島国意識”なのか、どうもそのあたりの、外への意識にかなり疎い県民性があるように思います。

正直なところ、東京から北海道に戻ってきて3年、ここまで「発信が下手/発信を知らない人が多い」とは思いませんでした。

いわゆる、外への情報発信ですが、そこを重要と捉えていない人が他地域に比べて肌感覚でも圧倒的に多いです。これは、割と辟易しました(笑)

当初は自分がいる業界柄なのかなと感じていましたが、やはり「隣接県に宿泊客を取られてたまるか!」といった、本州では当然の地理的なハングリー精神が、海を隔てている分、数段落ちるからだと思うようになり、最近はそれが確信になりつつあります。

また、その確信のウラ側として、「北海道(民)が誇る大自然の資源!」に道民が甘えているように感じてしまう場面に出くわすことが多いことがあります。

例えば、大学院で学ぶうちに、自然資源にあまりに頼りすぎているせいか、資源豊かな道内観光地がハード整備・ソフト整備の両面で十分に観光地化されていないことは、かなり痛い失策だと感じるようになりました。

結局良いモノがあっても発信、広報、宣伝をしなければ、気づいてもらえません。

ニッポンお得意のハード整備でもそんな有様なので、北海道という世界ブランドは構築できていないと言わざるを得ません。
私としては、未だに「北海道が好きな外国人」や「経済的余裕のある外国人」が「道内の特定地域(ニセコ、富良野、美瑛)」を訪れているイメージが拭えなかったりします。


そんな中、「アンテナショップは大盛況」「百貨店で大北海道展があれば、人だかりで前に進めない」は、本州ではごく当然の光景です。

ブランド総合研究所(東京都)が毎年発表する「都道府県魅力度ランキング」においても、12年連続で首位に立つなど、客観的に観ても魅力的な北海道ですが、その事実を知らなくても、本州の老舗百貨店での人気ぶりを知らない道民がいることは、ハッキリ言ってショックでした。

外界や外界からの評価をあまり気にしない、おおらかと言えばおおらかですが、情報にひどく閉鎖的とも言えます。


尻切れトンボになりますが、人口減少を止めるのは難しい中で、人口減少の要因の地域特性として、私は「道民の県民性(意識)」があるように感じます。

歴史やスピリットの部分にもかかわるので、なかなか前途多難ですが、その難しい部分に挑戦したいという気持ちにもなれた、今年の国勢調査チェックでした。

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